香港の新スペース“黑窗里(黒い窓)”支援作戦を決行〜

香港で黑窗里(黒い窓)という名の新スペースが誕生することになった。

香港はこれまで資本主義の権化のような商業都市で、それが近年は中国政府の圧力も増しているという、まさに二重の圧力の谷間にある特殊な都市。そんな街で自分たちの力でスペースを維持し、自分たちで生活のリズムを作り、そんな居場所を作ってきたのが“德昌里”というスペース。ただ、難点は超狭かったため、何かと大変だったこともあり、ついに移転計画が発動!
新しい場所の名は「黑窗里(黒い窓)」。ここは德昌里より大きくなり、さらに活動の幅も広がる予定! ヴィーガンレストランや、書店や図書館、芸術や音楽のイベント、木版画のワークショップ、上映会から学習会までいろいろできる場所にする予定とのこと。

ちなみに香港は、家賃が東京の数倍するというとんでもない場所なので、DIYスペース作りが世界でも最も困難な場所の一つ。ということで、現在、募金を募集している。
そして、香港の德昌里(黑窗里)の人たちには、日本から遊びに行った人もお世話になった人は多いと思うし、德昌里界隈の人たちの中には高円寺にも遊びに来た人も多い。
となったら、これはもうひと肌脱ぐしかない!!!!
ということで、日本からも黑窗里(黒い窓)へ募金を集めようという計画が発動! いま、コロナ禍の中、海外との国境が閉じている状態。ここは海外との交流が以前にも増して重要になっている時。コロナ後に海外との交流が再開するときにも備えて、ウォーミングアップも兼ねて香港を応援してしまうしかない!

そこで、これまたひと肌脱いでくれたのが、毎度お馴染み高円寺のSUB STORE。お店の営業してない時間を使わせてもらって、どうやって香港に募金を送るかの緊急作戦会議を開催。

まずは簡単に基礎情報をみんなと共有。
香港のどういうエリアにあるかとか、どんな感じで德昌里がオープンしたかとか、などなど。
飲んでいるノンアルコールビールがビールの味に思えるぐらいの白熱したトーク。

基礎情報をみんなで共有したあとは、香港現地からの配信ライブイベントを中継! おおー、香港で友達たちが遊んでる感じをそのまま中継するって、なんだかいいね。
正直な話、配信イベントって家で一人で観ても面白くもなんともない。やはり、みんなで観るからこそ臨場感があっていい。それに、香港側も人がそこそこいて、向こうで遊んでる雰囲気も伝わってくるのもいい。
しかも、この配信イベントの会場が、まさに今新しく作ってる途中の黑窗里(黒い窓)からっていうのがまたいい。「おおー、ここがその新スペースか〜」という感じ。

ライブやDJの配信が終わったあとは、香港の黑窗里(黒い窓)現地と中継。初対面の人から懐かしい顔までいろいろ見えて、これまた感動。おおー、懐かしい〜、日本以外の場所。
で、カメラを持って、工事中の新スペースの隅々を案内してくれる。「ここはこういう風に使うつもり」「ここはまだ考えてるところ」などと教えてくれたり、建物の外に出て周りの街の雰囲気とかも見せてくれる。なるほど〜、これが新スペースか〜。なんだか、自分たちの新しい場所のような感じもして、こっちがワクワクしてくる。
香港早く行きて〜

もちろん、募金活動の作戦会議なので、みんな募金してくれる。
「おうおうおう、べらんめえチキショウ。これでも喰らえってんだコンチキショー。持ってけドロボー」と1000円札を入れてくれる、アメリカからお越しのsacco氏。彼も高円寺でUPTOWN RECORDという、かなりぶっ飛んだ店をやってるので、親近感もあるようでご満悦の様子。いよっ、saccoの旦那、太っ腹!

みんなソフトドリンクを飲んで謎のテンションになって、香港への募金作戦を練る。

香港での自治スペース運動について熱弁を振るう、近所の古着屋バルデラマの店主、HONDAさん。すごい迫力で語るので、もはや頷くしかなかった。

(本当は全員マスクをしていますが、Photoshopで全て消しました。いや〜、大変でした)

ちなみに、この黑窗里(黒い窓)のクラウドファンディングのサイトはこちら。ちょっと英語と中国語だけなので分からない人もいるかもしれないけど、穴が開くほど漢字を見ていればなんとなくはわかるはず。あと映像とかもあるので、見てみて〜

香港版
https://www.collaction.hk/s/openblackwindow

英語版
https://www.indiegogo.com/projects/at-midday-a-window-opens-into-the-night#/

そして、肝心の募金!
いま、素人の乱5号店の店頭に募金箱を置いてあるので、よかったらぜひ〜。ただ、いま緊急事態宣言の休業要請でお休み中なので、募金したい人はお店に連絡ください。
あと、遠方の人などは、素人の乱5号店オンラインショップからも募金できます。是非是非。香港の友達経由で全額現地に届けまーす。
いま、コロナのせいで全世界の面白い場所が閉店していく中、さらに拡大してしまおうという、攻勢に出てるところは結構レア。これは応援するしかな〜い!!!

<香港・黑窗里(黒い窓)設立募金!>
https://shiroran5.base.shop/items/45038269

日本政府に提言! 国内に曖昧な黙認地帯を作って、香港人を救おう!

最近、香港がさすがにヤバくなってきた。香港には友人も多く、10回、20回と遊びに行っている街なので、なんとか救えないだろうかと、最近いつも考える。もちろん、香港内だけで香港を守るのが一番いいだろうけど、情勢は結構厳しい。じゃ、いざとなった時の一つの手として、香港の外に香港街を作るのはどうだろう。香港の外からはそんな手助けができるんじゃないだろうか。少なくとも受け入れの準備しておいて損はない。もちろん香港の人たちが望めばの話だけど、一時避難として別の場所に従来通りの自由な香港と香港の文化をそのまま体現した街を作る。規模は人数によるけど、数百人いれば商店街ができるし、数千人いれば小さな町ができ、数万人数十万人もいれば、完全に第二香港ができる。うーん、楽しそう! これならいつの日かまた自由な香港に戻る希望にもつながる。

じゃ、どこで? もちろん行きたいところに行けばいいのかもしれないけど、旧支配国ということでイギリスは現実的なのかもしれない。ただ、地球の裏側はちょっと遠い。行ったっきりそのままになっちゃいそうだし、ただ逃げるだけというのはあまりいい解決とはいえない。やはり香港は故郷。近場に拠点を構え、いつの日かは香港の地に戻りたいというのが人の気持ちだってもんだ。

それに、最近はアメリカもイギリスも自分の国さえよければ他はどうでもいいと言う自分勝手主義の二大勢力で、こっちはこっちでヤバい雰囲気も満載だ。それにモロに中国と対立モードの国に行けば、米中の謎の対決に巻き込まれる可能性も高い。米英に限らず日本含め、香港のことなんか何も愛着も興味もないのに「反中国」ってことのために香港問題を利用したがる人はとても多いが、それは本当によくない。「香港が北京勢力につくのか、米英勢力につくのか」という香港の奪い合いみたいな発想じゃ、未来永劫香港は浮かばれない。それに香港を道具のように扱うのは、香港に対してとても失礼なことだ。こういう文化や社会の危機の時に、謎の政治的な下心は無用だ。妙な打算ではなく、本当に香港に愛着のある人によって香港が守られるのが一番いい。

日本政府への緊急提言

さて、そこで日本政府の諸君に提言。香港人を救うのに人肌脱いでみないか!?

ただ、残念なことに、政府諸君には英断を下す能力も知恵も勇気も何もないことは、ここ最近の腐敗と専制を目の当たりにしている我々はすでによく知っている。奴隷根性全開なのでアメリカの横暴にも盾つけない。経済的なお金のこともあるし中国と事を構えるわけにもいかない。大丈夫、安心してくれ。諸君には一切の期待はしていない。
と、そこで相談だが、日本政府の君たちにもできる、簡単なことがひとつだけある。諸君の一番得意な、曖昧にウヤムヤにして、見てみなかったことにする、日本の一番悪い癖の、あれ。あとで具にもつかない言い訳とかしてごまかして放置したり、なかったことにしちゃう、あれあれ。いつも政府諸君がやってるやつ。その得意技、いつもは自分の身内や利権を守ったり、弱者を見殺しにするような悪事に使ってるけど、一度ぐらいは、いいことのためにこれを発揮してみないか?

それでどうするかというと、もちろんこの香港街作戦。まずは、いろんなお目こぼしやら裏技なんかで、続々と香港人の日本入りを黙認し、後は余計な口を出さない。すると、独自の自由な街を形成し始める。
もちろん、習近平氏は怒ってすぐに電話してくると思うけど、日本政府は脂汗かきながら「いや~、ダメだって言ってるんですけどねー。気付いた時にはもう手遅れで…。では、極力早い時期に可能な限り前向きに対処する努力を続けたいと思いますので、まずは上司にハンコをもらえるか聞いてみます」みたいな、何言ってんだかわからないことを言ってうまいことかわす。
すると今度は、香港を反中国の旗印にしたがってるトランプあたりが、ここぞとばかりに電話してきて「お前のところの香港街を、香港独立政府と認定して、我々西側陣営の一角として国連に加盟申請させよ」みたいなこと言ってきそうだが「いや~、そこのところはひとつ、分かってくださいよお代官様。まあ、ひとまず今日のところは一旦持ち帰って検討させていただいて。続きは河岸を変えまして一杯やりながらざっくばらんに意見交換を」と酒を飲ませてウヤムヤにする、日本人にしか出来ないいつもの手で先送りにする。というか、これ拒絶の意味だけど、これは日本人にしかわからない(笑)
日本の一番悪いところ、たまにはいいことに使わないとね~

3次会まで付き合わされて日本にケムに巻かれたトランプと習近平が、屋台の焼き鳥屋あたりで「まったく日本のやつら! こりゃあ暖簾に腕押しだ」「一本取られましたな」と言わしめ、うっかり日本の会社文化の悪口で意気投合しちゃったりして、時間を稼げれば日本政府の役目はOK! 上出来だ! ただ、アメリカも中国も香港を自陣営につけようと必死なので、すぐに猛攻に来るはずだが、ヤバくなったら、いつもの通り、閣僚官僚みんなで仮病で緊急搬送されればいいので安心。それで万事OK! もう大丈夫、それ以上は期待しない。


世界は今、国境のハードルの高さと、より強くなる国家の支配力によって苦しんでいる人々がたくさんいる。そこで、逃げ場と生活の自由を少しでも多く作っていくことがとても大事だ。
ともかく、「まあ〜、一応は日本といえば日本なんだけど、見方によっては香港とも言えなくない…」いま求められてるのは、そんな場所だ。
それを作ろう!

日本のどこかに臨時都市ネオ香港の出現!

後は一般民衆の出番。「あそこに香港が引っ越してきたらしいぞ」なんてことになったら、もうみんな大喜び。「点心食べに行こう、点心」「夜景がキレイらしいぞ」「香港映画の公開日が日本より早いらしい」などと、みんな遊びに行くし、友達もどんどんできる。一般人同士の直接の交流がたくさんできるので、香港人たちが何を考えて何を求めているのかも、日本の人たちにもよくわかるようになる(←実はこれが一番大事)。商人たちも「関税もパスポートも何もいらないらしい!」と、こぞって交易に出かけるので、街も繁栄する。もちろん、そこはすでに香港なので言葉は全部広東語。日本語なんて通じない。広東語を勉強してる人なんてタダで練習できるんだから、毎週遊びに行っちゃう。通貨も香港ドルで日本円は使えないので両替屋で手数料を払って換金だ。車は同じ左側通行の右ハンドルだからそのまま大丈夫だけど、道路標識が違うのでちょっと注意。たまに読めない。でも、市民によって組織された香港警察が交通整理に当たるので安心だ。当然、日本の法律も通用せず、香港の法律が適用されるので、法律関係にはちょっと注意。あ、もちろん国家安全維持法はないので、みんなの安全はちゃんと維持される。心配はご無用だ。独自の議会も裁判所もあれば、ドサクサに紛れて香港マフィアもいるけど、そこはもう香港なんだからしょうがない。屋台で果物を売るおばちゃんもいれば、竹で組んだ足場でビルを建てる大工の棟梁もいる。そう、前と同じ光景がそこにはある。

そして、いつの日か、香港の地で香港が復活することを祈ろう。

これ、荒唐無稽な論だと思うなかれ。国家っていう概念がとても強くなり過ぎた現代が異常なのであって、歴史を振り返れば、外国の通貨使ったり、あるエリアで言葉が違ったりするなんてごく当たり前のことだったし、今だって地球上ではそんなことたくさんある。国が荒れ果てたり、ヤバい支配者が登場してクソつまらなくなったら、さっさとみんなで隣国領地内へ移り、そこの領主ともうまいことやりつつ独自の文化や社会を継続する。これ、普通の発想。大丈夫大丈夫、全然普通!

国家の管理者からしたら、立場上は困ったことかもしれないが「由々しき事態。毅然とした態度で厳正に対応してまいります」とだけ心にもないことを記者会見で言って、後は家でテレビ見たり犬と遊んだりしていればいい。

もちろん、この香港街作戦、そんな単純にうまくはいかないこともわかっている。招き入れるだけ招き入れて、後は放ったらかしておいたら、ただの難民キャンプみたいな扱いになって格差や差別が生まれるかもしれない。それじゃダメだし、面白くもなんともない。ちゃんと日本側の香港を大事に思う人たちによって大切にされて初めてうまく行く作戦。まさに、日本民衆と香港民衆の共同作戦! おおー、これはやりがいがあるね〜。我々民衆の腕前が問われるな〜

ということで、日本政府の諸君! 君たちはやることはひとつだけ。できる!! いや、君たちにしかできない!! ご決断を! まずは書類の手違いでもなんでもいいから香港人たちにビザを!

そして後は、世界民衆の手で香港を救おう!

京大吉田寮にて香港支援イベント!!!

京都大学の吉田寮にて、雨傘運動の時のドキュメンタリー映画の上映会と、今回の逃亡犯条例についてのイベントをやるとのことで、いままた京都に! 雨傘運動を振り返りつつ、相違点や進化したところなども話し合おうってことで、なかなか有意義な企画。

そもそも、この京大吉田寮自体がいま自治の危機にも直面していることもあり、ここでやる香港イベントは重要。方や国家や社会の自治や独立に関することで、方や大学内の学生寮の自治と独立。一見別問題のような気がするけど、実は根底では同様の問題。

今日(7/14)も第二日目があるので、ヒマがある人は是非〜

立て看板による宣伝はいいね〜

100年不変の安定感!

今回は連休で交通費がべらぼうに高かったので、車で京都に。ボロすぎる素人の乱号(ドラえもんカラー)も吉田寮に来たら新車に見える!

京大にも香港連帯の立て看板

イベント後は近くの村屋へ。ここは以前から京都飲んだくれ界にその名を轟かせてる名店だが、2ヶ月前に現在地に引っ越し。引っ越しても同じだった!

【香港逃亡犯条例デモ】哀愁の左派は混沌の香港を切り抜けられるのか!?

香港の逃亡犯条例のデモが連日話題になっている。香港では前代未聞の大規模抗議が行われ、香港政府はまだ完全撤回はしていないものの事実上の凍結を表明。運動はかなり優勢に進んでいるものの、政府も開き直った姿勢を見せ始めるなど、まだ予断を許さない状況。

今回は雨傘運動での反省点などを踏まえ、やり方をいろいろグレードアップして進めて来たのが功を奏し、政府を相当ビビらせることに成功した。そう、政府に対しての圧力が効くか効かないかは、政府がビビるかビビらないかがが分かれ目。その点では今回の香港はかなりの成功を収めているんじゃないだろうか。

さて、はたから見ていると、香港の民衆運動がすごい盛り上がりを見せ、すごいすごいと賞賛の嵐。日本でも誰でも応援している状態で、左派は「香港の反体制運動すごい!」と喜んでるし、右派は「やはり反中国の声は大きい!」と喜んでる。中道リベラルな人たちも「やはり民主主義を求める声は大きい!」と声援を送る。要するにみんなが「香港には希望がある!」と、勝手に自分の解釈で希望を見出している。それもそのはず、報道を見るだけではものすごいデモ隊が政府を圧迫している事しかわからない。でもまあ、強権政治に対して民衆が声を上げて押しまくっていることはいいことなので、みんなが喜ぶのも無理はない。

自分自身、そこまで事情に詳しくないまま香港入りして、「いや〜、すごいことになってるね〜!」と連日デモを繰り広げている香港各地の友達を訪ねてみると、意外と拍子抜けで「うん、まあまあだね」「いい線いってるけど、いい事ばかりでもない」みたいな返事が返って来る。元気な顔してる人ばかりではなく、そんなにテンション上がってない。あれ、そんな感じなんだ。

日本国内で、左派、右派、リベラルなどが勝手な解釈してるように、香港現地でもいろんな勢力が入り乱れて一緒にデモをやっているだけにかなりのカオス状態。誰もが「よっしゃ〜、自分たちの意見は間違ってなかった。ついに政府を追い詰めてる!」と喜ぶ一方で「ありゃ、どうも自分らとは違う意見で盛り上がってるな〜」との不満も。

では、その中の感じを少し紹介してみよう。香港には民主派、本土派、左派などの潮流があり、それらが今回のデモに参加している。まず民主派は、野党の最大勢力で、今回のデモの中でも一番勢力が大きい。雨傘運動の時もそうだったし、香港の民主化運動は基本的にはこのあたりの人たちがリードしている。独裁や強権政治に反対して民主主義を守ろうと訴える主張だ。

そして本土派。これは結構ヤバい。本土とは「地元」みたいな意味で、香港は中国内地や中国政府とは関係なく、香港は香港だという主張。とりあえず中国を毛嫌いしてて、政府も民衆もひっくるめて中国を排除する、香港ナショナリズムみたいな感じになりがち。やたら過激路線を取りたがるのも特徴。ヨーロッパで極右が増えたり、アメリカのトランプみたいなのが安直な排外主義を主張したりするのと似てる傾向。

そこで若干影が薄いのが左派。民主主義を守るのは大事だけど、その先にもっと重要なものがあるだろ、金持ちが牛耳って貧乏人から金を巻き上げてる現状とか、諸々の問題を解決しないと世の中良くならないだろ、って感じの主張。中国の強権政治への反発と同距離で金持ち&金もうけ中心社会へも反発する。香港は日本以上に弱肉強食社会全開のところなので、若者の貧困問題なんかも大変で、そういう時には彼らの主張は響くものの、今回のように「香港の自治を守れ」ということがメインになりがちの運動の時はどうも言葉が響きにくい。ちなみに、個人的な話だけど、自分の香港の友達たちは音楽をやってたりアートスペースや店をやってるような人たちが多いこともあって、この界隈が多い。彼らは国外の友達もたくさんいたり、生活と直結したところから世の中を見ているので、排外主義は嫌うし、民主主義というシステムのみに頼ることもしない。この感覚、日本でもわかるな〜

さて、主に3つを挙げたけど、もっと細かく言うと、同じ民主化にしても中国内地も含めた中国全体を民主化すべしという勢力や、中国内地は知ったこっちゃないけど高度な自治を守り香港だけは民主的な社会を維持したいという勢力、あるいは香港独立してシンガポールのような都市国家を目指す人々などなど、いろいろある。こんな人たちが混在したまま同じ目的に向かってデモを作り上げている。

それと、今回のデモには参加しない人たちとしては、「香港は中国の一部分なので北京政府に従うべし」という主張の建制派と呼ばれる人々がいて、それが現政府の与党。北京政府と関係が良かったり、中国に足をどっぷり踏み入れて商売をしてる人なんかはこの勢力なことが多い。ジャッキーチェンなんかはその典型で、最近は中国政府の点数稼ぎみたいなことばかり言っている。80年代文化を通ってる人なんかは、香港=ジャッキーチェンなどと思って、初対面の香港人に「香港!? ジャッキーチェンでしょ!」とか言うと、100%嫌な顔されるので気をつけてもらいたい(笑)。

さて、そんなところで、香港現地でも各派のせめぎ合いは大きい。本土派はイケイケの過激路線の人が多いので、「民主派はやる気ねえ!」と不満があるし、民主派は民主派で本土派のような右派路線を封じようとしてる。現に香港にいた時、数万人のデモ隊が警察本部を包囲している時、突如本土派の人たちが最前線に現れて、警察本部への攻撃を訴える大演説をして群衆に突入呼びかけたものの、ブーイングを浴びて断念して帰っていくという事も目の当たりにした。うーん、いろいろとギリギリのところでやってるんだな〜。しかも、今回の巨大運動では、デモ初参加の人が膨大にいて、しかも10代から20歳前後がめちゃくちゃ多い。その彼らがどういう考えで参加していて、これからどう言う考えを持つのかは完全に未知数だ。

とりあえず今回はリーダーがなく、多数のグループが独自判断で行動を決めていくという運動の作り方なので、いろんな方針が各所から呼びかけられ、それをみんなが選んで大まかに行動が決まっていく。これはすごい画期的で、新しい行動力を生み出している一方で、急転直下なにがどうなるかわからない危うさも含んでいる。

そして、ここまででかい運動になってくると、従来の潮流とはまた別に新たなグループなんかも続出。その流れで、先日の立法会(日本の国会に相当)占拠の行動なんかも出てきたりもする。で、いろんな新しい事態がどんどん出てくるんだけど、その辺はネットで書きまくるのは良くないので、直接話したほうがいいような気がしてきた!!

ということで、これ以上の話は、7月7日(日)の高円寺報告会にて!!!!!

イベントの詳細はこちら!

7/7(日)香港報告会やりまーす!!!!

Facebookイベントはこちら↓

https://www.facebook.com/events/199996670941969/

【香港逃亡犯条例】リーダーなく、誰と交渉したらいいかわからない運動

香港関連のニュースを見ていたら、ふと見たことある名前が…。あっ!! 「區諾軒」!

こいつは高円寺にもちょくちょく遊びにくるやつで、飲みまくると超ご機嫌に呑んだくれる最高にマヌケなやつで、大アホすぎて面白いやつだ。ずいぶん前から飲みには現れていたんだけど、気付いたら区議会議員になり、いまやいつのまにか立法会(日本の国会に相当)の議員に。呑んだくれてるときと政治家の時のギャップが面白すぎるので、マヌケゲストハウスにはいつも彼の選挙ポスターが貼ってある。ちなみに區さん、以前は「左翼21」という身も蓋もない名前の政党だったけど、今は民主党に所属。まさかこんな所でこの名を見るとは! ま、これは余談。

さて、その産経新聞の記事が良かったので少し紹介してみたい(記事は下に貼ってます)。今回のデモはリーダーがいないのが良かったということ。區諾軒先生(笑)が言うには、これまでのデモとの違いはリーダーが存在しないこと、そして、そのため政府も誰と交渉していいのかわからなかったという。そう、これはものすごい重要なことで、無数の民衆の力を政府に感じさせるにはこれしかない。完全に指揮系統が出来てしまったらそれは権力者からしたらそんな楽なことはない。うまいこと懐柔して無力化されてしまったり、大弾圧で指導部を潰されたりする。そしてその過程でも全部の重圧がその中心の人々に押しかかり疲弊する。デモは軍隊ではないので、強力なリーダーや指導部が出来たら、逆にとても弱くなる。

もちろん、完全に中心がないわけではない。呼びかける主催者的なグループはあり、彼らが大まかな方針を立てて呼びかける。しかし、香港現地で動いてるいろんな人からも効いた話だけど、雨傘革命の時の反省として、全体で統一行動をしすぎてうまくいかなかったことが多いという経験を踏まえて、今回は各自の小さいグループが無数にあって、そのグループごとに独自に判断して動いているという。主催者を信用していない。ただ、信用しないと言ってももちろん敵対してたりバカにしてるわけじゃない。ちゃんと主催グループを尊重しつつも「人任せにしていたらダメだ」という意識がだいぶ広がっているという。おおー、これは強そう。この運動が始まる直前、香港に人たちはひたすら会議を重ねて、雨傘運動の失敗をどうやって克服するかをずっと議論していたとのこと。そしてそれが自然と出来てきたのがこの小グループ作戦。これはみんながちゃんと考えないといけないのでかなり高度な作戦なだけに、今回は香港の人たちが本当に真剣に取り組んでるっていう証拠だ。

さて、実際に現場でも機動力がすごい上がっていて、警官隊が鎮圧に攻めてきたら衝突は各所でしつつも、みんなあっという間に退散して、違う場所に登場したり、警察がいなくなったらまた戻ってきたりとゲリラ的に動きまくっているという。こうなったら、特定の人や場所などが中心となってしまって、そこを鎮圧されたら負けみたいなことは起こらない。これ、相当最強。こんなのだったら、政府としてもデモの中心の人を脅したり懐柔したりっていういつもの手が全く使えない。民衆の怒りが解ける手を考えるしか無くなる。

ただ、中心というのは徐々に出来がち。この戦術と状態をどこまで維持しつつ続けられるかっていうのはすごい興味ある!!! こんな作戦で動いてる過去の例なんてすごい稀なので、これは本当に新しい試み。人間、切羽詰まるとすごい知恵を生み出す。この追い詰められた状況の香港社会がいまとんでもないものを生み出しつつあるのかもしれない。

(以下、産経新聞より)

産経新聞は普段はリーダーや権力者に媚びたみっともない点数稼ぎ記事ばかり書いてるくせに、敵が中国となると急に生き生きし始める犬みたいな新聞だな〜、と一瞬思うもののこの視点の記事はとてもいい!(一応褒めてます)