NO LIMIT BALI!!!!!!!

今回のインドネシア作戦の最後を締めくくったのははこれ。12/12にバリのRumah Sanurというスペースで開催されたイベント!!

今年の8月に高円寺で開催された「死亡超人」というイベントで、素人の乱と、同じく高円寺のBARのSUB STOREで共同して、このバリのSuperman is Deadというバンドを受け入れて企画をやった。そんなこともあり、このバリの界隈の人たちが「おお、この間高円寺でいろいろやってくれたらしいので、今度はこっちが恩返しにイベントをやってあげよう!」と、一肌脱いでくれたとのこと。そんなことで、すごい頑張ってくれた。結構広いイベント会場を無料で貸してくれたり、普段はギャラをもらって活動してるようなバンドたちも「ギャラなんていらないよ!」と、無料で来てくれたし、音響機材とか楽器類なんかもバリのいろんな人たちが貸してくれたという。

う〜ん、頭が下がるばかり。そういう、国を越えた持ちつ持たれつの関係を作っていくのは大事だね〜

高円寺SUB STOREのアンディ
ギラン屋敷の人たちの出店も
「もっと早く情報知ってたら出たいバンドとかたくさんあったのに〜。次はもっと早く言ってよ〜」とのこと。しまった! やはり早くインドネシア語習得しないと!
DENPASAR KOLEKTIF の展示
ねたのよい。独特のスタイルの音楽にインドネシア人も喜ぶ!

高円寺SUB STOREの姉妹店、SUB STORE BALIの出店。しまった、今回行きそびれた!

しかし、ジャカルタもそうだけど、このバリでも本当にインドネシアの人たちにすごい色々助けてもらった。いくら高円寺で企画をやってあげたり、共通の知り合いがいるとは言え、我々見ず知らずのよそ者に対してここまで色々骨を折ってくれるとは、もう感激しかない。そう、我々は商業主義的な繋がりではない。こういういろんなスペースやコミュニティーを作って維持している人たちとの、手作りの人間関係や交流によって成り立っているものだ。金の繋がりやなんらかの権力関係で成り立っている繋がりなんかよりもはるかに強固な信頼関係で成り立っていけるはずなのだ。そういう意味でも、そんなスペースやコミュニティーへの感謝や尊敬を忘れてはいけないし、逆にそれができなければ、そういうコミュニティーに受け入れることはできない。

ということで、今回はバリで尽力してくれた人たちにささやかなプレゼントを用意した。これを見せてくれたらご馳走するので、高円寺を訪れてくれた時にぜひ使ってもらいたい。バリのみんな〜! 受け取ってくれ!!!

これをプリントして切り取って見せてください。「???」の反応をされたらすみやかに逃げてください

全日程のイベントを終えて宿に帰り、夜遅かったので宿の外で路上飲み。う〜ん、やはりアジア圏はこれが自然でいいね。各国から来てる人たちともまたしばらくのお別れなので、最後にいろいろ語り合う。名残惜しいけど、ま、またすぐどこかで会うでしょ。

ちなみにこんな感じで呑んだくれてると、西洋人の若者の旅行者たち5〜6人がベロンベロンになって現れた。たぶん同じ宿らしい。女の子は宿の前で吐きまくってドロドロになってるわ、男はもうまっすぐ歩けず壁にぶつかったり叫んだりしてる。…と、そこでこちらと鉢合わせて目が合う。とりあえずお互い会釈。これがなんだか、すごいマヌケで面白い。こちらとしては「あ〜あ、あいつらひでえ飲み方してるな〜。いい歳して飲み方もわかってねーな。バカなんだろうな〜こいつら」と、憐れみの視線を送る。向こうは向こうで、地べたで飲むなんてカルチャーは皆無なので、「うわ、この謎のアジア人たち、みすぼらしい飲み方してるな〜。猿山と変わんねーな〜」という憐れみの眼差しでこちらを見る。もちろんこちらは「こっちはちゃんと正気だし大人のペースで飲んでる」という自負。向こうは「俺たちはちゃんと立ってて、地面に座り込むほど落ちぶれてない」という自負。おお、ここにも東西呑んだくれ価値観の微妙な差が!! ま、はたから見たら目クソ鼻クソでどっちもただの呑んだくれにちがいはないんだけど。

さて、そんな感じで終了した今回のインドネシア作戦。うーん、行ってよかった!!! ということで、今回の一連のインドネシア関連の日記はひとまずこれで終了。みんなもインドネシアに行ってみるしかない!!!

バリ到着。恐怖! ギラン屋敷 WALHI BALI

さて、ジャカルタ作戦も無事に終わってお次はバリへ。バリというと観光地のイメージが強いが、いろんなスペースもあり面白いことをやってる奴らもいる。高円寺でも毎度お馴染みの台湾のバンドマンたちのグループ「愁城」も数ヶ月前に遊びに来たということで、その台湾つながりもあってWALHI BALIというスペースに遊びに行ってみた。

宿に着いたのがすでに結構遅かったので、夜中にバイクタクシーで向かったんだが、宿の近くの比較的店などもたくさんある賑やかなエリアを抜け、その後は街灯もほとんどない暗闇の中をひたすら走り続ける。う〜ん、いったいどこまで行くんだろう…、と不安になってくる。そして、40分ほどバイクで走ったところにある暗闇の中にポツンと明かりがあり、そこには小さな屋敷が! ギャー! これ完全に鬼太郎第1話に出てくる鬼太郎の親父が死んだ時の小屋と同じ状況だ! 助けて〜

暗闇に忽然と現れたパンク屋敷

と、思ったけどよく地図を見たら、むしろ市中心部の官庁街の近く。例えば東京で言えば神田みたいなポジションかな? 逆に中心部に近かったから暗かったみたい。いや〜、危ないところで死ぬところだった。まずはひと安心。

入口には大量のZINEが。週末に開催するZINE FESTIVALの準備とのこと

まずはそのスペースを少し紹介。ここの界隈に集まるバンドマン達などのたまり場でもあり、そんな彼らの作ったものも販売や展示している。そして、バリのリゾート開発に反対する活動の事務所も兼ねており、農民たちのサポートや開発反対デモを開催したりもしている。

バリPUNK界の堀内孝雄ことギラン氏

このスペースの大御所のギラン氏で、彼も音楽をやっている。すごい優しい性格で、いろんなことをすごい丁寧に教えてくれた。共通の知り合いもたくさんいるし、数ヶ月前には高円寺のSUB Storeや新宿成田商店(IRA)、台湾の愁城などでも展示をやったのも記憶に新しい。

そういえば素人の乱のこともよく知っていてくれて、「高円寺再開発反対デモ最高だったね〜」などと喜んでくれた。で、そこからお互いのやってることの話になったんだけど、彼の運動哲学が面白く、いろんな人たちと一緒に物事を作っていきたいという。若者だけとか、真面目に運動を語るだけみたいに同じ感じの人たちだけでやるんじゃなくて、農民のおじちゃんやおばちゃん、老人やら子供やら、わけわからない人たちなんかと一緒に作ったりしたいし、開発反対のライブイベントのとき、パンクバンドばかりだけどあえて伝統音楽の人たちにの演奏してもらったり、いろいろ努力してるという。「大事なのはいろんなものを混ぜながら作ることなんだ」とのこと。おお! これ、数ヶ月前に韓国のYamagata Tweaksterが高円寺に来た時に語ってたこととすごいかぶってる! だから高円寺でやってるデモもいろんなミュージシャンや芸術家が参加したり、すごい楽しそうなものを大事にして作ってるのがすごい興味深いとのこと。「また高円寺行きたい!」と言ってたので、次のデモあたりでうまく来れたら面白いのにね〜〜

余談だけど、ギラン氏の名前だけは一発で覚えた。典型的な怪獣系の名前なので、これは日本人にも親しみやすい名前だ! でも彼は怪獣じゃなく、とてもいい人だ。

店内に所狭しと並ぶTシャツなど
ステッカーもたくさん貰ったので、帰国後マヌケゲストハウスに貼っておいた
大量のカセット! というか、こっちのパンクシーンは本当に規模が大きい
思わずTシャツとか結構買っちゃったけど、いま日本は厳冬期を迎えようとしている
ずいぶん控えめなところにコッソリと並ぶ強そうなステッカーたち

上の写真は庭の片隅の鉄壁に張り巡らされていたステッカー。バンドマンたちが多く、しかもパンクやハードコアの人たちが多いのでステッカーもその手のが多い。なんでこんなところに突如たくさん貼ってあるのか聞くと、ギラン氏いわく「いや〜、前はまさに入り口のドアに貼ってたんだけど、怖がって誰も入ってこないからドアをきれいにして、ステッカーはこっちに移した」という。なるほど、たしかにガイコツやら怖い顔やらがたくさんあったら、ただでさえ鬼太郎の親父が死んだ場所なのに、もっと怖くなる。やはりここにもなるべくいろんな人たちに来てもらいたいというコンセプトが。偉い!

とは言っても、裏手の中庭にはデモで使う道具なんかがたくさん置いてあり、やっぱりガイコツがある。ギャー、やっぱり助けて〜!

建物の外壁にはいろんな展示もある。おお、おもしろい!

中庭には謎のパンクあずま屋も。みんなここでタバコ吸ったりお茶飲んだり酒飲んだり。いいな〜、南国ならではのスペース。ここをステージとして、簡単なライブや上映会など屋外イベントもよくやるという。夜中遅くなのに話したり笑ったりしてすごい盛り上がってたけど特に苦情はほとんどないという。さらに「近所には小さい子供がいる家もあって、子供が寝られないとかわいそうだしね〜」と、優しい一面も。でも、ちょっと何かあったら警察に通報みたいな一億総神経質社会の日本とは「静か」の感覚がだいぶ違うんだろうな〜。うらやましい! 野外楽しそう!

ちなみに、先ほどの中庭のすぐ裏手にはこんな建物が。ギャー、やっぱり鬼太郎の親父の屋敷だ! 聞けば「もうだいぶ昔だけど、大きな屋敷を建てようとした人がいて、半分ぐらい完成したところでインドネシア経済が急に悪化して工事止まっちゃったんだよ。で、今もそのまま放置されてる」だって。やばい、これは楽しそう! でも、万が一この工事が再開して完成してしまうと、先ほどの中庭が通路になって無くなっちゃうのでそれが悩みの種だという。

濃い色の長めのコメ。作るならやはり炒飯かカレーかナシゴレンあたりか

リゾート開発が進み、農地を手放していく農家も多い中、まだ頑張って農家を続けている人たちをサポートする活動もやっている。時には農業を手伝ったり、その米を売ったり。おー、三里塚みたい。ということで、農民を応援する意味も兼ねて米1キロ買ってきました〜

写真一番左がマヌケくんことJuli

さあ、一通りお互いの活動の理解を少し深めた後は恒例の大宴会! ちなみにこの日はこのスペースに泊めてもらうことになり、英語のかなりイカサマな自分が1人で一晩交流するとなればもう、こっちのペースで行くしかない。インドネシアはムスリムが多いので、なかなかみんながみんな会ったら飲みまくるなんて文化はそんなにない。ただ、イスラム教が強いジャカルタでも飲みまくって仲良くなったりしたので、比較的ヒンズー文化が強いバリはいけるはずだ! …という確信のもと、おそるおそる一番マヌケそうな顔してる青年を見抜き(←これが重要)、そいつにこっそり「さて、ビールでも買いに行きますか」と耳打ち。すると、ニカーッとした笑顔で待ってましたとばかりに「いま!? 買いに行っちゃう!? 俺も酒大好きだよ!」と言い出す。やっぱり!!!! よっしゃー、俺の感はやはり的中した!

案の定マヌケくん、酒のプロフェッショナルで「何が飲みたい? 強めなのだったら自分で作ったのもあるし、ビールだったら近くで手に入るよ」という。ま、とりあえずビールを飲むことになり、近所の店へ。この店、酒類は扱ってないはずなんだけど、「ま、俺に任しといてくれ」という。すかさず店のオッサンに何やら言って、店の裏で冷やしといてもらってるのを出してもらってる。おお、そんな裏技があるのか!

で、さっそく飲み会開始〜! ま、お互い語学力に限界があるので、込み入った話にならないのがまたいいところで、後はだいたいどうでもいい話をしたり、YouTubeなどでお互いの国の面白いバンドや音楽を教えたりしながら盛り上がるのはどこでも定番コース。で、さらに、ここはせっかくNO LIMIT BALI期間中の飲み会なので、アジア圏の人たちと飲みでどう仲良くなるかを伝授! 香港人や台湾人はこうやって飲むとか、中国人がこれを飲み出したら気をつけろとか、韓国人がこう飲み始めたらそれはこういう意味だ、などなど。逆にバリでの酒を飲む時の謎のルールなどを教えてもらったり、超面白かった。よし、マヌケなバリの諸君、これで次に東アジア圏のどこに行って飲み会に巻き込まれても全然大丈夫だ!

こちらはほかの東アジア圏のみんなで訪れた時の写真。それぞれ中国(各都市)、韓国、香港、台湾などでスペースを作ってる人たちなので、ギランたちとお互いの情報交換したり友達になったりしてすごいいい交流ができた。いや〜、なんだかんだ言ってこういう交流が今後に繋がるんだよね〜。これは楽しみ!

彼らのグループ名 DENPASAR KOLECTIF

NO LIMIT JAKARTA = WHY

NO LIMIT JAKARTA 第二日目。この日はまずインドネシアの女性パンクシーンに関するドキュメンタリー『INI SCENE KAMI JUGA』の上映会で幕開け。上映後のトークショーでは「パンクシーンの中にもいろんなジェンダー問題がある。でも、何かしらの問題が発生した時にそれをみんなに訴えて支持してもらったり助けてもらったりするのでは根本的な解決にならない。こういうイベントや映画の上映などを通して、みんなが問題を理解するようになることが一番大事なことだ」という。素晴らしい。

最初の上映後のトークショー。うーん、内容聞きたい!

ただ、本人達がインドネシア語でトークした内容を、登壇者の1人が要所要所英語で要約し、それを隣で聞いていた台湾人の阿翔が中国語でさらに要約てくれ、それをなんとか聞いて日本語で要約すると、長いトークショーの内容が上のような内容になった。こりゃいかん、やはりインドネシア語理解しないともったいない!

前半の上映会はビル一階の駐車場スペースにて

先ほどの上映会+トークショーが拍手喝采で終わると、そこですかさずジェロニモレーベルの上杉氏が突如勝手に登場していきなりライブを開始! さすが上杉氏。常に虎視眈々と隙を伺いタイミングを読んでいる。うまい! そう、寄席の休憩でトイレに出た瞬間に弁当売ってる売店に出くわしたり、野球場で回が変わる時にビールの売り子が来たりするあのタイミングだ! そして一方のインドネシア人たちも、車の渋滞が始まった瞬間に車道に入ってきてバナナとかタバコとか売りに来る売り子たちに慣れてるから、とごく自然に拍手と歓声で受け入れられてる。これはいいね!

「いえ〜〜〜〜い!!!」と、すごいテンションで颯爽と登場したものの、演奏開始とともにアンプ内蔵ギターのバッテリーが切れるという、ちゃんとオチを外さない上杉氏。ジャカルタでも関西の芸風を知らしめた瞬間

そして、上杉ショーの次は中国の人たちのドキュメンタリー映画。こちらも中国での女性問題に関する映画の上映。ちなみに中国語って全て漢字で構成されてる言語なので、英語や日本語に比べて短時間ですごいたくさんの内容のことを伝えることができる。なので字幕のスピードがものすごい早い。インドネシアの人たち内容わかっただろうか…

2008年の中村友紀監督の作品『素人の乱』。実はYouTubeでも観られる

そして、その後は映画『素人の乱』の上映。この日は前半に映画とかトークショーが集中してたので、飲みながら観ていたので迂闊にも夕方の時点で既に酔っ払ってくる。ちなみに、この映画すでに100回ぐらい観てる。

そして終わったら次は『NO LIMIT 東京自治区』の映画と、監督の児玉さんの挨拶。続けてみるとなんとなく変遷がわかって面白い。

ナントカ氏と

上映会直後、「おい! お前ら面白いことやってるじゃねーか!」と、感激して話しかけてきたナントカくん(すまん、インドネシアの名前ってなかなか覚えにくい)。ナントカくんいわく、「いやー、国境クソ食らえだから、うちらも今ちょうど東南アジアのネットワーク作りまくって結託してるんだよ!!! お前らの東アジアネットワークと繋げたらヤバいことになるよ!」と、テンション上がってた。おお、こんなところに思わぬ同志が!! いっちょ結託しますか〜!! 世界の大バカたちがどんどん繋がっていけばものすごいことになることを知らしめてやる!!!! よし、まずは名前を思い出すところから開始だ!!

ナントカ氏2と

ナントカくん2と。彼は地元で開発に反対する運動やイベントもやっている。彼は日本の状況や高円寺の再開発反対のことなどにすごい共感してくれていて、そのZINEとTシャツをプレゼントしてくれた! ちなみに彼は東京にも遊びに来てくれて何度も飲んだりしたし、高円寺マヌケゲストハウスにも泊まってくれたり、インドネシアに来てからも何度も一緒に遊んだりしているので、いまさら名前を聞きにくくなってきたいつものあれだ。しまった! このブログを読んだみなさん、くれぐれも彼には名前を思い出せないことは極秘でお願いします!

こちらは中国チーム。中国の各地から来ている
ジャカルタ2日目の打ち上げ後。この直後に寝てしまい、起きたらパスポート入りのカバンが消えていた!

さて、NO LIMIT JAKARTAのイベント名にWHY FESTIVALという名称が付けられており、この経緯が面白い。まずNO LIMIT JAKARTAの発端は、最近知り合ってきたインドネシアの人たちと話しているうちに「じゃ、インドネシアでなんかやりますか〜」っていうノリになったこと。そして、実際に具体的に話を進める段階になると、実は日本人は大して役に立たない。自分自身、実際に行ったこともなかったし、どこまでのことがどんな条件でできるのかなど、なかなか計り知れないところも多い。ということで、こちらからは他の国から参加するミュージシャンや企画、遊びに行く人の手配などに追われることになり、実際の現地での会場や宣伝などの実務はジャカルタサイドにかなり依存することに。

そして、ジャカルタサイドの頑張りが半端なくて、かなり大掛かりなイベントになってきたんだけど、日本を中心とした海外サイドは思ったほど役に立たない! で、ある時ジャカルタサイドでの会議の時に「あれっ! ところでうちら何でこんな大変な企画やってるんだっけ!」となって「WHYにしよう」となったとのこと。

最初はあまりネーミングは気にしてなかったけど、その経緯を聞いてから会場や装飾を見てみるとマヌケ感が半端ないことに気付く。

巨大なWHYの前でパンクバンドが演奏している姿はとても感慨深い

ジャカルタ・マヌケゲストハウス

ジャカルタでは、割とチェーン展開しているゲストハウスに滞在していた。別に何の期待もしてなかったんだけど、これがまたよかった。

やたらノリがいいおっちゃん。毎日異常に機嫌がいい

まず、スタッフのシフトがやばい。上の写真のおっちゃんが夜、その息子と思われる青年が昼。この12時間交代で永久に回ってる。この宿チェーン店っぽいけど他の支店とかそれぞれガラッと違う感じなので、直営で展開しているというよりもフランチャイズみたいな感じでブッキングのシステムを共有してる程度だと思う。なので、限りなく個人経営に近い様子。たまに日本のコンビニなどで、出勤時に寄っても帰宅前に寄っても、深夜に夜食を買いに行っても同じ店員だったりして、驚くときがある。コンビニの場合はその人の労働環境や健康が大丈夫か心配になるが、こういうゲストハウスみたいにのんびりした様子で働いてる場合は、謎の安定感があってたのもしい。しかもいつもマヌケな顔をしてやたらニコニコしている。

ついでだけど、インドネシア人って話しかけるとすぐニコーッとして返してくれるし、すごいやさしいのがいい。しかも一回話したら絶対覚えててくれて次からは会った時にいつもニコニコして「よう!」みたいな感じになる。第一印象ですごい親しみやすいので、あまり海外経験のない人でも受け入れやすいはずだ。ちなみに真逆なのが中国人。中国人はその辺の店なんかで話しかけても最高に無愛想で最高に態度が悪い。このため世界中で嫌われることが多いんだけど、実は中国人って中身はすごい優しくて親切。なので、最初の遭遇時に悪態つかれても別にその人は機嫌悪いわけじゃないので、もう一歩踏み込んで会話をしていくと急にものすごい態度が変わって心配してくれたり面倒見てくれたりするようになる。もちろん二度目からも超優しくなる。ま、要するにどこの人たちも中身は優しいんだけど、最初の表面的な感じが場所によっていろいろってこと。そんな意味でこのインドネシアは交流入門コースとしてもいいので、是非オススメだ。

うつむいていて疲れてそうだとおもうが、実はスマホでゲームしてるだけ

あと、感動したのがインドネシア語しか通じないこと。普通、宿のカウンター業務なら英語ぐらい通じるんじゃないかと思うものの、それは大間違い。不得意どころじゃなくて本当に全く通じない。自分自身、英語は相当ひどいレベルだけど、超単純な会話ぐらいは何とかなるが、ここはそんなレベルじゃない。完全にゼロ。ま、もちろん我々外人としてはインドネシアに来た以上はインドネシア語を話すのが筋だ。でも、できない場合は向こうがこちらの言葉をできれば幸い。そしてどっちもダメな場合は共通で通じる言語を使うという順序になる。ということで、仕方ないのでこの宿での会話は基本的にgoogle翻訳。ま、お互いヒマ人なのでなので時間はたくさんあるからなんとかなったけど。

来てわかったけど、英語が通じないのはここだけじゃない。大学生や、各種イベントで会う人たち、空港やショッピングモール、観光地などでは英語通じるけど、それ以外、特にその辺の屋台でご飯を食べて、ボロい雑貨屋で日用品を調達したりして生活する分にはほとんど通じない。でもそう言う人たちの話す内容が一番面白そう。チキショーくやしい!

いや〜、しかしいま高円寺で「マヌケゲストハウス」をやってるけど、英語は大変。アジア訛りの英語で話されたら何とかなるけど、たまに米英訛りのわけのわからない英語で話すやつら(俗に言う普通の英語)がいて、やつらの話しは基本チンプンカンプンなので大変。「英語ももう少し使えないといけないなー」と思うこともたまにあったが、この堂々たるおっちゃんたちの姿を見ていると安心だ! たしかに世界には共通語的に使える言語は中国語やスペイン語など他にもいろいろあるし、とんだまぐれでスワヒリ語やタガログ語がお互い使える可能性だってある。やはり自分の交流圏に沿っていろんな言葉を少しづつでも覚えていくのが、異言語交流としては一番自然なやり方なんだろう。よーし、やはり英語は二の次だ。個人的にはやはり広東語と韓国語を少しはわかるのが先決だし、最近はどうもマレー・インドネシア語を話せたら楽しいことが増えそうな気もして来た! やはりそっちだ、そっち!

最後におまけ。そのゲストハウスはこちら。https://www.booking.com/hotel/id/oyo-141-fatmawati-cozy-residence.ja.html

NO LIMIT JAKARTA ついに開幕!

昼はだいたいこういう屋台でご飯を食べるんだけど、やたら安い。しかし辛い。だいたい家族でやってて、奥の部屋が家になってて、雑貨も売ってたりする。このコンパクトなサイズ感がいいね〜

とりあえずスーパーでビールを購入し、イベント会場に向かう香港チームの2人と台湾の阿翔

スケジュールはこんな感じ

しまった!映画素人の乱の英題のAが抜けて「Mateur Riot」に。これは意味不明だ!

ここは一階のライブハウス。例のインドネシアのバンド「夜のコウモリ」のメンバーがオーナー。聞けば彼らこの悪の巣窟ビル全部を所有してるとのこと。なんとインドネシアのスマトラかどこかにかつてあった王国の王族の末裔だったことが判明して、気づいたらこのビルが手に入っていた模様。う〜ん、そんなふざけた話があるのか! ずるい! うらやましい! ちなみにうちの松本家の先祖は瀬戸内海の島の海賊。かつては先祖代々伝わった家宝や財宝、屋敷もあったようだが、ひい爺さんの徳右衛門が恐ろしいほどのゴキゲンな大酒飲みで、酔っ払って機嫌よくなっちゃって財宝を人にあげちゃったりして、結局一文無しになったと言う話をうちの親父から聞いたことがある。いやー、えらい違いだ! しかし徳右衛門いいね、友達になりそうだ!

ねたのよい。高円寺のろくでなしの象徴のようなノディもライブの時はいつもカッコいい

東アジアで一番マヌケ感漂う上海の小船ちゃん(写真中央)も到着
インドネシアのインフレも半端なく、何を買うにもすごい金を払う感じ。ちなみにこの写真のビール代の金、日本円で約400円
高円寺から来たDJのタケル。5時間回して頭がおかしくなってる

そして出ました、韓国のYamagata Tweakster。この悪の巣窟ビルの一階駐車場ステージでライブ開始。インドネシアでの知名度ゼロの状態で周りはパンクスばかり。これでどうやらかすのかと思ったら、もちろん心配は無用。いつものめちゃくちゃなパフォーマンスで会場を大混乱に。ちゃんとインドネシア語でアジアの連帯を呼びかける文を読み上げたりして盛り上げたり、最終的にはいつものように勝手に街に繰り出して大通りの車を止めたり(ジャカルタの道路は超危ない)とメチャクチャやってジャカルタを大混乱に! ライブ開始時には「なんだこいつは?」というみんなの視線も、最後にはみんなが超盛り上がってる感じで、やはりYamagataの腕前はヤバい!!!

いろんな人から写真を頼まれたりして大人気者に!
韓国チームによるドキュメンタリー上映も

さて、そんな頃、上のMONDOでは韓国チームによる、韓国ギターメーカーのコルトに関するドキュメンタリー映画の上映イベント。韓国有数のこのメーカー、実は超ブラック企業で多くの問題を引き起こし、韓国のインディーミュージシャンたちがそんな会社の作ったもので音楽をやれるか〜、と怒ってその労働者たちと連帯した話。で、結局この会社、韓国の工場を撤退してインドネシアに逃げ、いまはインドネシアにその工場があるとのこと。ということで、インドネシアでこの上映会をやることはとても重要とのこと。

ちなみに、この韓国チーム、インドネシア作戦がおわったらすぐ韓国に戻り、14日から3日間この反コルトの巨大な音楽フェスを開催するとのこと。興味ある人は是非ソウルに行ってみよう。今からならまだチケット間に合うよ〜

悪の巣窟ビル一階エントランス。しかしでかいな〜
それにしても物販のブースがすごい。無数のバンドのブースがあって、これでもかと言うぐらいのものが売ってる

初日も無事終了して宿に帰る途中、お腹が空いたのでナシゴレンの屋台に寄る。すると店のマスター、「はいよ〜、じゃあこちらで」と地面に布を敷いてくれる。おお、ここで食べると言うことか。これはいいね〜! 楽しそう!

ちなみにインドネシアにきてすごい思うのは、みんなやたら地面に座る。例えばライブ会場でもそうで、ステージ前の盛り上がってるところには人が集まってるけど、ちょっとゆっくりしたい人は後方や脇の方に遠巻きに見てる。これはどこも同じ光景だが、欧米では絶対に後ろの方の人が立ってるのに、こっちではみんな絶対に地面に座ってる。イベント会場の外でもそうで、パンクたちがみんな座ってる。よく考えたら日本や韓国、台湾などはその中間で立ってウロウロしてることが結構多いけど、基本的には畳文化ということもあり室内室外問わず地面に座ってダラダラしてることも多い。インドネシア人いわく「やはり体の作りが違うからアジア人はこっちの方が楽なんだよ、たぶん」という。うーん、納得。

高円寺駅前広場と同じ光景

で、そのままナシゴレンやミーゴレンを食べる。やはり地面に座ってると、容易にどかない感じの居座ってる感がすごい。立ってウロウロしてる時、イスに座ってる時、地面の時を比べると徐々に動かない感じが出る。これ、いいねー。重要だね、勝手に居座るの。

ジャカルタ前夜祭!

ジャカルタ入り二日目の12月7日、大部分の海外からの参加者はこの日に到着するということで、この日は完全に旅行会社の添乗員の行動。「あ、◯◯さんご到着、はいこちらの宿へどうぞ」「△△さん、あなたはこちらじゃなくてあっちの宿へ、今お連れしますね〜」こんな感じ。そんななか、みんな超楽しそうに街に遊びに行ったりしてやがる。チキショ〜

左から韓国チームのサンヒョンとウンジョン、先日高円寺にも滞在していた上海の雨晴

インドネシアは宗教上のこともあって基本お酒があまりない。しかし、これまで東アジア圏で飲みまくりながら交流してきたこともあり、けっこう酒は必須。しかも東アジア大バカ圏で屈指の酒豪の韓国のサンヒョンなどは到着早々「ビール飲みたい〜、焼酎も欲しい〜」と騒ぎまくる。酒は諦めつつも食堂に入ってご飯を食べていると、韓国チームが「あ! ビールあるよ!」と、売店の冷蔵庫の中から目ざとく発見! さっそく飲み会が始まる!

インドネシアでは公然と呑んだくれるのは違法ではないものの、完全に堕落した人間たちとしか見られないことが多い。お店の2〜3歳ぐらいの女の子がじっとこちらを不思議そうに見入ってるが、お母さんが「見ちゃいけません!」みたいな感じ(笑)。食堂のご主人なんかあまりに面白がって「ちょっと撮影していい?」と、謎の東アジア人が呑んだくれてるところを撮影する。やばい、完全に動物園みたいだ!

死ぬほどビールのつまみを注文する東アジア大バカたち

そして、旅行社の添乗員の仕事を一通り終えると、じゃ、悪の巣窟(MONDO)で前夜祭をやろうということに。

哀愁のヒデヨヴィッチ上杉氏。偶然ある畳がさらに四畳半のボロアパート感を醸し出す

しかし、約束の時間をだいぶ遅刻して到着してみると、京都から最も高いテンションで登場したジェロニモレーベルのヒデヨヴィッチ上杉氏が「誰もおらんやないか」と1人晩酌してる。これは切ない! というかみんな時間感覚が遅すぎる!

出た! 夜のコウモリ一味!
また現れた! 夜のコウモリ!!
ねたのよいチームとSUB STORE組も到着〜
高円寺組も続々と到着し、なんとかBARと変わらないメンツに

このあとアジア圏各国組も続々現れ、謎の飲み会に。ついに祭りが始まる!!!!

ジャカルタ悪の巣窟MONDO CAFE!

ジャカルタ初日の12月6日、空港で中国広州から到着した2人と合流し、市内へ向かう。

宿に到着して屋台でご飯を食べるが、100円程度。うーん、最近東アジア圏も物価が上がって来てどこも似たような値段感覚だったけど、インドネシアはまだ激安だった。しかし、何を食べても超辛いのが問題!

ジャカルタ市内の歩道。歩くだけでスリリングで楽しい

とりあえず、街の感じがいい。工事中のところもそのままなので、突如歩道に平気で巨大な穴が空いてたり、危険な巨大な金属片が散乱してたりしてる。日本などでは「歩きスマホはやめましょう」みたいなことをよく宣伝してるが、こっちではっそんな必要なし。携帯なんか見ながら歩いてたら100%大ケガするし、普通にバイクで乗って来たやつにかっぱらわれて一瞬で無くなるという。いや〜、この緊張感がある街っていいねー

グローバルスタンダードなワーキングスタイル

それにこのみんなの働きぶりがいい。みんなよく海外に行くと、「どこどこの国はゆるく働いてていいね〜」みたいに思うけど、実は日本が異常なだけで他の国はけっこう油断しながら働いてることをお忘れなく。用もないのに働いてるふりをしないといけない謎の文化など日本だけなのだ。

南ジャカルタで異彩を放つ、とんでもない奴らの謎の要塞

出ました〜! ここが今回のNO LIMIT JAKARTAの開催地となる恐怖のビル。一階はROSSIというライブハウスで、去年のNO LIMIT SEOULや2月の高円寺一揆などにも参加したジャカルタのバンド「夜のコウモリ」が運営している。そして上の階にはMONDOというカフェバー、他の階には事務所やスタジオなどいろいろあって最強のビルだ。

早めに到着した人々と作戦会議。MONDOのテラスにて

とりあえずMONDOカフェでボスのシュンさんと飲みながら軽く相談。最近のジャカルタはイスラム教が強くなって来ており、いろいろ大変なことも多いとのこと。2年前からはコンビニで酒を売ることも禁止になったし、ラマダンの時期には白装束のバット持った謎の軍団が酒とか売ってる店に襲撃してくるとのこと。う〜ん、それは厳しい。もし高円寺がジャカルタにあったら、一晩にして焼け野原になるに違いない…。

ジャカルタに到着〜!!!

インドネシアのジャカルタにやって来ました〜! また新たなアジア大バカの新作戦が勃発目前! 皆さん、今からでもジャカルタに駆けつけるしかない!

とりあえず空港に到着。今回の壮大な計画のためにアジア各地からまたもマヌケたちが集結する予定。ちょうど数時間後に中国の友達がクアラルンプールからこちらへ向かうという情報が入ったので、空港で待つ事にした。

さ〜、じゃとりあえず一寝入りしよう、と、空港のベンチで寝ようとしたら大量の蚊が襲って来て寝られない!! チキショー、金鳥の蚊取線香焚くぞコノヤロー!

頭に来たのでコンビニに急行。金鳥の渦巻なし。アースもフマキラーもなし。コンチキショー、さてはお前ら蚊とグルだな〜

いいよ、いいよ、そっちが寝かさねえってんならこっちだって考えがあらあ。ざまあみろってんだ蚊の野郎ども。あとで泣き言言ったって構ってやんねえからな。

と、ビールでも飲みながら中国人を待とうとしたら売ってない。死ぬほど飲み物あるのに、一本もない。…今度はその手か? うぬー、ずいぶん用意周到じゃねーか。チキショー、なんかそれっぽいの探してやる。いくらなんでもなんかあるはずだ。

あった〜〜! インドネシアビールのBINTANG。蚊はおとなしく家にでも帰って寝てやがれ。

ギャー! 恐ろしくまずい! しかもよく見たらアルコール0%!

ということで、インドネシア作戦始まりまーす!