北京作戦① 青島編

さて、ことの発端はこちら。我が国のバカな首相のせいで日中間の大パニックが発生。しかも、別に中国と事を構える覚悟を決めての発言ではなくて、どうやらウッカリ口を滑らせてのことらしい。これで中国との大揉めが発生。バカじゃねーの?

で、迷惑を被るのがその辺をウロついている我々一般の民。もちろん中国内の一般の民も。そもそも日本と中国は、商売はもちろんのこと文化やら芸術やらですでにたくさん繋がってるし、各所で友達やら飲み友達やらが死ぬほどいて、民間ではもはや切っても切れない関係になってる。もちろん日中間だけじゃなく、韓国やら香港・台湾やらもそうだし、そもそも隣国ってそういうもんだ。国家だか政府だか知らないけど勝手に揉め始められても、そんなの知ったこっちゃねえし、迷惑以外の何者でもない。
というわけで、お互い不幸な政府を持ったもの同士仲良くしとこうってことで、とりあえず中国に行って中国人たちと飲みまくろうという作戦。飲めばわかる! さあ飲むぞ〜

で、早速単身中国へ向かう。まずは青島へ。
なぜ青島かっていうと、実はこの飛行機のチケット、ずいぶん前に取ったもの。その時は特に目的もなく、「たまには、しばらく行ってないところにでも行くか〜、青島でも行ってゆっくりビールでも飲んで帰ってくるか」ぐらいの適当さで買ったチケット。
ところが、出発目前になりあれよあれよと日中関係が緊張状態になってきて、中国政府が「日本への渡航自粛」なんて言い出す始末。さらには日本人アーティストなどの公演も軒並みキャンセルになり始める。おいおい、政府同士の喧嘩はそっちでやってくれよ。民間人を巻き込むのはやめてくれ〜。すぐ住民を巻き込もうとするから国って存在嫌いなんだよな〜。都道府県とか市町村程度のライトな縛りの存在になってほしいね、国。

ま、ともかくこうなった以上、我々酒飲みにできることはなにか? そう、中国に渡って飲むことしかない。国を超えた飲み会の回数が多ければ多いほど戦争からは遠のくはずだ! 間違いない〜!!
北京を目指したいが、ひとまずチケットは青島往復なので、とりあえず青島行ってから、北京のことは考えよう。

で、青島に到着して適当に宿を取ると、これが個室でやたら豪勢。一泊1700円だったんだけど、広い! キッチンもでかいし400Lクラスの大型冷蔵庫や洗濯機まであるし、100インチ以上のスクリーンとプロジェクターまであった。なんだこりゃ〜。えっ、一日1700円ってことは月で51000円? しかも水道光熱費も掃除も寝具交換もセット。安い! リモートワークの人、ここに住んだ方がいいよ。ビール安くてうまいし。いや〜、青島で夢のホテル暮らしもいいなー

で、笑ったのがこれ。ソファ前のローテーブルが超巨大なヴィトンのスーツケース。もちろんニセモノ。この堂々とインチキ全開で攻めてくる、中国のこの感じ好きなんだよな〜。しかも、もしこれが本物だったとしても下品なオーラ全開になるし、金持ちこんなことしねえし、喜ばねえだろ! いや〜、ルイヴィトン=富裕層みたいな貧乏人の発想、自分が育った江東区の貧民街に通じるところがあってなんか嬉しいな〜。江東区の近所のジジイとかもよく言ってたなー、「俺はアレだよ、ビトンだよ、ビトン。アレしか買わねえから」

ま、それはさておき、街に出る。
いや青島狂ってる。地下鉄の駅出たら目の前に巨大な円形生ビールサーバーの無人販売所。いくら青島ビールの街って言ったって景気良すぎるじゃねーか。愛媛のポンジュースが出る蛇口と全く同じ発想!
種類も豊富で、普通の生ビールの他はクラフトビールから、フルーツ系ビールカクテルまで色々あって、しかもそれが売れ行きによってなのか知らないけど、東京証券取引所みたいにビール価格が常に変動してる。完全にふざけてる!!

青島のローカルホットスポット=台東夜市。青島出身の友達に「観光地とか行きたくないから、地元の人たちがよく行く薄汚くて盛り上がってるところ教えて」って聞いたら何人かから即答で「台東夜市行け!」と言われたので行ってきた。メイン通りにはきれいな屋台がずらっと大量に並んでて壮観だったけど、実は面白いのは裏通り。裏路地とかでもドサクサに紛れて商売しまくってる屋台が大量にあって、このあたりがいい。生ビールの屋台もたくさんあった。

青島のビールに対する執念はただ事ではなく、繁華街でもなんでもないその辺のどうでもいい路地なんかにも例のビールサーバー無人販売所が24時間稼働してる。すげ〜、風呂上がりに工場直送の生ビールが自宅で飲めるのか!!

青島には友達は誰ひとりいないので、まだ見ぬ仲間を探す大バカ開拓を開始。この知人ゼロの状態からの新規開拓、これまでもよくやってきてるんだけど、難易度高いんだけど、これがまた面白い。

定番の作戦を紹介すると、まずはいろんな知り合いに青島で面白いところ知ってるかと聞きまくって情報を集めて、それを手掛かりに行ってみる。当然当たりハズレがあるし、なんか反りが合わないことだって多々ある。あとは店の前に貼ってあるポスターやステッカーを見て、知ってるバンドのライブ告知や聞いたことあるイベントのポスター、他の街の知ってる店のステッカーなんかがあったら、「ここは手掛かりがあるかも!」みたいな感じで入ってみる。また、一回行ってイマイチだったとしても何回か通えばなにかあるかもしれないオーラを感じたら試しにまた来てみたり、ともかく勘で勝負していくしかないんだけど、これ慣れてくるとだんだん勘が鋭くなってくるので、みなさんも臆せずに果敢に攻めてみてほしい。
いや〜、なんかこの下積みっぽい感じなんか好きなんだよね〜。知り合いの多い街なんかに行くと「あっ、松本さん! 案内しますよ」なんてあそこもここもって連れて行ってくれたりして、それはそれでありがたいんだけど、ゼロの状態からなんとかウロウロして「何オマエ、誰?」ぐらいの足蹴にされる感じから探っていくのがなんかワクワクするんだよね…。

そして、一ヶ所でも仲良くなったところがあればもう勝手に広がっていく。手がかりさえ掴めれば、あとは店主でも他の客でも、そこの人と話してたら「あそこも行ったら面白いよ!」なんて勧められたりするので、そこに片っ端から行ってみればいい。
ちなみに期間は1都市1週間が必要。1週間あればなんか手掛かりや次に繋がる人脈ができてきて、次回にまた来たときの1週間でもっととんでもないやついないかと深掘りしていく感じ。「オマエまた来たのか〜!」なんて言われるようになって徐々に仲が良くなっていくもんだ。そう、いくらバカ同士の交流とはいえ、一朝一夕では事は成らない。
あ、もちろん現地に友達がいたりする場合はすごく早い。「面白いところ連れてって〜」と頼んでいろいろ案内してもらえば、その繋がりがどんどん広がってあとは勝手に一人でも遊び歩けるようになってくる。

そんなわけでゼロからの青島。ということでまずは東京に住む青島人が紹介してくれたのが上の写真の店「強麦ビール」。その青島人からは「いい店だよ。ビールうまいし、店主さんも面白い人だ!」という情報のみで、何がどう面白いのかは不明。

ま、飲めばなんとかなる。
ということで、店主氏(上の写真)から青島情報などを教えてもらったりして有意義に作戦スタート。いや〜、完全に上京したての大学生がとりあえず街に根を張るために必死でいろんな店に入って話しかける気分。懐かしい!!

この強麦ビールもそうだったんだけど、すごくフレンドリー。日本から来たよって言っても「おー、日本から来たんだ」って感じでなんかみんなすごく歓迎モード。あれ、そんな感じなんだ。ま、最近の中国の若い人たちとかはみんな国家と人民は別物ってことを熟知してる人が多いので、そりゃそうか。

さて、青島マヌケ攻略を開始した矢先、重大ニュースが舞い込んできた。青島にはDMCという重要スポットがある。ホームセンターみたいな名前だけど、それはDCMで、青島はライブハウスのDMC。そこでのイベントに異変が起きたと青島が大騒ぎに。ちょうど週末に結構でかいライブの企画があって、日本からはギターウルフとSAの2組が出る予定だったみたいだけど、まんまと出演中止になってしまい、青島人たちもガッカリしてしょんぼりしてるという。うおー、こんなところにも影響出るのか〜。国同士のケンカはそっちだけでやってくれよ〜

出演中止で、替わりに中国の大御所の代打が決まったんだけど、そのお知らせに「不可抗力のため」と強調してるところが哀愁。どうにもできない強い力によってダメになったってことか〜

さて、いずれにせよ青島マヌケスポット攻略、まずは取っ掛かりから始まりつつあった感じなんだけど、今回は急遽目的が北京になってしまったので、ひとまずここまで。今回は新規にバカスペースを見つけるというより、この状況下で首都北京のマヌケたちがどんな様子でどんな感じなのかを肌身で感じることが重要だ! よっしゃ、早速、行こう。北京!!