【長野奇人伝19】西澤尚絋 〜オレの手でマヌケ宿泊所を守る!

長野にジローさんという謎の大御所がいる。以前リサイクルショップをやっており、同業のよしみで知り合って以来の付き合いだ。長野市のはずれの安茂里という一帯で好き放題に遊びながら仕事もしている人で、ま、言ってみれば地方豪族みたいな感じ。

長野山岳地帯に居を構える地方豪族のジロー氏

かつては、長野で行われた野外フェス「なんとかフェス(2009~2011)」にも力を貸してくれたり、近年のアジア圏との交流の際も台湾などまで足を運んだり、高円寺にもちょくちょく遊びに来たりと、何かと関わりも深い。

ジローさんの店にて。いぶし銀の貫禄

さて、今回はジローさんの話ではなく、もう一人の長野重要人物、西澤くんだ。豪族ジロー氏の配下、いや手下として活躍し頭角を表し、そのマヌケ感全開の雰囲気で存在感を出している西澤氏も、かつてのなんとかフェス時代以来の登場人物。好奇心旺盛な西澤くんは、長野市内のライブハウスや変わったスペース、イベントなどにも顔を出したりして、長野地下文化圏周辺もウロチョロしていて意外と顔が広い。そのため、安茂里の山中から長野市内に勢力拡大を虎視眈々と狙う豪族のジローさんからも一目置かれている。

近年も、長野に遊びに行ったり、西澤くんが東京に来たときはよく飲んだりもしていた。

西澤氏。ぱっと見の風貌は完全に農協青年部

で、この西澤くん、なにを隠そう高円寺マヌケ宿泊所の第一号のお客さん。2013年ごろ、まだ正式オープン前にいろいろ準備している頃、たまたま高円寺に来る用事があり、「ゲストハウス始めるって聞いたけど、もう泊まれますか?」というので「まだ準備が完全じゃないけど、知り合いだったらいいよ〜」となった。2021年1月の廃業までの間に5000人以上が宿泊した中の、記念すべき第1号。

そして、その西澤くん、マヌケ宿泊所が廃業したと聞いてとても残念がる。先日、長野に行った時もその話になり、「いや〜、海外の仲間たちがいつかまた来る時に備えて、なんらかの形で残しておきたいんだよね〜」と相談すると、「なんとかします」と、西澤氏。おお、これは心強い言葉!

そして数日後、東京に戻った後に西澤氏から送られてきたのがこの写真!

こ、これは! あのジローさんの領地内の山の中! 聞けば、解体現場でいらなくなった小屋をもらってきて、ここに移設したとのこと。完全に風雲たけし城の天守閣だ!!

おお、でかい!! まさに建設現場の仮設事務所! これは便利そうだ!

階段を登ると、なんと!!!

ギャー、マヌケ宿泊所!!!!

「いや〜、オレとジローさんでこの看板描いたんですよ」と西澤氏。まさかの長野移転! マヌケ宿泊所は死んでいなかった!

ギャー!! 畳!
これは、現場作業員たちが休憩の時に車座になってお茶を飲む、あの場所だ!! もしくは百姓一揆の密談の寄り合いに使われるお寺の離れと完全に同じだ!!!!(見たことないけど、たぶん同じ)

うわ〜、最高。これはこれで楽しそう〜!!

ということで、コロナ襲来によって敗退し、高円寺で滅亡したマヌケ宿泊所だが、長野の豪族ジローさんの庇護の下、西澤氏がマヌケ宿泊所の所長に就任し、長野の山中から再度東京進出を狙うということになった。

いや〜、楽しくなってきた。っていうか、そのうち遊びに行ってみよう! なんとかフェスもまた久々にやりたいしね〜

これは長野に目が離せなくなってきた!