なんとかBAR、トイレ工事のためしばらく休業!

毎度おなじみ、高円寺なんとかBARのトイレが詰まってはや2ヶ月。と言うより、厨房の排水も常に不可解な詰まり方をよくしていたので、いよいよ修理しないとなー、ということに。これまでは応急処置を繰り返してたんだけど、もはやそんなんじゃ埒があかない感じになってきたので、もう根本から直そうということにした。

本来だったらそんなの大家が直すべきじゃねーか、ってところなんだけど、先進国じゃあるまいしそんな契約書通りに行くわけがない。それにこのなんとかBARの入る建物は、戦後以来、増改築を繰り返し、口約束に口約束を重ね、取り引きに取り引きを重ね、もはや他人や法律は立ち入ることのできないような大家と店子の微妙な線引きが完成されており、とてもじゃないけど理屈じゃ説明できないような状態になっている。そう、秘伝のタレみたいな感じ。
というわけで、今回の下水工事は、あうんの呼吸でこちらが全て受け持つことに。説明不可だけど、こちらが一方的に不利益を被ってるわけではないのでご安心を。ま、現代社会では解明のできない秩序がまだ続いてるってのがなんかいいね。

さあ、そこで登場したのが、普通の業者はめんどくさがって受けてくれないような時に登場する、“便所将軍”の異名で近隣諸国からも恐れられる、便所界のブラックジャックこと水道工事士の秋山氏。ウンコの流れを手に取るように操り、瞬時に直してしまうこの男が現れたからにはもう安心。
ということで、3日程度の休業でその間にやってしまおうということに。おお、これは心強い!!!

で、秋山氏が地面を壊して地下を見てみると、いきなり大変なことに。「中が空洞になってるよ!」とのこと。なんと、複雑怪奇に入り組んだ排水が数十年に渡りいろんなところで漏れ出しており、下の土がどっかに行ってしまってたのだ。あぶねえ〜!!! そう、我々は知らない間に空中に浮いた状態で飲み屋をやっていたのだ。すごい! あと一歩で、コントのように一瞬でなんとかBAR全てが地下にドシャーンと沈没してしまってたかもしれないのだ。いや〜、それはそれで楽しそう!

便所どころか厨房の地下も大変なことになっていて、数十年前のとんでもなくイカサマな配管工事跡が発掘され、「なんだこりゃー! これじゃ詰まるに決まってるよ!」と腰を抜かす便所将軍。
しかも、予想したルートとは別の方向に排水管が向かっており、「いったいこの配管はどこに向かっているんだ!?」と、ミステリーは深まる一方。どこの下水管とどこの下水管がどこで合流しているかとかが完全に不可解な状態なので、謎を一つづつ解き明かしていき、謎に迫る! そして、ついに突き止めた便所将軍・秋山氏は「下水はどうやらこの壁の向こうに繋がっている!」と、壁の向こうを指差す。
問題は、その壁の向こうに何があるのかがわからないのが、この建物のややこしいところ。当然、建築当時の図面などは残っておらず、何がどうなってるのかわからない。香港の九龍城の小型版みたいなことになってるので、驚くべきことに10年ほど前には大家さんも知らなかった未発見の部屋が見つかったというふざけた事件もあり、さらに図面に載ってないから家賃もタダになったというもっとふざけた事態にもなった(どうやら今は大家の気分が変わって家賃が発生するようになったらしい)。
「ここだ!」と、隣の古着屋“はやとちり”のギャラリースペースを突き止め、穴を掘り返す秋山氏。見事に排水管の先を掘り当てる。すごい、さすがだ!! そして、もはや鬼神のような目つきで排水を追う秋山氏はすかさず「よし、こっからこっちも全部剥がして!」と相方の職人さんに的確な指示を飛ばし、親の仇のように穴を開け始める! プロだ! プロの技だ!!
もうこうなると誰も止められなく、「なるほど! ここからこっちに繋がっていたんだ! とすると、こっちの方角だろうな〜」などと完全に徳川埋蔵金モードに入っている。

そこへ、寝起きの顔をして現れたのが古着屋はやとちり店主のごっちゃんだ。「なんとかBARの工事どんな具合っすか〜」と、田吾作感全開のトボけた顔をしてやってきたごっちゃんだが、やってくるなり自分の店の真ん中に巨大な穴が空いてるのを見て目を丸くして驚き、怒るかと思いきや「こんなことになってるんですか〜。いや〜、面白すぎるなー」とのんきに写真を撮って喜ぶごっちゃん。で、すぐに飽きたのか、自分の店の巨大な穴もあまり気にならない様子で、何事もなかったかのように「そんじゃ、よろしくお願いしま〜す」と、クマが冬眠で穴に入るかの如く隣の自分の店の中に入っていく。
どうなってんだ〜、全員行動も反応もおかしい!!

さて、そんな感じで、うっかり始めたトイレの排水工事が思わぬ大掛かりな工事になってきた。秋山氏もウキウキした様子で「こりゃ、3日やそこらじゃ到底終わらねえなあ。これは長丁場だ!」と張り切り始める。

と、いうことで、なんとかBARのトイレ修理休業の日程、当初の予定を上回り予想外の長期休業の可能性が浮上! さあ、果たしてなんとかBARの排水は直るのか!? なんとかBARは再開される日が来るのか!?
諸君、続報を待て!!!!!

【速報】高円寺「なんとかBAR」がついに復活!!!

昨年初頭の新型コロナ日本上陸以来、長らく休業していた、高円寺「なんとかBAR」。史上最低の店主たちによって日替わりで回している、前代未聞の最低のBARだ。一時的に再開した時はあったけど、結局延べ日数にすると約1年半に及ぶ休業。誰もがすでに潰れてしまったんだろうと思っていた、その時!!! …そう、まだ死んでいなかった!
ついに「なんとかBAR」が再開してしまう!!!

そして、長い休業を経ての再開なので完全リニューアルしてグレードアップするかと思いきや、そんなことはない! ほったらかした状態だったので何も変わってないどころか、よりヒドくなっての堂々オープン!
これは駆けつけるしかない!!!!!!!!!!!

さあ、キミも2019年にタイムスリップだ!

そして、再開のスケジュールは下記の通り!

■10月24日(日)
夜24:00(25日0:00)開店!
リバウンドなんとか期間が終わった瞬間、つまり深夜0時にシャッターが開く予定!!
この日は営業というより乾杯がメイン。
夜11時半ぐらいからみんなでなんとかBAR前に行列して、12時を迎えるとともに店内で乾杯。行列がメインなので、皆さん11時半にはぜひ〜
もはや祭りなので、酒は全て無料で振る舞います。財布を持たずにどうぞ〜
もちろんスタッフや常連さんだけじゃなく、初めての人も大歓迎。みんなで乾杯しましょう〜

※この日は1時間だけ開けるので、1時には閉店します

■10月25日(月)
「なんとかBAR復活記念! 廃墟BAR」
最後の臨時営業から一年近くが経ついま、中は惨憺たる状態! そのまま決行するので覚悟してご来店を。
復活記念の祝賀BAR!!! これはめでたい!
時間未定だけど、夜8時か9時ごろからは空いてる予定〜

■10月26日(火)
大掃除
夕方6時ごろからぼちぼち始めます。
この日は営業はしません。掃除を手伝ってくれる人がいたらぜひ〜
「普通は大掃除してから復活BARじゃないの!?」と思うかもしれないけど、そううまくことが運ばないのがなんとかBAR。勘弁してください。


さあ、地獄への扉が再び開かれた!
24日深夜〜26日は、なんとかBARへ!!!!

以降のスケジュールはまだほぼ未定だけど、こちらでチェック!

なんとかBARスケジュール

素人の乱5号店、台風で大破!!!

夏も佳境に入ってきて、いよいよ台風の季節。
東京五輪の開会式には異例の台風が東京直撃しそうになり、ザマーミロなんておちょくったりしていた。
ところがなんと、その台風は急遽北へ逃亡し、東京はカラッと晴天。チッ

↑リンクでTwitterに飛べます

で、そうは言ってもオリンピックも台風も別にそこまで興味はないので、日常生活を送っていると、なんとまたも台風が襲来するとのこと。巷ではみんな「災害に気をつけましょう。うまく台風それてくれればいいですね」なんてキレイ事を言いつつも、心の底では台風直撃にちょっとワクワクして楽しくなっちゃうのは子供の時以来の人間の性分。
自分自身、三度の飯より楽しみなのは巨大台風の直撃。「こりゃー大変だ」なんて言いながら、商店街を歩いてて友達に会うたびに「いや、これはもう世界の終わりが来るよ。お前の家なんて軽く吹き飛んじまうぞ!」なんて、台風襲来を触れて回る。

で、やって来たのが、台風10号。おおっ、来るか来るか? 事前予報だと東京向かってまっしぐら。挑戦的だね、コノヤロー。どんなやつが来るのかと台風情報を調べてみるとたったの990hPa。チッ、ずいぶんチッポケなのが来やがるねまた。そんなの朝メシ前のハナクソみたいな台風じゃねえか、まったく〜。お前じゃ話にならないから、親分連れてこい、600hPaぐらいの東京タワーが飛んで行ったり富士山がふたつになったりしそうな、日本沈没ぐらいの景気のいいデカイやつ。それぐらいじゃないと張り合いもヘッタクレもあったもんじゃない。ちょっとした風が吹いて木やら看板なんかが揺れたする程度じゃ味気ないじゃねえか。

で、興醒めして「くだらねえ、俺は先に寝るよ!」と、チビッコ台風の襲来を前にさっさと布団に入る。聞けばその日はオリンピックの閉会式だって。ケッ、ざまあみやがれってんだ、スポーツにかこつけて金をもうけようなんてせせこましい了見でつまんないこと目論んでるからそういう目に遭うんだ。ご苦労なこった。俺は寝るよ!


で、翌朝起きてみるとその台風10号、もう行ったはずなのにまだグズグズ雨なんて降ってやがる。普通は台風が行っちゃったらカラッと晴れてるのが相場なのに、まったく往生際まで悪い野郎だねー。
しょうがねえ、仕事でもするかと街に出てみると、看板は飛んでない、ガラスは割れてない、瓦が飛んでハゲ頭みたいになってる家もない。面白くもなんともない。ヘッ、所詮は990hPaの低気圧に毛が生えた程度のしょうもない台風。期待持たせようとしておこがましく台風名乗るなんて10年早ええ、扇風機で言えば弱以下のそよ風のスイッチだな。

…と、職場の店に着いて、シャッターを開けてみると!!!!!
大パニック!!!!!!!!
完全に大漏水!! ものすごい雨漏り!!! もう店中が水浸しで、床なんて池になってる。コノヤロー、どうなってんだ!!!!! 騙された! 話が違うじゃねーか〜〜〜

あ〜あ、商品の在庫やら店の設備やら道具類もビショビショになってるし、契約書やら店の書類なんかも水浸しで全部シミだらけ。やべー
海外の友達のバンドのグッズやTシャツなんかも茶色い水でとんでもないことになってる。やられた〜

このやろう、一言文句言ってやらねえとこっちも引っ込みがつかねえと商店街に飛び出すと、街は至って平静。周りをキョロキョロ見渡しても、何も異変はない。あれ、気のせいだったかと慌てて店に戻ると、やっぱり浸水で店内大パニック。コンチキショー、うちだけか!!! 建物が古すぎて、周りはビクともしてないのに、こっちだけ大惨事。これはみっともない!
愕然としてなんとか後片付けをしつつ、仕事もする。しかし、あまりの惨事に途方に暮れ、これは続きは明日だと、そのまま店を閉めてしょんぼり家に帰る。

…と、油断したのが運の尽き。台風10号が去った後からは台風9号がやってくるという、完全に人をおちょくったことになっていた。ついに大ボスの登場かと思ってちょっと楽しくなってきて調べてみると、こっちもチビッコ台風で、東京来る頃は力尽きて低気圧に変わるだって。バカバカしい、もういいよそんなの。あっち行け、シッシッ! 天気予報も小雨がちょっと降るぐらい。あっそ。10号でも9号でも5合炊でもなんでもいいよ、俺は先に寝るよ! 明日は店の片付けで大変なんだから、お前らチビッコたちに構ってるヒマはないよ。

で、朝起きてみると、窓の外は見たこともないぐらいの豪雨。しまった、計られた!!!
店に行ってみると、さらに被害は拡大。店の中全部水浸し!!!! うひゃー、なんだこりゃ〜。10号と9号、バカにしてごめん!!!! 俺が悪かった!


さあ、これは完全に敗北。もちろん昨日と同じで周りの家や店は被害ゼロ。うちだけ大パニック。
天井裏も全部浸水してるので、うかつに電気を入れてショートしても怖いので、まずは暗闇の中で片付けを開始。でも、電気もつけられないし、次また雨降ったらおしまいだし、う〜ん、これは復旧に一週間ぐらいかかる予感。

そう思ってテンション下がりまくってたら、大家さんが飛んで来てくれて、自ら屋上の排水やらいろいろと直してくれたりするし、商店街の電気屋さん(毎度おなじみ斉藤電気サービス)が駆けつけてきて、電気使って大丈夫かみてくれる。おお、早い!!! これ、オフィスみたいな事務的な不動産屋やら管理会社やら通してやってたら、「いま担当者に確認しますので」とか「業者の方から連絡させるので日程を調整してください」みたいになって、いったいいつ復旧するかわかったもんじゃない。ところが、うちの場合は、全部直接携帯に電話して「こんなことになってるんですけど」「よし、今から行く」みたいな感じ。で、みんなでてんやわんやになり、まさかの1日でだいたいの対策が完了。おお〜。やっぱりこっちがいいな〜

で、電気も復旧して雨漏りの心配も無くなったので、こっちも急にやる気が出てきて、恐ろしいスピードで片付けを開始。というか、再起不能のものを死ぬほど捨てまくる作業。これがまた気持ちいいんだよね、また。これでもかと捨てまくる。

すると、あらかた片付いた頃になると、一報を聞きつけた高円寺の友達やら飲み仲間やらよくわかんない人などが、「なんか手伝うことない!?」「大丈夫だった?」などと次から次へと現れる。おおー、ひととおり片づいちゃったけど、その気持ちだけでありがたい〜!! いや、心強い。

ということで、なんとか店の作業スペースも確保できて、店の程を取り戻せた。いやー、台風は侮れないな〜。そして、いろんなものが直でつながってる人間関係によって成り立ってる社会の強固さも改めて思い知らされた。いやはや…

って言ったって、こっちが小さくなってると思ったら大間違い。これぐらいじゃビクともしないし、冷や汗ひとつかきやしねえ。扇風機で言やあせいぜい中だな。次は300hPaぐらいの漬物石が宇宙に飛んでくぐらいのスゲエのがドーンと来やがれってんだ、コノヤロー。俺は怖くないよ! 台風のバーカ、バーカ!!!!!

【廃業記念!】マヌケ宿泊所・未来宿泊予約券発売のお知らせ

いま世界がどんどん分断され、くだらない政治家たちが自国民を囲い込んでいこうとするいま、そういうもくろみを全部ぶち壊すには、各国、各地の訳のわからないやつらがどんどん友達になって収集つかなくなるのがいいし、そもそもそれが一番楽しい。

しかし! そんな折、海外、特に東アジア圏の地下文化交流スポットとして機能してきたマヌケ宿泊所(MANUKE GUESTHOUSE)が倒産して廃業する運びとなった。このコロナ禍で海外からのお客さんが来ないとなると、もはや手の打ち用がない。毎月数十万円の赤字を出すようになって約一年。なんとか後々のために重要な交流拠点を残しておこうと思ったけど、このままだとこっちが先に破産する可能性が高くなってきたので、ここは正直に根をあげて倒産!!!!!

でも、マヌケ宿泊所はなくなるとはいえ、このまま世界全鎖国状態を黙ってみているわけにはいかない。のちのち、またいつの日か国境が開かれ、海外との交流が活発化する日が来るときに備えて、こちらもそれと同時に一斉に再開できるように準備しておきたい。
世界各国のマヌケなやつらからも「マヌケにはなんとか残ってほしい」「何かできることはないか」「各地で募金を集めようか」っていう連絡が死ぬほど来て、そう言ってくれるのは本当にありがたい! いやー、これはやはり世界中のマヌケなやつらのためにもなんとか死守しないとな〜

そうなったら、ここはなんとかするしかないってことで、今回の作戦!
まず、マヌケ宿泊所の客室やキッチン、浴室などは全て閉鎖するけど、リビングのみは残しておくという奇策に出ることにした。もちろん、ゲストハウスは宿泊がメインなんだけど、実際に各地から来た人たちが交流するのはリビングルーム。そして高円寺や都内の人たちが遊びにきて各国からやってきた謎のやつらと仲良くなったりするのもリビングルーム。ということで、みんなにとって重要なのは、やはりリビング、要するに居間だ。

もし将来、マヌケを再開するにしても、完全に新しい場所で再開したら、それはやはり別の場所になってしまう。でも、このリビングが残ったまま、再度客室を借りて再開した場合は、そこは同じくマヌケ宿泊所として継続することができる。もちろん、そのときに空室があるかはわからないので、確実ではないんだけど、ま、それはそのときに考えればいいか。

ただ、リビングを維持するにしても家賃などお金はかかる。そして、再開に当たってはベッドや寝具などをまた一から全て揃えないといけないので、結構大変。
そこで、将来の再開の可能性に期待をかけ、「未来宿泊予約券」を発行することにした! そう、その名の通り、将来再開したときに使える宿泊券。

・一泊券6枚セット(一泊単位で使用可能&バラして人にあげてもOK)
・七泊券(一週間連泊のみ)

この二種類。値段は日本での発売額はどちらも10000円。通常営業中の宿泊代より3割近く安い計算。
しかも、台湾、香港、中国はじめ各国でも、以前にマヌケに泊まったことある人なんかが動いてくれて各地で発売してくれるとのこと(ありがたい!!)。

ただ問題は、確実に再開できるかは未知数。休眠状態中の維持費へのカンパじゃなくて、再開を前提に買ってくれるっていう人もいると思うので、再開できなかった時、「話が違う! 金返せ〜」って言う希望者には購入額はお返しします。
そして、いまの状況下、収入が減ったり仕事が無くなったりして大変な人も大量にいるはず。そういう人はぜひ自分のためにお金は残しておいてほしい。本当に余裕があればで大丈夫! それに、他にも資金を必要としているところはたくさんあるので、他に回してあげるのも重要。
マヌケが寄れば文殊の知恵。金が無きゃ無いで、また次の奇策を練るのでご安心を!

ということで、もし余裕がある方で応援してくれる人がいれば、よろしく〜
この未来チケットは、まさに未来への起爆剤! コロナ後はまたとんでもない世界地下文化大交流を一挙に再開しましょう〜!!!!
 
素人の乱5号店の店頭、または素人の乱5号店オンラインショップにて、発売中〜
https://shiroran5.base.shop/items/40167177

台湾嘉義人が高円寺に新店!!
〜無国籍料理「永發」〜

少し前、謎のベトナム料理店「獨壹莊」という名店に出くわしたので紹介したのも記憶に新しい。
と、それも束の間、またも北口にとんでもない名店がオープンしてしまった!!!!

ここは未知の店ではなく、実はよく知っている人が開いた店。高円寺南口に「福来門」という中華料理店があり、ここは深夜までやってることもあり、バンドマンたちはじめ、高円寺のいろんな人たちの打ち上げ会場にも使われるなど、超重要スポットの一つだ。ここに行けばいろんな人に偶然会う。で、ここで接客を切り盛りする台湾人のおばちゃんが異常に気前のいい人で、ライブやイベントのポスター貼ってくれたり、みんなの面倒も見てくれてる。そんなことで、みんなからも人気でいつも人が集まっていた。
こういう、あそこに行けば誰かいる、なんとかなる、みたいな店の存在はでかい。おじちゃんおばちゃんたちの集うカラオケバーやスナックもそうだし、小さい個人経営のBARや居酒屋もそうだ。で、若者たちもこういう場所を持っているっていうことはすごい大事なこと。チェーン店や金もうけ重視の店には絶対にできない芸当。いや、こういう場所はいつまでも続いて欲しいね〜

ところが、そのおばちゃんがあるとき「福来門」を辞めてしまった。もう去年のこと。店の良さって、店舗や商品も大事だけど、実は人が大事だからね〜、特にこういう溜まり場的な店って。ああ残念、どこに行ったんだろう…、と思っていると、友達が「北口にお店開くらしいよ!」と教えてくれた。おおー、そういうことか。行ってみたい!

で、7月末ごろのある日、友達に教えてもらった場所を探してみると、すぐに発見!! 商店街の二階にある店舗で、無国籍料理「永發」。無国籍と謳いながらも、見た目が中華系全開。おお、ここだここだと入り口を見ると「準備中 8月1日 OPEN」と書いてある。残念、ちょっと早かったか!
でも、店内電気ついてるし、せっかくだから挨拶ぐらいして行こうかと2階に上がってみると、いた〜、おばちゃん健在!

その時は台湾人の友達と行ったんだけど、いつから営業かとか聞いてみると、あれ、あなたどこから? 台湾? ああ、じゃあ入りなさい、入りなさい。まだオープンしてないけど大丈夫大丈夫。ご飯食べていきな。と入れてもらえた。で、そのあとから自分も2階に上がっていくと、「あれー、お兄さん久しぶり。入りなさい、入りなさい」と、入れてくれる。すごい、新規オープン店とは思えない家庭感が全開だ!!

店に入ると、すでにバンドマンたちが飲んでいる。おばちゃんいわく、その中の一人が誕生日で飲み会やりたいからって店開けてあげてるとのこと。優しい! しばらくすると、他のグループも飲みに来る。どうやら大阪の人たちで、東京来る時は面倒見てるとのこと。素晴らしすぎる!

現在、新型コロナの第二波がまさに襲来中。東京都による自粛要請期間開始の8月3日を目前にした無謀なタイミングでのオープン。タイミング悪かったな〜。ま、でもゆっくり徐々に開店していく感じもいいかもね。店内も結構広いので、距離も取ってゆっくり食べることもできそうだし。

住所はこちら
杉並区高円寺北2-21-5 村松高円寺ビル2階。
北口の純情商店街を入って右手の2階だ。駅から3分もあれば着くと思う。ものすごい目立つ看板があって存在感を放ってるので、すぐわかるはずだ!
あ、そういえば営業時間聞くの忘れた。まあ遅くまでやってるとは思うが、タイミングがタイミングなので、営業時間は短縮になってる可能性も高いので、要確認。ま、コロナ明けに気兼ねなく行くってのもいいかもね。

メニュー、相変わらず安い!! っていうか、完全に中華料理じゃねーか! と思ったが、聞いたら韓国料理とか創作料理とか色々準備してるとのこと。おー、楽しみ!!

この日はまだ正式オープン前だったので、メニュー通りの物はなく、お腹が空いたというと「とりあえず魯肉飯(ルーロー飯)あるからそれでも食べなさい」と、完全に実家に帰ってきた感じ。で、出てきたのが、これ(↑)。超おいしかった。
「私は台湾の嘉義(台湾の中南部)だから、そっちの味付けだよ〜」とのこと。ヤバい、やはり実家だ。

こういうお店のいいところは、誰でも受け入れてくれること。いくら多くの人たちから支持されてるとはいえ、別に知り合いばかりの内輪ノリの店では全くないので、行ったことがなくても安心なので、ぜひ行ってみてもらいたい。こういう店を守ることが高円寺のよさ守るということでもあるし。

看板が最高。最近、なかなかこの賑やかな感じの看板って少なくなってるけど、こういうのが燦然と輝いてると安心だ!!

諸君! コロナの隙を縫って行くか、コロナ後に、永發で会おう!!
あ、ちなみに店名なんて読むんだろう。中国語読みだと「ヨンファー」だけど、日本語読みの「えいはつ」なのかな? ま、どっちでもいいや。
とりあえず、永發で!

【お知らせ】なんとかBAR 8月全日休業!

昨日、月一定例のなんとかBAR店主会議が行われ、本日8月1日から8月31日までの休業が決定〜! ということで、本日より1ヶ月、またお休みでーす。
コロナ第二波がまたやってきているのは、皆さんご存知の通り。第一波の時は、東京都からの休業要請があり休業した店1店舗あたり50万円の補償とのことだった。ところが、今回はどうやら都もお金が尽きてきたようで、20万円分の休業要請しかできない模様。ってことで、夜10時までの短縮営業要請だって。
それはまだいいんだけど、店を開ける場合も感染予防ガイドラインを守るというのが条件。で、この条件がまたヤバい。それを守らないと補償金出ないんだって。チキショー、なんだそれ。

かなり多岐にわたっての項目があるんだけど、まず主な所としては消毒など徹底すること。お客さんや店のスタッフがちゃんと消毒する。それと、お客さんが使ったテーブルなどをいちいち消毒する。これ、席が決まってるレストランとかだったらまだいいけど、知り合いがたくさんいる小さい飲み屋なんて席を移動しまくるのが普通。これを全部消毒し続けるというのはかなり大変。ただ、まあ人数の店内の人数制限もしないといけないので、満員になることはなく、まあやってできないことはないけど、やったら超大変。

次にソーシャルディスタンスの確保。これは無理! 極力2mだって。このガイドライン作ったやつって日本の飲み屋文化とか知ってるのかな〜。絶対無理。ちなみに、なんとかBARで2m試算したところ、最大定員4人。4人が離れ離れにポツリポツリと離れて座ってチビチビ飲む。こ、これはかなりしみったれている!!!!
ただ、その2m確保が無理な場合はビニールシートやアクリル板なので人との間に壁を設けるとのこと。これもまた切ない。人と話したくて来るのに透明とはいえ壁で区切られる。あまり気分が良くない。

そして、極め付けはマスクしてないお客さんがいたら「はい、あなたマスクして〜」などと着用をお願いしないといけない。さらに大声もNGなので、お客さんが大きな声で盛り上がってたら「はい、そこ静かに!」と、もう完全に刑務所の看守のようなことをしないといけない。

究極的には、あまり人と会話で盛り上がらずに黙々と飲み食いして帰れってこと。ひどい、ひどすぎる〜
もちろん、そこまで厳密にやらなくても大丈夫だとは思うが、こんな目標を設定されるだけで楽しくない。
と、いうことで、バカバカしいので、いっそのこと休業することに!!

経済を止めよう!

ちなみに、最近の政府は突如として何もしなくなった。安部氏も近頃めっきり見なくなった。ま、いざという時には何もしてくれないだろうなってのは前々から薄々感じてたので、いまさら驚きはしないけど。
で、国や政府は、経済のことを優先しまくった挙句にコロナ対策をほったらかすという暴挙に!!! これ、いまだに高度成長体質が抜けきってない老人政治の成れの果てだ。ひたすら経済を回しまくってないと成り立たたないという巨大な自転車操業方式。これじゃ、何かが起きて経済が止まった瞬間に、いろんなことが回らなくなるのは目に見えている。こんなやり方、それこそ高度成長期にのみ成り立つイチかバチかの方式だ。危なっかしくてしょうがない。
ちゃんと、みんながゆっくり休んだりそこそこ手を抜きながらでもマイペースで成り立つような社会を作る努力をしてこなかったから、こんなことになっている。例えば車でいえば、危ない時はちゃんと止まってアイドリング状態で信号が青になるのを待つ感じ。これが出来なきゃ社会はおしまいだ。超危険な赤信号でもブッチギリで突っ走らなきゃいけない社会なんて嫌だ。
今回も、バタバタと倒産企業は増え、失業者も急増中だ。潰れる寸前の店や会社も無数にある。大変な時ではあるが、これは荒療治で生活スタイルや社会システムを変えるチャンスでもある。もちろんそれは、GO TO トラベルみたいな、「コロナ渦中でも経済を回せ」みたいな古くさい発想の「新しいライフスタイル」とは全く逆の新スタイル。「経済が止まっても生き延びられるライフスタイル」の確立だ。
近年特に災害が半端ないこの日本列島。雨宿りをして嵐が去るのを待てる社会を作らないと、いずれ大変なことになる。

と、いうわけで、今月はなんとかBAR全て休み! アイドリング社会の予行練習。やばそうな時は開き直って全部やめちゃうよ〜。身を挺して日本経済を成り立たせる協力なんか一切しないからね〜
それと、我々日々クソ高い税金を払ってきているので、当然の権利として嵐が去るまでの間の生活費分を返してもらおう。そう、それは我々が政府に一時託してるだけの金なので、堂々と要求してOK!! 「金をくれ」じゃなくて「金を返せ」だ。もし金がないなら、ひとまずは納豆定食でも目玉焼き定食でもいいからタダで食わせろ! 万策尽きた人の寝る場所もよこせ!

さあ、ともかく、みんなでゆっくりしましょう〜

高円寺クラウドファンディング作戦がついに発動!

いま、新型コロナでまさに瀕死の状態に追い込まれているのが、個人経営や小規模経営の飲食店や物販店、ライブハウス、イベントスペースなどなど。で、個人店や商店街がたくさんあることが特色の高円寺の街にとって、コロナ打撃はものすごい。
うちのリサイクルショップ・素人の乱5号店、マヌケ宿泊所、なんとかBARなども全て4月から休業しているので、いよいよ死ぬ寸前に!!!!

と、そこへ、いつも混乱に乗じて良からぬことを目論み始める高円寺の重要スポットのひとつ「スタジオDOM」の白石義清氏が「こりゃあ、みんなで束になってクラウドファンディングやるしかないよ」と言い出す。
なるほど! 世の中が大変なことになった時、他人はどうなろうと知ったこっちゃないとばかりに自分だけ助かろうとする輩が続出しがちだけど、そうじゃなくて、ここは共同戦線を張ってみんなで助かろうという。おお、いいね!

白石義清氏。むやみに壮大なことをなことを言い出すので妙に説得力がある。


こういう謎の重要人物がたくさんいることによって高円寺の街は成り立っている。余談だけど、彼の兄貴がまたさらに輪をかけたような悪ふざけの権化のような男。この兄弟を中心にスタジオDOMで行われる「コスモ」という狂乱の音楽イベントがあるんだけど、そのコスモの第一回目が行われたのが15年前で、まさに素人の乱1号店がオープンしたのと同じ年。とんでもないバンドやアーティストなどが大量に参加していて、「こりゃ、いよいよやばい街だ!」と改めて思ったのを思い出す。う〜ん、こういう謎の人々やとんでもない文化圏を高円寺から消してはいけないね!


さて、みんなで助かろうというのは本当にそうだ。意味不明の中古品ばかり売ってる素人の乱5号店にしろ、超ボロいマヌケゲストハウスやなんとかBARが、もしお台場や六本木にあったら、3日以内に倒産する自信がある。潰れなくても、せいぜい地上げ屋に放火されるのが関の山だ。そう、この高円寺には、他のどこにもないような面白い個人店や、どうやって商売成り立ってるかわからない意味不明の店、完全なロクでなしだけどやたらのびのびして生活してるやつら、全く金にはならない異常な才能を持ってるやつらなど、そして、そんなふざけた店や人に対してもすごい懐の広さで迎えてくれる近所のじいちゃんばあちゃんたち、そんな人々が大量に存在しているからこそ、うちの店も成り立っている。これは他の店なんかもそうだろう。
ということは、ここはやはり街全体に漂う高円寺感を守ることが、みんなが生き残る上で最も大事なのだ。

そこで、以前からスタジオDOMの白石義清氏を中心に企画されていた、小規模の高円寺っぽい音楽系のスペースが連携しての活性化作戦「World’s End Garden」(←世界最後の楽園。名称がすでにヤバい)界隈が発起人となり、このクラウドファンディング計画も始まった。…ということもあり、今回名を連ねている店は、いかにも高円寺な特色ある強力な店がたくさん入っていて心強い限り。ちなみに「なんとかBAR」もここに参加していたので、その流れで参加することになった。

(下の映像はクラウドファンディング作戦の呼びかけ動画)

もちろん、これら参加店だけが助かればいいということではない。今回入っているお店は高円寺の中でも謎の重要人脈を多く持っている店も少なからず入っており、これらの店が息を吹き返すことで、その店の人たちは他の店にもたくさんお金を落とすはずだし、そうやって高円寺ローカル文化が連鎖的に生き延びていく大きなきっかけになる。これらの店舗が中心となって行われている「ミュージックウィーク」というイベントも、街の活性化のための企画だ。
チェーン店や大規模店などは、潰れても、のちのち経済的なテコ入れをして再生することは可能かもしれないけど、高円寺のような個人の人間性で成り立っているような街(社会)は、一度なくなったら、もう取り返しがつかないことになる。お金を投入して元に戻るものではない。

ということで、高円寺のアナーキーかつカオスな店やスペースを一店でも潰してはいけない! ということで、今回の高円寺地下文化の最後の生き残り作戦! 是非是非ご協力を〜〜〜

もちろん、いま、日本中の飲食店やライブハウス、その他の個人店などが苦しんでる時。コロナの煽りで職を失った人もたくさんいる。死にそうになってる人や自分が生き延びるので精一杯の人は、まず自分の生活費を最優先してほしい。ただ、宣伝だけ手伝ってもらえたら、ありがたいです。

肝心のクラウドファンディングのサイトはこちら! 余力ある方は是非〜!!
↓ ↓ ↓

https://camp-fire.jp/projects/view/257976

今回中心となる24の参加店

北中通りの風雲児、藪そばの乱が再来!!!

高円寺北中通り商店街の長老格の筆頭、藪そば店主の通称やぶじい(86)がまた炸裂!

いつも通りリサイクルショップの素人の乱5号店で店番をしていると、突如えらい剣幕でやぶじいが乗り込んできた!!! 「おまえねえ! フラッグはやるの? やらないの?」と、問い詰めてくる!! しまった、不意を突かれた!! なんのことかよくわからない! う〜ん、これはまずいパターンだ。

「なんでしたっけ」と聞くと、「ばかやろう、北中夜市だよ! 夜市のフラッグを早く作れって言ってんだよ」とのこと。立て続けに「モタモタしてんじゃねえってんだよ、まったくガキどもは」とご立腹だ。どうやら商店街の街頭についている商店街の旗を北中夜市バージョンで作ろうというやぶじいの案を強行しに入ってるようだ。で、俺にやれという。

勝手にやるわけにもいかないので「わかりました、じゃあ商店街の役員会にかけてから進めますよ」というと「バカヤロー、トロい! 俺がやれって言ってんだからサッサとやれって言ってんだよ! モタモタシテンジャネー!!!」と、怒りが増幅!! やばいやばい! とりあえず「いや〜、さすが藪さんの決断力はすごいですね! こりゃ、かなわないな〜」などと言って喜ばせて時間を稼ぐ。そう、こういう時は褒めるに限る。

う〜ん、しかし、これはやはりやばいパターンだ。会議を通してると「モタモタしてんな」とぶっ飛ばされ、会議を待たずにやると「勝手に何やってんだ」とぶっ飛ばされる。ほとんどジャイアンだ。これはまずい、とりあえずは現会長の床屋さんに相談してみるしかない!

しかし、それをも予測しているかのように、矢継ぎ早に攻撃の手は緩まない。そんな相談するなどという猶予を与えないスピード感がやぶじいの戦闘スタイルで、勝手に武勇伝を語り出し、「そういやあ◯◯のヤツどうしようもないから、どやしつけてきたところだ!」とのこと。おお、すでに他の北中の幹部を始末してきたらしい。やぶじい、拳を作って見せて「あいつ役立たずだから、胸ぐら掴んで、このやろう、ノロノロしてやがると殴るぞこのやろうって言ってやったんだよ」とのこと。おおー、さすが86歳、現代ではやっちゃいけないような禁じ手を次々と繰り出す。しかも文句言っただけかと思ったら、人の店に殴り込んで、そこの店主の胸ぐら掴んで殴る寸前に! 「ええ〜、藪さん大丈夫ですかそんなことして〜?」と聞くと、「大丈夫だよ、逃げやがった」だって。そりゃそうだ。誰だって逃げる。しかしこれはいよいよやばい、すでに1人屠ってからこっちにきてるのか! 例によって虫の居所が悪い時は、戦後の不良少年のように街を徘徊して目立ったやつを潰して回る、いつものあれだ! こりゃ、やべー!!

さらに怒りは治らず、商店街に対する論をぶちまけ始める。「まったくどいつもこいつも、テメエの店のことばかりやりやがって。ここでみんなが店をやってられるのは商店会あってのことじゃねえか。商店会がなかったら個人店なんてやってけないよ? だから商店街のために動かなきゃダメなんだよ。やらないんだった俺が店ぶっ潰してやる!」という。かなり納得できそうで、最後が強引な展開は毎度の通り。「俺が本気出したら、オメーらクソガキどもなんか生きていけないよ? 死んじゃうよ?」という! ちなみにこれ、文字で読むとものすごい感じ悪い人みたいだけど、実はそうでもない。この世代の人たちは、基本的に素でこういう悪態をつくので、慣れてるとどうってことはない。ただ、逆らったら死ぬことだけは確かだ。

「で、フラッグはやるの? やらないの?」「やります!」

やるというとすぐご機嫌になり、「そうだよ、さっさとやるんだよ。たのんだよ、まったくどいうつもこいつも…」 あぶないあぶない。殺されるところだった〜!!

しかし、やぶじいは長年にわたり商店会長を務めてきて、商店街に対する思い入れが半端じゃないんだろう。時々大騒ぎになったりはするものの、こういうとんでもない勢いの長老世代がいたからこそ古い町や商店街が残ってきたんだろう。なるほど、年老いても生涯現役という気持ちのなせる技かもしれない。やぶじいは本当にこの商店街を愛しているに違いない。なるほど、面倒なこともあるけど、こういう老人あっての商店街かもしれないな〜 などと思っていると、やぶじい帰り際に一言。

「ほら、最近かウチのかあちゃん入院したろ? することねーんだよ」

おい〜〜〜〜! コラー! カミさんが入院して一人だからすることなくなって、商店街をウロウロしてザコを倒して歩いてるだけだったのか〜〜〜

おーい、藪のおばちゃん、早く病気治して帰ってきて〜!!!

【北中通り商店街】やぶじい、ついにLEDを知る

参議院議員選挙が行われて新たに政治地図が塗り替えられ、香港ではついにヤクザがデモ隊を襲撃するという事件が発生し、歴史的な1日となった7月21日。高円寺北中通り商店街でも、大きな波乱が巻き起こった。

以前、商店街の街灯がLED化され、LEDがなんのことかさっぱりわからない商店街の長老たちが、右往左往しつつも、よくわからないけどめでてえものらしいって事になり、餅をついて祝うという出来事があった(詳細はこちら)。たぶん、新しい神様の御利益でもあったって感じだったんだろう。

ところが!! 、これまではLEDが電気代が安くなるおまじないだと思っていた商店街の最長老の藪蕎麦のオヤジこと“やぶじい”が、つい最近、LEDが最新型近未来省エネ電球だということに気づいてしまったらしい!!!!

生まれて初めてLED電球を手にしてご機嫌なやぶじい「てめえら、まとめてLEDだ!」

先日の7月21日に行われた恒例の商店街イベント北中夜市の時、やぶじい、どこで仕入れてきたのか100個ぐらいのLED電球を段ボールに山ほど積み上げてやってきた。こっちはこれから始まる北中夜市の準備で大忙しだっていうのに、やぶじいそんなものはお構いなしで「おうっ! てめえら、今からLEDだ!!!」と、わけのわからないことを叫びながら商店街を歩き回る。毎度のことだが、やぶじいこうなったらもう止まらない。たまたま目が合った若手たち(ここでは60歳代以下を指す)をかき集め、「お前ら聞け。今日から全部LEDにする!」と宣言。これは雲行きがあやしい。口を開けば二言目にはLEDだ。なんだなんだ。誰から聞いたんだ?

そう、商店街で夜間に常時つけている電球を変えようって話だ。しぶしぶ集められた町人たちを前に「ハシゴ持ってこーい。おまえら、全部交換だ!」との号令で脚立に登ってLED球に変えていく。当然のように自分も駆り出されたので、電球が切れているところだけ交換していると、やぶじい不満らしく「バカヤロー!! 古い型の電球は全部交換だよ!」と、まだ光ってるやつも交換しろという。「いやいや、やぶさん、まだついてるのはもったいないですよ。消えたら順にLEDに交換したらいいじゃないですか…」と言うと、「このやろう、こんなショボくれたみすぼらしい電球なんか捨てちまえ。ゴミだゴミ!」と、まだ光ってる電球をむしり取って、親の仇のようにゴミ箱にぶん投げはじめる。挙げ句の果てには「こんなもの、こうしてくれる!」と、まだ箱に入ってる新品の白熱球の山を怪力で持ち上げてザラザラーっとゴミ箱に入れて捨てようとするので、「やぶさん、やめて! もったいないよ!」と、みんなで必死に止める。こらー、誰だやぶじいにLEDのこと吹き込んだのは〜!!

脚立に登り「もうこの辺にしときましょうよ〜」と泣き言を言うたこ焼き屋と、「つべこべ言わねえでLEDだ!」と叫ぶやぶじい

そこへ「やぶちゃん、なにやってんの?」と、商店街の電気屋さん、斉藤さんが登場。

で、煌々と光るLEDを見て「こんなの明るすぎるよ!」とやぶじいに注文するが「おうっ? なんか文句あんの? 商店街が明るくて何が悪りぃんだい」と、完全に引き下がらないモード。おまけに「薄暗ぇしみったれた商店街なんて、やってらんねぇってんだ」と、いよいよ頑なに。こりゃ大変だ。確かに従来の白熱球より4倍近く明るい球に変えてるから、商店街がものすごく明るくなってくる。いや、明るすぎる。よく見たらやぶじい、よほどお気に入りらしく、自分の店の周辺は全部LED球に変えてしまっており、店の前は夜なのに撮影スタジオぐらいの明るさになってる。店内よりはるかに明るい。

ちなみに商店街の人たちはみんな自分の店の2階に住んでるので、以前からいろいろややこしい。商店街の照明が暗すぎると「こんな暗くてドロボーでも入ったらどうするんだい」と、文句を言われ、明るくしすぎると「眩しくて寝れねえじゃねえか! さっさと消せ〜ぃ!」と、怒られる。この明るさは後者の方だ。これはまずい。

この時脚立に登って手伝ってたたこ焼き屋の順さんも、「いやー、明るすぎるから2個に1個は外したほうがいいんじゃないっすかね〜」と、電球の量を減らそうとするも、「バカヤロー、だからLEDだっつってんのがわかんねえのか!」と、微妙に言葉の用法がおかしいやぶじい。ここからはまたいつもの通り。商店街のいろんな人が集まって入り乱れてきて、早く換えろ、いや戻せ、つけろ、消せと電球の取り合いで大騒ぎに。…で、延々と外したりつけたりを繰り返してるもんだから、最後には電球の根元が折れて変な事に。「ほらみろ、だから言わんこっちゃねえ!」と電気屋。「さっさとLEDにしねえからこうなるんじゃねえか」と、やぶじい。結局大騒動の大パニックになり、「やってらんねえ、やめだやめだ」と、解散。

というわけで、今の北中通り、半分明るくて半分暗いという、なんとも中途半端な状態に。次回の北中夜市までに、このLED騒動は決着しているのか!? 乞うご期待!!!!!

北中通り商店街に激震! 斉藤会長、ついに引退!

高円寺北中通り商店街の長老の一人、斉藤会長(さいとう電気サービス)が10年間勤めた会長を引退!! 近いところでは、蕎麦屋→米屋→豆腐屋→電気屋ときて、後任は床屋さんの竹中会長〜

総会での正式引退後、ご機嫌に酒を振る舞う斉藤元会長

15年ほど前、完全にシャッター商店街と化していた高円寺北中通り商店街。当時は、戦後に店を始めた人たちが高齢で引退したり病で倒れたりするタイミングで、後継者がいない店の閉店が続いていた。当時は商店会の解散や、隣接商店街に吸収合併してもらうなどの案も出るほどの状態。借り手がいなくて廃屋化した旧店舗を廃墟マニアが写真に来るありさま! 失礼な! 北中通りはまだゴーストタウンじゃない〜!!

そこへ当時の副会長の斉藤さんや元会長の金沢元吉氏(藪蕎麦)らが、これはヤバイと若手をけしかけ始める。当時、若手の店舗は古着屋のモンさん、串焼きDizzさん、ショットバーのバーボンハウスさんの3店舗のみで、彼らがシャッター商店街起死回生の年2回開催のフリーマーケット企画を提案(これが後に北中夜市に形を変える)。残存する店舗の大半が高齢者の店となっていたのだが、突如イベントの日に若者たちを目の当たりにした長老たちがテンション上がりまくり、「よし! じゃあ若い奴らに安くで店を貸して活気付けよう!」ということになり、当時の会長のお米屋さんも完全に江戸っ子気質を全開に出して異常な太っ腹とやせ我慢で、「いくらでも構わねェ、俺は儲けなんざ要らねぇよ!」と、自分の持つ空き店舗を激安で放出(すごい!!)。 そこで古着屋モンさんの活躍でヒカルくんこと山下陽光に話が行き、その勢いでヒカルくんと共に素人の乱1号店として北中通りに出店。この辺りで斉藤さんの活躍も大変なことになっていて、いろんな商店主を説得してくれたり、店の面倒を見てくれたりとだいぶ世話になった。うちら以外にも後に見ず知らずの若い人が店を開きたいと相談に来るたびに藪&斉藤コンビで相談に乗ってあげたりと半端ない尽力。もう自分のことのように他人に頭下げてくれたりして店舗を仲介してくれ、若手の出店が相次いだ。う〜ん、ここまでする人なかなかいないね〜。しかも、ほかの商店主たちもみんなで寄ってたかって若手の店に行って「経営大丈夫か!?」とか、「お客さん紹介してやる」とか手伝ってあげてたりしてた。いや〜、北中通りスゲー!

そして、若手の店舗が増えてくると、若手にどんどん企画案を出させたり、多少無茶な企画でもどんどん若い奴らに任せたりしていた。組織なんかでよくありがちなのは、自分の権力をなかなか手放さずに、若手や新人には好き勝手やらせないとばかりに幅を利かせるジジイなんかだが、そういうのが中枢にいるとコミュニティは成長しない。しかし斉藤さんはじめ当時の商店会の中心の人たちの多くはまさにその真逆。しかも、すぐに酒持って若手の店に押しかけて「最近どうだ!」とか話をしに行ったし、何かイベントごとがあるとすぐに打ち上げと称して酒宴が開かれ、貧乏な若者たちがタダ酒やタダ飯目当てに群がるという光景が度々繰り広げられた。もちろん、団塊世代特有の勢いで若者たちに無理難題をふっかけたり、異常な女好きの藪さんが年甲斐もなく女の子に言い寄ったりしてみんなが逃げ散ったり、面倒なことも多々あるが、それを差し引いたとしてもやはり彼らの功績は大きい。ほかの商店街では、若手は会合などにはあまり参加せず、長老たちの寄り合いになっているような組織が多いが、北中通り商店街は総会などでは参加者の半数以上は若手の店という場合が多く、これが斉藤会長時代の功績のひとつだ。若手の店も斉藤さんに昔世話になって感謝してる人はかなり多い。

そういえば、随分前、京都の帆布の会社で社長が亡くなってお家騒動化したとき、ずっとサラリーマンやってた長男が突如現れて社長に就任し、長く職人としてやって人望も厚い弟を追い出したことがあった。どちらが正しいかとかは置いといたとして、結局は従業員や職人たちの大半は面倒を見てくれて行動を共にしてきた弟の方に流れていった。行動を共にしてきたり、親身になって動いてくれたりしてくれる人への信頼だろう。商店街も同じで、各店主は全員が一国一城の主で、ある種の職人でもある。そんな奴らの集まりだから、これは一筋縄ではいかない。会社組織的な年功序列やら実力主義、トップダウンのようなサラリーマン的なものは商店街では通用しない。どれだけ対等に接していけるか、深入りしすぎずに親身に接していけるか重要だろう。うわー、これは至難の技だ〜

ちなみに、次期会長の床屋さんは完全に職人タイプ。別に偉そうに物をいう人でもなく、距離感はかなり近い。おお、これは斉藤さんの後任としては完璧! これは将来の北中通りも安泰に違いない!!!!!!