正月の初詣は名もなき地蔵へ!

早くも2019年も終わろうとしている。年末の慌しい日々が終われば、なんだか知らないけどやることなすこと全てがめでたい正月がやって来る。で、まず頭に浮かぶのが初詣。これがまた、なんとなくめでたくていいんだよね、本来は。そう、本来は。

ここ5年10年と、日本社会の変化と共に徐々に変化を遂げている初詣。ま、年に一回ぐらいは触れる話題なので、とりあえず過去のブログより再度掲載してみよう。

(以下、2017年元日の店主日記より引用)

昔から初詣は好きで、年を越したらすぐに寺や神社には行ってる。

子供の頃は浅草寺か亀戸天神。大学時代は赤城神社だったり、その辺の名もなき神社とか。やはり浅草に行くことも多かった。

何が楽しいって、とりあえず深夜から人でごった返してて、酔っ払いは多いわ若者はバカ騒ぎしてるわ、チビッコたちも唯一堂々と遅くまで起きてていい日ってことで叫んだり走ったりしてるし、やたらザワザワしてる。

境内なんかも押すな押すなの大騒ぎで、いくら並んでもロクに進みやしないし、ようやく賽銭箱近くまでやって来たら、みんな待ちきれなくて後ろの方から小銭を投げまくって、さっさと参拝してる。神社や寺側としても、みんなが金を遠くから投げまくるのを想定してるから、賽銭箱の周りはゴルフの打ちっ放しみたいに網が張られてて金を全部キャッチしてた。あれが給料になるんだから坊さんたちも頑張って集めてた。

そう、だから初詣の時は必ずフード付きの上着を着て行って、気づいたらフードに金が入ってたぐらい。あるいは、投げて賽銭箱まで届かない小銭が地面に無数に散らばってるから、子供の時なんかは仲間と初詣で盛り上がる寺や神社に行って、人混みの中を四つん這いになって這い回って金を集めまくったり、違うグループのガキどもと取り合いになってケンカになったりもした。列もめちゃくちゃで、一応大まかには並んでるけど、突如ヤクザが人をかき分けてきて一瞬で最前列まで行って札束をぶん投げて参拝して帰ったり、完全にカオス状態だった。

でも、雰囲気がいい。みんな晴れ着を着て見た目も賑やかだし、正月早々怒ったり文句を言ったりっていう野暮なことはしないから、みんななんだかゴキゲンだ。こういう感じが正月のいいところだったね〜

で、その流れもあり、今でも大晦日の夜は除夜の鐘を聞いて寺か神社に行くっていうのはもう恒例行事で、高円寺でも毎年みんなで飲みまくってそのまま神社に行ったりしていた。

ところが! ここ5〜6年かわからないけど、なんだかそんな初詣も少し雰囲気が変わってきてるのに気づいた。毎年酔っ払って行くから気にもとめてなかったけど、ふとよく見てみたら、みんな神社の作法をやたら気にするようになってる。そう、二礼二拍手一礼をちゃんとやってる。昔なんかメチャクチャだから、神社も寺もモスクも教会もよくわかってないやつもたくさんいて、ばあさんとかいつも数珠持って、何にでも「ありがたいありがたい」って言ってたぐらいで、みんなアベコベな参拝して満足げに帰って行ってた。もちろん昔から、やたら神妙に参拝するのが好きな変なジジイとかは丁寧にやってたけどね。ただ、その頃に比べて、今の様子がちょっと気持ち悪くて、みんながみん行儀よくやってて、しかも、後ろに並んでる人はみんな「どうやるんだっけ、どうやるんだっけ」みたいにビクビクしながら参拝する感じ。なんでもいいんだよ、そんなもん。参拝するのがいいんだから。

う〜ん、そんなせせこましい光景、正月早々から見せられたら、景気悪いどころか逆に運気が下がっちゃいそうだ。それに仏や神だってそんな肝っ玉小さくないでしょ。元日ぐらいめでたい日だったら、十字切ろうが、メッカの方向に礼拝したって全く気にしないはずだ。そもそも「いや、それ参拝の仕方違う!」なんて神経質な仏とかいたら、そんなの器が小さすぎてご利益もヘッタクレもあったもんじゃない。

ダメだこりゃ、ぼちぼち元日の初詣はやめだ!! バカバカしい!! ってことで、今年は正月もひと段落した頃に、その辺の名もない無名の寺か神社にでも行こ。いや、こうなったら近くの十字路の地蔵でもいいか。

いや〜、今年はご利益がありそうだ!

201711 『素人の乱5号店店主日記』より)

と、まあ、3年前の時点でこれなので、去年、今年とその流れは変わるもんでもない。いやー、こりゃ、周りと違うことをするのを極度に恐れてビクビクしながら生きる日本社会そのものだ。年明けた瞬間にそんな体験してしまったら、一年中そんな年になりかねない。こんな縁起の悪いものはない。古典芸能でも行事や儀式でもそうだけど、形式にこだわるようになったらおしまいだ。面白くねえ!

ということで、気持ちよくできる正月の初詣のオススメはこちら! みなさん、今年の初詣ではこんな感じでどうでしょう〜〜

<旧正月に行く>

そもそも日本も以前は陰暦で世の中回ってたわけで、それを明治維新だか文明開化だか知らないけど、いろんな都合で西洋の暦に合わせて現在に至る。まあ仕事や学校はそっちでもいいけど、初詣まで合わせる筋合いはない。2020年の旧正月は1月25日。この頃は空いてていいね。ちなみに2020年元旦は陰暦127日。「年末に大行列して初詣とかいってめでてえ奴らだなぁ」と、軽く流しておいて、自らは満を辞して旧正月に初詣。これいいね!

<中華街の関帝廟に行く>

横浜やら長崎や神戸など、中華街の廟に行くという手もある。これは日本式じゃないので謎のルールなども新設されないので比較的自由にできる。まあ、どうせ中華街なら旧正月に行きたいという気もするけど、普通に元旦に行くのもいいかもしれない。

<本殿の脇のおまけ神様にお参り>

大きい神社などになってくると、本殿の脇にいくつか小さい祠みたいなのがあって、謎の小さい神もいたりする。これがまたいい。本殿の前にずらっと行列があるのを延々と並ぶなんて、新春早々そんな貧乏くじは御免だ。「ちょっとごめんよ〜」と行列をかき分けて本殿目の前まで行き、周りのみんなが「こいつ、割り込みか!」と思った瞬間にサッとその本殿脇のあぜ道を潜り抜け、誰からも相手にされてない神様にお参り! これは粋だね! しかも誰も参拝してないんだから、適当に拝もうが、やたら時間かけようが、賽銭をぶん投げようがもう自由だ。しかも、そのお参りされた当の神様だってびっくり仰天だ。普段は誰もお参りに来ず「チキショウ、こっちだって随分前から神やってるってのに、あっちのでけえ本殿の方ばっかりみんな行きやがって、まったく。しかもあっちは毎年何百万円も賽銭集まってやがって、こっちなんて去年の賽銭全部あわせて75円だぞ、チキショー。あいつらあんまり調子に乗ってると本殿に呪いかけるぞ、コノヤロウ」ぐらいのテンションに違いない。そんなふてくされた神にお参りなんかしたら大喜びだ。おまけの神様も、もう完全に機嫌良くなっちゃって「こいつ分かってるね〜。じゃあひと肌脱いでやるか〜!! よっしゃ、俺に任しとけぃ!」と、とんでもないご利益が期待できる。

<適当に神社を建てる>

そもそも日本の神道というのは一神教ではなく八百万の神が基本。いろんなものに魂が宿ってるという発想が根本にある。ということで、別に自前で勝手に神社を作ったからと言ってバチが当たるものでもないし、筋違いなわけでもない。こうなったら何となく景気のいい魂が宿ってそうな消しゴムとかニンジンとか靴下とか、近所の婆さんのお裾分けのミカンとか、なんでもいいから祀ってみるのもいい。余ってる犬小屋とかに枝切れを集めて鳥居らしきものを作ってみよう(マジックで鳥居をかくと立ち小便禁止のサインになるので、それはNGだ)。さあ、そうすればもう神社の完成だ。あとは心おきなく初詣しよう! 神社の出来次第では近所の人も参拝に来るかもしれない! 集まった賽銭は、ちゃんと神主としての責任で、美味しいものや酒などをたくさん買って神に捧げ、たぶん神は食べないのでそのお下がりを全部いただこう!

<近所の名もなき地蔵>

初詣というと、やはりお寺や神社が頭に浮かぶが、ここはひとつ地蔵もいい。寺は仏様だし、神社は神様。どっちもなんだか高いところにいそうな感じだけど、地蔵は一味違う。地蔵は道祖神みたいなもので、その土地の神。その集落や地元の守り神なので、これは地味にご利益がありそうでいい。余談だけど、宗教ってものはすぐに金持ちや国家に利用されそうになる。日本も特に戦前は国家神道として権力を行使するのに使いまくってたし、イスラム圏でも宗教を理由に人を殺しまくったりする例もある。キリスト教だって十字軍とか言って他宗教を殺しまくったりした。あるいは戦争じゃなくても、人のいいジイさんバアさんを騙して金を巻き上げる宗教もたくさんある。ま、どれにしろ変な感じで利用されてしまったものはロクなもんじゃない。そこに来てお地蔵さんはいい。まずビジュアル的にチビっちゃい上に顔もマヌケな表情してることも多く、なかなか権力者の目に止まらない。確かに「お地蔵さん国家」とか言ってもどうもカッコつかないし、強そうじゃない。または、「地蔵のために死ね!」とか言われても、「なんでですか? いやぁ、それはちょっと…」と、普通に断れそうな感じがする。悪い権力者に利用されにくい。いいね、地蔵。ということで、超地味だけど、着実に地域を守ってる感じの地蔵。これ、初詣にもって来いじゃない? 地蔵だ、地蔵!

<近所の老人>

人間死んだら仏になる。よく刑事ドラマなんかでも刑事さんが死んだ人のことを「ホトケさん」とか言ってる。なるほど、その手があったか!! まあ、とは言っても一家惨殺の殺人現場とかに野次馬をかき分けて初詣っていうのもちょっと気まずい。それに、そんな現場で柏手打って「家内安全〜、商売繁盛〜」とか言ってたら間違いなく袋叩きに合う。できれば殺人現場は避けたい。とは言って、知らない人の仏間や葬儀場に勝手に入って初詣ってのもどうもおかしい。だったら、もうちょっと気が早いかもしれないけど、もうすぐお迎えが来そうな近所のじいさんとかいいね。厳密にいうとまだ仏じゃないけど、まあ遅かれ早かれそちらの方に行かれると思うので、まあ細かい所は目をつぶって、とりあえず初詣だ! まず、その辺を時速0.5kmぐらいで歩いてるおじいさんなどを捕まえて「おじいさん、ちょっと拝ませてもらってもいいですか?」と頼んでみよう。まあ十中八九「おや、そうかい?」と拝ませてくれるに違いない。まあ、拝まれて悪い気はしない。ただ、感の鋭いジイさんだったり、拝む時にうっかり「ナンマンダブ、ナンマンダブ…」などと口に出してしまったら「バカヤロー、俺はまだ死んでねー!」と、杖でぶん殴られるかもしれないから要注意だ。最新の注意を払って初詣に臨んでもらいたい。

さあ、というわけで今年も迎える年末年始。しかも初詣は年に一回限り。年明けは後悔しない初詣を!! くれぐれもシミッタレた場所は避けてくださいね〜

北アジア奇人伝 No.8 アラスカの怪人 Seth

アラスカ怪人のSeth氏。神社の鈴紐みたいな髭が初詣みたいでむやみにめでたい

高円寺に謎のガイジン、Seth(セス)氏が現れるようになったのが、2018年の暮れ。なんとアラスカから来たという! おお、アラスカ! 現在はアメリカの一部分だけど飛地の上、実は昔はロシア領。しかも歴史的には、先史の時代にアジア北方民族がシベリアからアラスカに渡って定住し始め、アメリカ大陸の先住民のルーツになったということもある。アメリカだかユーラシアだかも曖昧だし、東洋か西洋かも曖昧。いいね〜、こういうところには面白いものがあるに違いない! それに地図上で考えても、北海道から北にサハリン(樺太)経由でシベリアを通って海峡を渡ればすぐアラスカだ。これはもう北アメリカであると同時に北アジアとも言えるポジション。近い近い! 近年爆発的に拡大しているアジア圏の大バカな奴らの交流圏に入ってきてもおかしくない! これは楽しくなってきた!!

余談だが、ロシアの東の最果てウラジオストクも同じ。現地では中央から僻地僻地とバカにされて心細い思いをしているが、よくよく考えるとモロに東アジア圏内で、実は地図を見たら日本海の新潟の対岸。このウラジオストク作戦、現在も進行中だが、アラスカも似たような感じかもしれない。

さて、このSeth氏。別にアラスカから来たから面白いというわけじゃない。こいつ自体がすでに相当やばい。まず中国語がペラペラ。おかげでアジア圏のいろんなところで容易に友達ができるので、ヒマを見てはアラスカから南下してアジア圏をウロチョロしまくっている。というか、翻訳などパソコンがあればできる仕事をしているので、永久に放浪してるんじゃないかってぐらいアラスカに帰ってない。本人も「アラスカなんもねーよ。寒いし冬暗いし」とのこと。うーん、イメージ通りだがちょっと行ってみたい。

しかも、別に観光で回ってるだけじゃなく、アジアのDIY文化圏、地下文化圏、マヌケ文化圏などをひたすら渡り歩いているので、やたら詳しい。そういえば、6月に香港のデモに参加しにいった時も、現地でSethから「おお、いま香港ウロウロしてたところ!」と連絡が来て、行動を共にした。うーん、手強い! さてはこいつどこにでもいるな!? 最近はしばらく高円寺に滞在してたんだけど、その時も中国のこの街にはこんな面白いスペースがある、とか、ミャンマーのどこどこの村にはこんなすごいグループがあってやばい、などの誰も知らない情報を異常に知ってる。そんな時、Sethが「場所どこだっけな〜。確かこの辺に…」と、おもむろに出した自分のスマホがやばい。「おいSeth、ちょっと待て! なんだその地図!!」と、すかさず見せてもらったのが、下の写真。

これはすごい。あまりにウロウロしすぎたため、アジア地下文化圏の情報量がすごい。もはや生き字引! これ全部遊びに行った面白い場所だとのこと。やはり、資料やネットで研究してたくさんのことを知ってる人の情報ってほとんど役に立たないんだけど、Sethの場合は実際にウロチョロして現地のやつらと遊んで知った情報だから、そこの雰囲気や人の感じなども含めて知ってるのがすごいし、情報としてもすごい有用だ! しかも、高円寺にいて毎日遊んでいる時も、アホなことばかり言ってたり、大バカなノリが最高なので、そのSethがオススメの場所なんだから、この信頼感はでかい!

マヌケゲストハウスのリビングにて

高円寺のマヌケゲストハウス滞在中も、中国人や台湾人、韓国人、高円寺人などが交流する中も、なんの違和感なく会話に入って遊んだり情報を交換しまくるSeth。さらに、当然英語も話すので、欧米から来てる英語しか話せない人ともうまくつなぐ橋渡し役になるので、Sethの存在感はでかい! う〜ん、無駄に未知のアジア地下文化圏を渡り歩いている貫禄か!

そんなSethも、年の瀬も押し迫ってくると「盆暮れ正月ぐらいは里帰りしないとまずい」と、中国語で話し、アラスカの里へ帰っていった。「近所(アジア全域のことだと思う)で何か面白いことがあったらいつでも行くから誘ってくれ」とのこと。いやー、アジアの北端からこれまたすごい奴が現れた!

中国奇人伝 No.85 芸術無法者、厲檳源

数日前、中国の芸術系の知り合いから「高円寺に遊びに行くよ〜」との連絡あり。芸術家やキュレーターの仲間と数人で来日中で、北京や成都から来ているという。新宿に宿をとっていると言うが、高円寺に来て一緒に飲んだりしてるうちに、そのうちの一人が「ここいいね。明日から高円寺に宿移すよ!」と、早速、翌日にも高円寺にまた舞い戻ってきた。やたら行動が早い! そう、その彼が厲檳源(リー・ビンユエン)氏だ。

2泊ほどの高円寺に滞在中、普通にアホな話をしながら飲んだりしていたんだけど、とあるタイミングで「そういえば、俺の作品見せてなかったね〜」と、スマホを取り出し作品を見せてくれた。自分としては本来そこまで芸術に興味がある方じゃないし、実は見てもチンプンカンプンだったりして、反応に困ることも多い。しかし、まあこのマヌケ感全開の厲(リー)さんだから何かしらふざけたものに違いないと、恐る恐るその映像を見てみると…

いきなりこんな感じ。なんだこりゃー!!!!! 花火大会級の超強力打ち上げ花火を水平にぶっ放しまくる映像!! やべー、超楽しそう!!! 景気良すぎる!!!!

どうやら「ドブ川の春」という名の人をおちょくった作品。花火が水面で炸裂しまくるから、四方八方に飛び散ってとんでもないことになってる! で、この作品、同じ日の夜中にも再度行われており、真っ暗な夜がまたすごいキレイ!!! そして深夜にもかかわらず爆音と火花が飛び散る!! すげー!

しかも無許可で勝手にやってるとのこと。聞いたら「申請? なんで?」みたいにケロッとしてる。別に通報も入らないし、警察も来てないって。すごい! あと、映像を見ればわかるけど、通行人が一切興味なさそうなのがいい。車とかもたくさん通りかかるんだけど、大量の火器を轟音と共に炸裂させまくってるのに、そのまま素通りしちゃう。

いや〜、わかる! この中国人の反応! 中国って人が多すぎるからか知らないけど、路上でとんでもないことが起こってもみんなチラッと見る程度で「なにやってんだ、こいつ」ぐらいの感じでそのままどっか行っちゃう。でも冷たいわけじゃなく、ちょっと話しかけるとみんなすごい優しい。逆に、中国の路上で、人に対して「さあ、みなさん、これから何かやりますよ〜!」みたいな感じでやるとみんな足を止めてすぐに人だかりになる。どっちの状況も日本とは全然違うな〜、この感じ。

ほかの作品も、とんでもないのが多く、北京の通勤ラッシュの時間に地下鉄内でサラリーマンの格好をして歯を磨いたり髭を剃ったりし始め、挙げ句の果てには大量の水を用意していてタライに水を張って顔を洗い始めたりっていう、これまたふざけた作品。ほかにも、北京市街地を裸で巨大な十字架を担いで走り回ったり、何本もの包丁を装着した原チャリでアスファルトに触れて火花を散らしながら北京市街を疾走したり。あるいは、道路の真ん中で爆竹を投げまくって車や自転車が通れなくなるというとんでもない作品も。これ面白いのが、車を止めてずっと終わるの待ってる人とか、うまいこと避けて行く人とか、全く気にせずに炸裂する爆竹の中を何事もないかのように直進していく人などの様子が超面白い。こんな周りの様子を撮れるのも中国の街の文化ならではの反応だ。最高、面白すぎる。

おそらく日本だったら、別になんの迷惑も被ってないのに通報する人とか、「迷惑だ」とか言ってなぜかネットで同意を求める謎の人とか、「通報入ったんでやめてもらえますか?」などと理由になってない理由で制止に入る謎の警官とかが続出する。ま、これじゃ路上では何も文化は育たないね。そういえば、日本も80年代90年代ごろまでは街頭で無茶苦茶やれたところもあるので、文化は育っていたが、それ以降政府が規制を強めた結果、路上文化は衰退の一途をたどる。惜しいな〜、行政にもうちょっと注意するところと目をつぶるところを区別できるセンスがあればね〜

中国は、政府は超厳しいし政治的自由はかなり厳格で政府の抑圧も半端じゃないけど、それさえ除けば街の様子に関しては中国は超自由な世界。最近、中国の芸術はすごい面白いのが続出してるのはこういう理由がある。いや〜、これはこれからも中国芸術界はとんでもないことになるに違いないから、今後も目が離せない!!

巨大な十字架を担ぎ、北京市内を疾走する厲さん
その後はバイクに乗り換えてさらに疾走

ということで、高円寺でも遊びまくって帰った厲檳源氏。いつか高円寺でも何かやろう〜、と約束し去っていった。いや〜、久々にこんな気持ちのいい大バカに会った! また帰ってきてね〜!!