中四国巡業⑤ 岡山、老人決死隊の登場

12月4日、高松「なタ書」の混乱を終え、また瀬戸内海を渡り岡山へ。

で、岡山駅近くの駐車場に適当に車を停めて、歩き出したところ、近くのビルから何かピンとくるものを感じ、行ってみると案の定謎の市場に迷い込む。巨大な建物の一階が碁盤の目のようになってて、市場になってる。うや〜、いい場所だ!
そういえば、広島の基町アパートの一階も同様に碁盤の目状の市場(というか商店街)みたいになってた。大阪・鶴橋駅前の市場もそうだし、東京上野の高架下も似た感じだけど、こういう市場のごちゃごちゃした感じってすごくワクワクするんだよね〜。下北沢の古い市場は再開発で壊されちゃったのが残念だし、高円寺も北口の旧市場エリアあるけど、最近あまり市場感無くなってきてる。
何がいいって、この店舗サイズ感。3坪とか5坪ぐらいの小さい店舗がギュッとひしめき合ってて、それぞれの店主が競い合いつつみんな顔見知りな活気が、客としても心地がいい。それに整然とした空間より「なんかあるんじゃねえか」感が滲み出てるのもいい。

で、よくよく見たらこれ“岡ビル”という一つの建物(上の写真は岡ビルのウェブサイトより)。でた〜、一階が市場で上が住居という定番コース。下が市場で賑わってて、上の階には市場の人や関連業者の人なんかが住んでてさらに賑わうあの感じ。最近このパターンの建物だいぶ減ってるけど、まだあったのか〜

コッソリ上の階に行ってみると、案の定、住居スペース。こんな棟が何列か並んでる。そして写真右下のトタン屋根は市場の屋根。否が応でも住民同士が顔を合わさざるを得ない構造。これ、昔は相当賑わってたに違いない!!! っていうか、自分が育った江東区の団地もこんな感じだったな〜。毎日のように見知らぬジジイとかババアにぶん殴られたり、時々仕返ししたりして、楽しかった〜
この岡ビルのサイトには過去の沿革も紹介されてたけど、やはり楽しそうだ〜

改めて思うけど、経済が頭打ちになって、さらに人とのコミュニケーションが希薄になりすぎて謎のストレス社会になってヤバいことになってる今の日本社会にこそ、こういう職住一体型の場所って大事なんだよね〜。最近も職住一体型とかなんとか言い出してるの聞くけど、オフィス棟とタワマンが一体型になったようなストレス社会の権化みたいなのばっかりで、バカじゃねーかといつも思う。そうじゃねえんだよ、そうじゃ。テメエの職住一体させてどうすんだよ、みんなの職住を一体するのが大事なんじゃねえか、べらんめえ、ちきしょう、このやろう。

で、なんと! ここの一階に貼り出されている掲示を見ると、なんとここも再開発計画で、近々取り壊されるようなことが書いてある! バカー、なんてことするんだ〜! 事情は知らないが、こういう場所の復活から、これからの未来につながることは明らか。もしこれを変なありがちなきれいな商業施設にしちゃうんだったら、日本社会の発展はまた遅れることになってしまう。いや〜、残して欲しいな〜、岡ビル。
他の場所でも、よく老朽化とかの理由でやむなく壊すみたいなことよくあるけど、それだったら全く同じ設計で新築の同じもの建てて欲しい。

あれ、だいぶ話がずれた。『世界マヌケ反乱の手引書』(文庫版)の巡業で岡山に来たんだった。岡ビルが良すぎて忘れてた!

今回は、“名前は人斬り見た目は囮”でおなじみの川上幸之介氏がひと肌脱いでくれて企画してくれた(川上氏の人となりについてはこちらを参照)。ありがたい〜
今回は、同じく今年に新著『だめ連の資本主義よりたのしく生きる』を出版した、だめ連の神長恒一氏もわざわざ東京から合流してトーク! そして、『くらしのアナキズム』などの著書がある松村圭一郎氏が豪華すぎる司会を務めてくれるとのこと。これは大変だ〜

これは一大事だと、愛媛中島でもらった大量のみかんを来場者にプレゼント。どうだ、まいったか!
今日は囮モードの川上さんは写真中央で、右が松村さん。

とんでもないトークスタート。トーク内容は例によってほとんど放送禁止なので書けない。放送禁止級の内容じゃなかったとしても、ネット上で説明しても伝わらないか勝手にわかったつもりになってしまうかで、あまり報われないことが多いのが難しいところ。ライブとか演劇内容を記事で読んでもわけわからないのと同じ。なのでイベント内容は割愛(笑)。かいつまんで言えば、どうやって勝手に生きていくのがいいかって話。

会場は、6月にもイベントをやらせてもらった倉敷のKAGというスペース。ここの一階は市場ではなくカフェバー。ハンバーガーがおいしい。

倉敷での打ち上げは例によって近所の中華料理屋にて。写真右が暮らしのアナーキスト松村さん。“アナキズム”という言葉が好きではないので、『くらしのアナキズム』も恐る恐る読んでみたら、すごく面白かった。左派業界に蔓延する、清貧を愛するような風潮ってすごく苦手なんだけど、本の中では、訳のわからない謎の親玉とか商売しまくりの活気とかたくさん紹介されててメチャクチャよかった。

で、打ち上げも宴もたけなわになってきた頃、まさかの伏兵が出現。そう、上の写真の左端で見切れている男。顔を合わせるやいなや「おい、マガジン9の老人決死隊読んだよ! 俺も同い年だよ!! そうだよ、もう勝手にやるしかねえよ!」と、いきなりものすごいテンションで言ってくる。まさかこんなところに老人決死隊の伏兵がいるとは!! そう、これは“人生100年時代”に対抗して、“50以上は老人、70以上は超人と定義し、50超えたら真面目に生きるべきではない”とする新説。この新説、若者にも老人にもイマイチ反応は薄く、40代後半〜50過ぎぐらいの世代のみにものすごく刺さっており、各地をウロついていると、たまにものすごいテンションの新老人に出くわす。よ〜し、団塊世代が最後の戦いをせずに耄碌して行っているのを見てきた我々の世代としては、こっちはそうは問屋が卸さねえぞ〜
ということで、「いうこと聞かないクソ老人になろう」と誓い合い、固く握手。
そんな感じで、岡山作戦終了〜