京大吉田寮にて香港支援イベント!!!

京都大学の吉田寮にて、雨傘運動の時のドキュメンタリー映画の上映会と、今回の逃亡犯条例についてのイベントをやるとのことで、いままた京都に! 雨傘運動を振り返りつつ、相違点や進化したところなども話し合おうってことで、なかなか有意義な企画。

そもそも、この京大吉田寮自体がいま自治の危機にも直面していることもあり、ここでやる香港イベントは重要。方や国家や社会の自治や独立に関することで、方や大学内の学生寮の自治と独立。一見別問題のような気がするけど、実は根底では同様の問題。

今日(7/14)も第二日目があるので、ヒマがある人は是非〜

立て看板による宣伝はいいね〜
100年不変の安定感!
今回は連休で交通費がべらぼうに高かったので、車で京都に。ボロすぎる素人の乱号(ドラえもんカラー)も吉田寮に来たら新車に見える!
京大にも香港連帯の立て看板
イベント後は近くの村屋へ。ここは以前から京都飲んだくれ界にその名を轟かせてる名店だが、2ヶ月前に現在地に引っ越し。引っ越しても同じだった!

香港作戦・外伝 〜インターネット上に重要情報はなにもないので、各地を回る

かつてインターネットが登場した時、世界中の情報にアクセスできるようになり、その後SNSが登場してからは、世界中の個人と繋がれるようになり、無数の情報が入ってきた。「これはすごい!」「ネットを見ればなんでも知ることができる!」と、思っていたのも束の間、いま世界ではネット上から重要情報が続々と消えつつある。

例えば、政治的に規制の多い中国やロシア、中東などでは、ちょっと反体制的なものは規制されるので、その手の情報はない。社会を皮肉ったアートや音楽も消えていく。では、日本はじめ規制の少ない国では自由かといえばそうでもなく、逆に細かいどうでもいいような問題で「それはよくない」などと言われるようになり、みんなが自主規制するようになっている。そう、政府や社会の監視の目が厳しくなって以来、反骨精神あるもの、ぶっ飛んだもの、めちゃくちゃなものなどが、ここ数年で続々と消えていっている。それを嘆いたり、対抗してネット社会に切り込んだりしてもしょうがない。今やネットっていうのはそういうものなのだ。そういうものとして適当に付き合っていけばいい。印象深いのは数年前に中国に行った時、現地のインディーズカルチャーにバリバリに通じてる人が「ネットにあるものって、その時点でつまらないものってことだからね〜」と、さらっと言ってたこと。なるほど、確かに謎の管理者から許されたものってことだし、そりゃ面白いものは激減してるだろう。でも、実際には世の中から面白いもの自体が消えていっているわけではなく、オフラインの世界に大量に移行しているだけだ。うーん、今から思うとインターネット万能の世界観って、一瞬だったな〜

と、言うわけで、香港滞在中はデモにも参加しつつ、各地を走り回った! そう、なにせ面白いものは現場にしかないからだ。当然、このブログでもほとんどは紹介はできないが、片鱗だけすこし紹介してみよう。

うっかり「Tシャツ刷りたい!」と言ってしまったばかりに100枚ぐらいする羽目になったイカル氏

まずは、普段いろんな手作りの小物などを作って売っているKIMIちゃんのところに遊びに行く。デモで配るTシャツをシルクスクリーンで刷るというので手伝いに。知り合いのレコード屋やお店からデモへのサポートとしてバンドTシャツや無地のTシャツを大量にもらったとのことで、死ぬほど刷りまくる予定とのこと。「自由閪(自と由も門構え)」という文字をひたすら刷りまくる。これ何かというと、少し前に警察がデモ参加者に対して言った「豬閪」という罵声から来ている。「豬閪」は広東語の悪口で、ジューハイと読む。直訳するのは少し憚られるが、まあクソ野郎ぐらいに思っといてもらえれば。で、警官がそんな悪口を言ったことにみんな超頭にきたが、それをすかさず転換。「豬」と「自由」の発音が少し似てるってことで自由閪という言葉ができて、これがいきなり大流行し始めた。「クソ野郎じゃねー、俺らは自由野郎だ」みたいな反撃法だ。いいね〜

Tシャツもいろんなバージョンが各地で作られ、デモ会場でもとんでもない量がばら撒かれていた。

造語自由閪。警官の失言から1〜2日でTシャツが香港中に出回る機動力!
KIMIスタジオでも続々と刷られていく

ちょうどデモや大きな行動がない6月20日、せっかくアジア各地の人たちが集まってるからとのことで、情報交換や交流のイベントをやることに。本当のイベント名は「諸20東亞高峰會(東アジアサミット)」。諸は中国語でジューと読み、G20に似てる。ちょうど大阪でG20が開かれるので、それに対抗してつけた名前。実はもうちょっと真面目な告知文だったんだが、もう少しふざけた人にもきてほしいと思い、もう一枚勝手にチラシを作成したのが上のふざけたポスター。

各地からの参加者による諸20サミットの事前打ち合わせ

前日には「8樓(8階)」というスペースにて事前打ち合わせ。このスペースがまた香港の重要スポットで、香港の学生自治組織の学連(日本でいう全学連みたいなところ)の一部局が独立したところ。香港の左派運動の中では結構重要なポジション。惜しいことに立ち退きで出ないといけないことになっており、最後にギリギリ使わせてくれた。ここは10年ぐらい前から時々遊びに来てるところで、完全にかつての法政大学学生会館みたいなところ。惜しいな〜

さて、当日の諸20イベントは結果大成功で、たくさんの人が集まり、飲みながらかなり重要な議論を展開した。いやー、すごいよかった!

どんな人がどれぐらい来て何を話したかは割愛(すいません)。写真も割愛(ごめんなさい!)

さて、香港の今回の運動の中で最も重要なのが、中国の存在。もちろん中国政府からの圧迫を危惧しての運動な訳だけど、一番注意しないといけないことは盲目的な反中国運動にならないこと。こうなっては単なる国家主義のぶつかり合いになってしまい、本来の自分たちの生活や自由を守ることから離れてしまう。

ということで、隙を見つけて国境を超え、中国側に潜入!!! 中国広東省の省都広州へ。

毎度おなじみ、広州の上陽台のみんな。いつも通り集まって遊んでた

何をしに行ったかは割愛〜(すまん!)

5月のパンクロッカー労働組合アジアツアーでお世話になった小吉オフィスに遊びに行く
すると、彼のレーベルの仕事が全く間に合っておらず死にそうになってたので、みんなでカセットの封入を手伝う
山のようなカセットを続々とパッケージ

中国作戦が終わってからは、香港の田舎へ。そう、実は香港は大都市だけではない。田舎にて秘密作戦を敢行!!!

香港の離れ小島
なにもない

そして、香港を離れた後は、なんと韓国ソウルへ!

偶然にも、韓国で活躍するミュージシャン、佐藤行衛さんも

ソウルの人たちとも香港の話をするけど、韓国も日本と状況は全く同じで、保守派も革新派も自分に都合いいように解釈して「香港頑張れ!」と、応援しているという。うーん、全く同じだ! そこで香港であったことなどをみんなと共有。やはり、実際に行って、みんなと話してみないと何もわからないということで、この時一緒に飲んで話したサンヒョンが自分と入れ替わりで香港に向かった。

いや〜、今回の香港行きで思ったけど、今や情報はネットにないことばかり。本当に行ってためになった。しかも、それをみんな感づいているのか、アジア圏の奴らがやたらと行き来しているのもすごくいい。しかもそれがみんな飲み友達感覚でつながっているので、行きたいとなったら現地の友達に電話して「来週遊びに行くよ〜」って感じでふらっと行っている。おお、よくよく考えたらこれがインターネット! 各地のローカルなネットワークがあり、それを全て繋いでいくようなネットワーク、それがインターネットの語源だ。そうか、インターネットって別にIT用語でもなんでもなかったんだ! 自分たちの身の回りのコミュニティーのことでもあったんだ!!! …ま、語感がダサいからわざわざは使わないけど。

<おまけ>

しつこいようだけど告知。

7/7(日)香港報告会やりまーす!!!!

7/7(日)香港報告会やりまーす!!!!

Facebookイベントはこちら↓

https://www.facebook.com/events/199996670941969/

【香港逃亡犯条例デモ】哀愁の左派は混沌の香港を切り抜けられるのか!?

香港の逃亡犯条例のデモが連日話題になっている。香港では前代未聞の大規模抗議が行われ、香港政府はまだ完全撤回はしていないものの事実上の凍結を表明。運動はかなり優勢に進んでいるものの、政府も開き直った姿勢を見せ始めるなど、まだ予断を許さない状況。

今回は雨傘運動での反省点などを踏まえ、やり方をいろいろグレードアップして進めて来たのが功を奏し、政府を相当ビビらせることに成功した。そう、政府に対しての圧力が効くか効かないかは、政府がビビるかビビらないかがが分かれ目。その点では今回の香港はかなりの成功を収めているんじゃないだろうか。

さて、はたから見ていると、香港の民衆運動がすごい盛り上がりを見せ、すごいすごいと賞賛の嵐。日本でも誰でも応援している状態で、左派は「香港の反体制運動すごい!」と喜んでるし、右派は「やはり反中国の声は大きい!」と喜んでる。中道リベラルな人たちも「やはり民主主義を求める声は大きい!」と声援を送る。要するにみんなが「香港には希望がある!」と、勝手に自分の解釈で希望を見出している。それもそのはず、報道を見るだけではものすごいデモ隊が政府を圧迫している事しかわからない。でもまあ、強権政治に対して民衆が声を上げて押しまくっていることはいいことなので、みんなが喜ぶのも無理はない。

自分自身、そこまで事情に詳しくないまま香港入りして、「いや〜、すごいことになってるね〜!」と連日デモを繰り広げている香港各地の友達を訪ねてみると、意外と拍子抜けで「うん、まあまあだね」「いい線いってるけど、いい事ばかりでもない」みたいな返事が返って来る。元気な顔してる人ばかりではなく、そんなにテンション上がってない。あれ、そんな感じなんだ。

日本国内で、左派、右派、リベラルなどが勝手な解釈してるように、香港現地でもいろんな勢力が入り乱れて一緒にデモをやっているだけにかなりのカオス状態。誰もが「よっしゃ〜、自分たちの意見は間違ってなかった。ついに政府を追い詰めてる!」と喜ぶ一方で「ありゃ、どうも自分らとは違う意見で盛り上がってるな〜」との不満も。

では、その中の感じを少し紹介してみよう。香港には民主派、本土派、左派などの潮流があり、それらが今回のデモに参加している。まず民主派は、野党の最大勢力で、今回のデモの中でも一番勢力が大きい。雨傘運動の時もそうだったし、香港の民主化運動は基本的にはこのあたりの人たちがリードしている。独裁や強権政治に反対して民主主義を守ろうと訴える主張だ。

そして本土派。これは結構ヤバい。本土とは「地元」みたいな意味で、香港は中国内地や中国政府とは関係なく、香港は香港だという主張。とりあえず中国を毛嫌いしてて、政府も民衆もひっくるめて中国を排除する、香港ナショナリズムみたいな感じになりがち。やたら過激路線を取りたがるのも特徴。ヨーロッパで極右が増えたり、アメリカのトランプみたいなのが安直な排外主義を主張したりするのと似てる傾向。

そこで若干影が薄いのが左派。民主主義を守るのは大事だけど、その先にもっと重要なものがあるだろ、金持ちが牛耳って貧乏人から金を巻き上げてる現状とか、諸々の問題を解決しないと世の中良くならないだろ、って感じの主張。中国の強権政治への反発と同距離で金持ち&金もうけ中心社会へも反発する。香港は日本以上に弱肉強食社会全開のところなので、若者の貧困問題なんかも大変で、そういう時には彼らの主張は響くものの、今回のように「香港の自治を守れ」ということがメインになりがちの運動の時はどうも言葉が響きにくい。ちなみに、個人的な話だけど、自分の香港の友達たちは音楽をやってたりアートスペースや店をやってるような人たちが多いこともあって、この界隈が多い。彼らは国外の友達もたくさんいたり、生活と直結したところから世の中を見ているので、排外主義は嫌うし、民主主義というシステムのみに頼ることもしない。この感覚、日本でもわかるな〜

さて、主に3つを挙げたけど、もっと細かく言うと、同じ民主化にしても中国内地も含めた中国全体を民主化すべしという勢力や、中国内地は知ったこっちゃないけど高度な自治を守り香港だけは民主的な社会を維持したいという勢力、あるいは香港独立してシンガポールのような都市国家を目指す人々などなど、いろいろある。こんな人たちが混在したまま同じ目的に向かってデモを作り上げている。

それと、今回のデモには参加しない人たちとしては、「香港は中国の一部分なので北京政府に従うべし」という主張の建制派と呼ばれる人々がいて、それが現政府の与党。北京政府と関係が良かったり、中国に足をどっぷり踏み入れて商売をしてる人なんかはこの勢力なことが多い。ジャッキーチェンなんかはその典型で、最近は中国政府の点数稼ぎみたいなことばかり言っている。80年代文化を通ってる人なんかは、香港=ジャッキーチェンなどと思って、初対面の香港人に「香港!? ジャッキーチェンでしょ!」とか言うと、100%嫌な顔されるので気をつけてもらいたい(笑)。

さて、そんなところで、香港現地でも各派のせめぎ合いは大きい。本土派はイケイケの過激路線の人が多いので、「民主派はやる気ねえ!」と不満があるし、民主派は民主派で本土派のような右派路線を封じようとしてる。現に香港にいた時、数万人のデモ隊が警察本部を包囲している時、突如本土派の人たちが最前線に現れて、警察本部への攻撃を訴える大演説をして群衆に突入呼びかけたものの、ブーイングを浴びて断念して帰っていくという事も目の当たりにした。うーん、いろいろとギリギリのところでやってるんだな〜。しかも、今回の巨大運動では、デモ初参加の人が膨大にいて、しかも10代から20歳前後がめちゃくちゃ多い。その彼らがどういう考えで参加していて、これからどう言う考えを持つのかは完全に未知数だ。

とりあえず今回はリーダーがなく、多数のグループが独自判断で行動を決めていくという運動の作り方なので、いろんな方針が各所から呼びかけられ、それをみんなが選んで大まかに行動が決まっていく。これはすごい画期的で、新しい行動力を生み出している一方で、急転直下なにがどうなるかわからない危うさも含んでいる。

そして、ここまででかい運動になってくると、従来の潮流とはまた別に新たなグループなんかも続出。その流れで、先日の立法会(日本の国会に相当)占拠の行動なんかも出てきたりもする。で、いろんな新しい事態がどんどん出てくるんだけど、その辺はネットで書きまくるのは良くないので、直接話したほうがいいような気がしてきた!!

ということで、これ以上の話は、7月7日(日)の高円寺報告会にて!!!!!

イベントの詳細はこちら!

7/7(日)香港報告会やりまーす!!!!

Facebookイベントはこちら↓

https://www.facebook.com/events/199996670941969/

7/7(日)香港報告会やりまーす!!!!

香港の逃亡犯条例の超巨大デモの報告会を開催〜!!!!!

久々にものすごいためになるイベントやります! 本1冊分ぐらいはある濃い内容なのでこれは超重要イベント!!

今回は、日本からも数名が現地に行って実際に香港の友人たちに合流して運動に参加して来ただけではなく、台湾や韓国の地下文化圏のやつらも一緒に香港入り。いろんな人たちとたくさん話をして聞いて来たりもしました! 国内外の報道を見たり、ちょっと現地に行ってくるぐらいじゃ到底わからないこともたくさん判明!

香港の有象無象から国会議員までいろんなやつらから話を聞いたり、現地に参加しに来ていた台湾人たち、あるいは国境を超えて中国本土入りして中国人の意見を聞いたり、帰りにソウルによって韓国での反応を聞いたり、いろいろと内容を深めまくって来ました。

実際には報道されている以外にもいろんな現象が起こっており、ものすごい勉強になりました〜

しかも、公開できない写真や公開できない情報ばかりなので、ネットでは書けない! ということで直接情報共有する機会を設けることにしました! ということで、当日はイベントのライブ中継などもしないので、是非来れる方は直接足を運んでみてください〜

香港での報告を踏まえて、これからの日本社会で我々はどうしたらいいのかの作戦も練れればと思います〜

第1部 「激闘! 戦端開かれる!」

6月12日の警察によるデモ隊総攻撃の最前線で取材を敢行した小玉さんによる戦場報告

警察による催涙弾やゴム弾への防戦法や、急遽街頭にバリケードを築く戦術などなど、ためになる技術紹介も!

第2部「200万人巨大デモと遊撃戦デモの新形態!」

6月16日の200万人デモからの一連のデモに参加し、日本でも未だかつてやったことのない新形式のデモ運営方法を紹介

雨傘運動の反省点を踏まえグレードアップした戦術! リーダーがいない運動はどうやって現場で動いたか!?

第3部「どうなる!? 哀愁の左翼」

本土派、民主派、左派などなど、いろいろな考えの人たちが混在しているのが今回の香港のデモの傾向。高円寺界隈との繋がりも深いミュージシャンやアーティスト、スペース運営者たちなどは、どちらかというと左派寄りの人たちが多いので、この立場からも考えなければならない問題は山積。今の香港は近未来の日本社会の構造でもありうるので、今のうちからみんなで討論しておいたらためになりそう!

第4部「続報! 最新情報と交流会」

7月1日の超巨大デモにも日本から数名が参加しており、実際に立法会(国会に相当)占拠の現場にも参加した小玉、江上両名からの報告もあり。その他最新情報も報告!

そして最重要なのが交流会。今回は行動した香港の友人たちも来ているので、直接みんなで話しましょう〜

※当日は基本的に日本語での進行になります。香港からの参加の両名には随時補足や質問などで参加してもらいます(その際は日本語ー広東語の通訳あり)。

出演:

小玉ヒロノリ(カメラマン)

江上賢一郎(地下文化研究家)

黒星イカル

松本哉(素人の乱5号店店主)

黃荻(香港)

香子俊(香港)

ほか

司会・進行:

池田佳穂(キュレーター)

7月7日(日)

高円寺PUNDIT(杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2階)

20:00スタート

入場無料(1drink注文お願いします)

Facebookイベントはこちら↓

https://www.facebook.com/events/199996670941969/

【香港逃亡犯条例】リーダーなく、誰と交渉したらいいかわからない運動

香港関連のニュースを見ていたら、ふと見たことある名前が…。あっ!! 「區諾軒」!

こいつは高円寺にもちょくちょく遊びにくるやつで、飲みまくると超ご機嫌に呑んだくれる最高にマヌケなやつで、大アホすぎて面白いやつだ。ずいぶん前から飲みには現れていたんだけど、気付いたら区議会議員になり、いまやいつのまにか立法会(日本の国会に相当)の議員に。呑んだくれてるときと政治家の時のギャップが面白すぎるので、マヌケゲストハウスにはいつも彼の選挙ポスターが貼ってある。ちなみに區さん、以前は「左翼21」という身も蓋もない名前の政党だったけど、今は民主党に所属。まさかこんな所でこの名を見るとは! ま、これは余談。

さて、その産経新聞の記事が良かったので少し紹介してみたい(記事は下に貼ってます)。今回のデモはリーダーがいないのが良かったということ。區諾軒先生(笑)が言うには、これまでのデモとの違いはリーダーが存在しないこと、そして、そのため政府も誰と交渉していいのかわからなかったという。そう、これはものすごい重要なことで、無数の民衆の力を政府に感じさせるにはこれしかない。完全に指揮系統が出来てしまったらそれは権力者からしたらそんな楽なことはない。うまいこと懐柔して無力化されてしまったり、大弾圧で指導部を潰されたりする。そしてその過程でも全部の重圧がその中心の人々に押しかかり疲弊する。デモは軍隊ではないので、強力なリーダーや指導部が出来たら、逆にとても弱くなる。

もちろん、完全に中心がないわけではない。呼びかける主催者的なグループはあり、彼らが大まかな方針を立てて呼びかける。しかし、香港現地で動いてるいろんな人からも効いた話だけど、雨傘革命の時の反省として、全体で統一行動をしすぎてうまくいかなかったことが多いという経験を踏まえて、今回は各自の小さいグループが無数にあって、そのグループごとに独自に判断して動いているという。主催者を信用していない。ただ、信用しないと言ってももちろん敵対してたりバカにしてるわけじゃない。ちゃんと主催グループを尊重しつつも「人任せにしていたらダメだ」という意識がだいぶ広がっているという。おおー、これは強そう。この運動が始まる直前、香港に人たちはひたすら会議を重ねて、雨傘運動の失敗をどうやって克服するかをずっと議論していたとのこと。そしてそれが自然と出来てきたのがこの小グループ作戦。これはみんながちゃんと考えないといけないのでかなり高度な作戦なだけに、今回は香港の人たちが本当に真剣に取り組んでるっていう証拠だ。

さて、実際に現場でも機動力がすごい上がっていて、警官隊が鎮圧に攻めてきたら衝突は各所でしつつも、みんなあっという間に退散して、違う場所に登場したり、警察がいなくなったらまた戻ってきたりとゲリラ的に動きまくっているという。こうなったら、特定の人や場所などが中心となってしまって、そこを鎮圧されたら負けみたいなことは起こらない。これ、相当最強。こんなのだったら、政府としてもデモの中心の人を脅したり懐柔したりっていういつもの手が全く使えない。民衆の怒りが解ける手を考えるしか無くなる。

ただ、中心というのは徐々に出来がち。この戦術と状態をどこまで維持しつつ続けられるかっていうのはすごい興味ある!!! こんな作戦で動いてる過去の例なんてすごい稀なので、これは本当に新しい試み。人間、切羽詰まるとすごい知恵を生み出す。この追い詰められた状況の香港社会がいまとんでもないものを生み出しつつあるのかもしれない。

(以下、産経新聞より)

産経新聞は普段はリーダーや権力者に媚びたみっともない点数稼ぎ記事ばかり書いてるくせに、敵が中国となると急に生き生きし始める犬みたいな新聞だな〜、と一瞬思うもののこの視点の記事はとてもいい!(一応褒めてます)

明日、再度大規模デモが発生! 今から香港へ急行〜!

6/13夜、香港の逃亡犯条例に反対するデモに連帯する集会を高円寺駅前広場にて開催〜!!

ここ数年間、高円寺を訪れる香港のミュージシャン、アーティスト、お店をやってる人、社会運動家などは急増し、いまやアジア圏の地下文化やサブカルチャー、社会運動などの交流のメッカと化している高円寺。そんな彼らが香港で激闘している中、応援しないわけにはいかない。当日は、駅前広場に巨大スクリーンを設置して、ネットで香港現地と繋ぎ、現地のデモに参加している友人たちに話を聞いたり、高円寺から現地入りしている特派員の現地レポートなどを行った。さらに、日本にいる香港人もたくさん来てくれたので、いろいろ話を聞いたりとたくさんの情報が知れてためになった。しかもその中には「こんな悪法は絶対に反対です!」というだけではなく、「いや〜、警察嫌いだしとりあえずデモ行った」とか「デモやってもそんなに変わらないかもしれない」「金持ちの老人は家で反対してるけど、貧乏な若者が最前線に行って殴られたりしてて、かわいそうだから助けるために行った」などという、本音や生の声もたくさん聞けたのがすごいリアルでよかった!!!

でも、ある香港人が言っていた「香港ではこれが最後のデモになるかもしれない」という言葉は、本当に今の香港の社会状況の追い詰められてる様子を感じられた。

6/13 高円寺駅北口広場にて

もともと香港人の友達も相当たくさんいるので、このイベントの前後から香港のやつらからの情報はたくさん入ってきていたし、高円寺界隈にいる台湾人や香港人たちからも毎日のように「今こういう状態になった!」「今度はこんな感じらしい!」と、リアルタイムで新情報から裏情報まで飛び込んでくる。こうなってくるともう、テレビで見てるニュースという感じでは全くなく、まさに身の回りで発生している事態のような感じに! いや〜、こりゃ、人ごとじゃない!!!

10年ほど前は度々ヨーロッパを訪れ、その時に目の当たりにしたんだけど、デモやらイベントやらが起こると死ぬほど他国からのやつらが参加してくる。向こうはEUということもあり、国境があってないようなもの。どこかで何かが発生するとヨーロッパ中からいろんな仲間たちが続々と集結してくる。で、終わったら今度は蜘蛛の子を散らすように帰っていく。うーん、国内でその国の民衆とその国の政府とのせめぎ合いじゃない。悪いことをする政府や事件が発生したら近隣の各国から民衆たちが集まってきて、自分たちのこととして文句を言う。いやー、これいいね〜。その点アジア圏は各国の間に海も多いし言語も文字もバラバラ。ビザを取らないとどこの海外にも行けない国の人たちも多い。全然違うな〜、と思ったのが10年前。

そんな経験もあり、6~7年ほど前から国境を越える交流をしまくってきたわけだが、気付いてみたらアジア各国に死ぬほど知り合いがいてそれぞれの文化圏がものすごい行き来して交流をするようになっていた。10年前とは全く違う現象が起きている。3年前の2016年には無限の交流をしまくろうってことで、NO LIMIT 東京自治区というイベントを開催したところ、アジア圏を中心に約200人ものやつらが交通費も自腹で東京にやってきたぐらい。それから3年して、そのアジア交流圏はさらに超拡大し、大変なことになってきている。

よし!!!! 機は熟している!!!!!

いま香港で起きていることは当然香港人だけの問題ではない。これは人々が生活する上での文化の問題だ。この法律によって香港の自由が後退してしまっては、香港の文化の後退にも繋がりかねない。これは、ここ何年にもわたって培われたアジア圏文化交流にとっては一大事だ。香港、日本、台湾、韓国、ほか東南アジア各国、そしてもちろん中国本土も含めて民衆が作ってきている文化の問題。こりゃ、今こそみんなで香港に駆けつける時かもしれない! というタイミングで、香港のやつらからも「来るしかない!」と呼びかけられるし、これまた台湾の大バカな仲間などから「おい、香港行こう!」と声もかかる。ギャー、これはもう行くしかない!!! と、例によって勢いのみで香港行きを決意!

そうなって見渡してみると、周りでも何人も香港に行くというし、台湾とか韓国のいつもの大バカな交流圏のやつらが香港入りするという。みんな自分たちのこととして居ても立っても居られない様子。「デモなんかやっても意味がない」ということを言う人はたまにいるが、それを目の当たりにした人が「じゃ、自分も!」という気にさせるだけでもデモの影響というのは半端じゃない。

そしてもうひとつ。先日の巨大デモによって、香港政府は完全にビビりまくり、その法改正案を当面延期することを発表。これもデモの効果がメチャクチャあったってことだ。しかし、鉄は熱いうちに冷ますのが権力者。熱が冷めたときを見計らって復活する可能性が高い。こちらも「よかったよかった」などと早とちりして一瞬で冷めてしまうと、これまた一瞬で逆襲してくるので、ここはひとつグウの音も出ないぐらいまで畳み掛けて法案の撤回を表明させるのがとても大事。ちなみに香港からの情報によると、毎年7月1日の香港返還記念日に行われる大規模デモまで勢い継続するのがポイントではないかとのこと。なるほど〜、ってことはやはりこれからの1〜2週間が結構大事ってことだね〜

香港人以外もよそ者ではない! みんなで香港に乗り込もう!!

ちなみに現在羽田空港。いまから香港に行ってきまーす。

逃亡犯条例の恐怖! 香港自治を守れ

9日の100万人超参加の超巨大デモに引き続き、今日からは香港中心部の路上占拠が開始された。バリケードで主要道路を封鎖しての占拠。いま日本では失われている民衆の力を香港はまだ持っている。

写真『香港独立媒体網』より

かねてより問題になっている香港の犯罪者引き渡しに関する条例。この法案が成立すると、中国本土で「違法」とされれば「犯罪者」として中国に引き渡される可能性があり、香港の法や自治がより一層無力化すること必至。そうなってくると当然、中国の民主化運動の人たちなどが餌食になる可能性も濃厚。

なんでも短絡的に考えるアホな右翼からしたら「悪の権化中国から香港を守れ〜」とか言い出しそうな話だが、もちろんそう単純な話でもない。世の中見回せば中国政府のみならずアメリカ政府、日本政府はじめロクな政府がない。いま世界各地で大規模再開発やジェントリフィケーション(こぎれい化)が起きているし、日本でも秘密保護法や戦争法、憲法改正計画などなど「民は国の一部分になれ」とばかりに一般の民衆の力は削がれるばかり。この現象はいま世界中で起きていることだ。そんなときに最も大事なことは自治という概念。香港で言えば、香港のことは香港の人たちが決める。あるいは沖縄のことは沖縄の人たちが決める。高円寺のことは高円寺の人たちが決める。これが重要だ。これは国や都市もそうだし、町や家族、グループ、組織など何に関しても同じ。

ということで、いま香港では自分たちの社会と自治を守るためにみんな立ち上がっている。となれば、どの国でもどの地域でも我々民衆からしたら立場は同じ。これはなんとか応援していきたいね〜〜〜

写真『立場新聞』より

ちなみに香港民衆の勢いに押された香港政府は本日強行採決の予定をひとまず断念し議会での審議の延期を決めた模様。おお、すごい、勝った! などと迂闊に思うなかれ。これは権力者の常套手段で、民衆に勢いのあるときは強行突破は避けるもの。しばらく静観して運動内に矛盾や戦術の温度差などが生じてギクシャクしてきた瞬間をねらって反撃してくる。これはどこの国でも同じだ。当然香港の人たちもこのことはわかっているし、数年前の雨傘運動の時に同じことが起きた。ということで、香港のこの運動の人たちも頭のひねりどころだし、ここ数日ずっと作戦の立て方を討論してきたようだ。しかし、立てた戦術が思い通りにならないのも、それはそれで生きた運動の大事なところ。ちなみにすでに警官隊によるデモ隊鎮圧は始まっており、だいぶ混乱が生じてる模様。

ま、ともかくこれは香港の問題ではあるけれど、全世界に連動した重要な課題での運動。こっちも他人事として見てるわけにはいかないので、こりゃあこっちも一肌脱ぐか〜。ここからが勝負なので、可能な人はいろんな手段で香港の自治を応援するしかない!!!! とりあえず何をすればわからない人も、まずは香港メディアやSNSなどで中継を見守りつつ各地でテンション上げていきましょう〜

北中通り商店街に激震! 斉藤会長、ついに引退!

高円寺北中通り商店街の長老の一人、斉藤会長(さいとう電気サービス)が10年間勤めた会長を引退!! 近いところでは、蕎麦屋→米屋→豆腐屋→電気屋ときて、後任は床屋さんの竹中会長〜

総会での正式引退後、ご機嫌に酒を振る舞う斉藤元会長

15年ほど前、完全にシャッター商店街と化していた高円寺北中通り商店街。当時は、戦後に店を始めた人たちが高齢で引退したり病で倒れたりするタイミングで、後継者がいない店の閉店が続いていた。当時は商店会の解散や、隣接商店街に吸収合併してもらうなどの案も出るほどの状態。借り手がいなくて廃屋化した旧店舗を廃墟マニアが写真に来るありさま! 失礼な! 北中通りはまだゴーストタウンじゃない〜!!

そこへ当時の副会長の斉藤さんや元会長の金沢元吉氏(藪蕎麦)らが、これはヤバイと若手をけしかけ始める。当時、若手の店舗は古着屋のモンさん、串焼きDizzさん、ショットバーのバーボンハウスさんの3店舗のみで、彼らがシャッター商店街起死回生の年2回開催のフリーマーケット企画を提案(これが後に北中夜市に形を変える)。残存する店舗の大半が高齢者の店となっていたのだが、突如イベントの日に若者たちを目の当たりにした長老たちがテンション上がりまくり、「よし! じゃあ若い奴らに安くで店を貸して活気付けよう!」ということになり、当時の会長のお米屋さんも完全に江戸っ子気質を全開に出して異常な太っ腹とやせ我慢で、「いくらでも構わねェ、俺は儲けなんざ要らねぇよ!」と、自分の持つ空き店舗を激安で放出(すごい!!)。 そこで古着屋モンさんの活躍でヒカルくんこと山下陽光に話が行き、その勢いでヒカルくんと共に素人の乱1号店として北中通りに出店。この辺りで斉藤さんの活躍も大変なことになっていて、いろんな商店主を説得してくれたり、店の面倒を見てくれたりとだいぶ世話になった。うちら以外にも後に見ず知らずの若い人が店を開きたいと相談に来るたびに藪&斉藤コンビで相談に乗ってあげたりと半端ない尽力。もう自分のことのように他人に頭下げてくれたりして店舗を仲介してくれ、若手の出店が相次いだ。う〜ん、ここまでする人なかなかいないね〜。しかも、ほかの商店主たちもみんなで寄ってたかって若手の店に行って「経営大丈夫か!?」とか、「お客さん紹介してやる」とか手伝ってあげてたりしてた。いや〜、北中通りスゲー!

そして、若手の店舗が増えてくると、若手にどんどん企画案を出させたり、多少無茶な企画でもどんどん若い奴らに任せたりしていた。組織なんかでよくありがちなのは、自分の権力をなかなか手放さずに、若手や新人には好き勝手やらせないとばかりに幅を利かせるジジイなんかだが、そういうのが中枢にいるとコミュニティは成長しない。しかし斉藤さんはじめ当時の商店会の中心の人たちの多くはまさにその真逆。しかも、すぐに酒持って若手の店に押しかけて「最近どうだ!」とか話をしに行ったし、何かイベントごとがあるとすぐに打ち上げと称して酒宴が開かれ、貧乏な若者たちがタダ酒やタダ飯目当てに群がるという光景が度々繰り広げられた。もちろん、団塊世代特有の勢いで若者たちに無理難題をふっかけたり、異常な女好きの藪さんが年甲斐もなく女の子に言い寄ったりしてみんなが逃げ散ったり、面倒なことも多々あるが、それを差し引いたとしてもやはり彼らの功績は大きい。ほかの商店街では、若手は会合などにはあまり参加せず、長老たちの寄り合いになっているような組織が多いが、北中通り商店街は総会などでは参加者の半数以上は若手の店という場合が多く、これが斉藤会長時代の功績のひとつだ。若手の店も斉藤さんに昔世話になって感謝してる人はかなり多い。

そういえば、随分前、京都の帆布の会社で社長が亡くなってお家騒動化したとき、ずっとサラリーマンやってた長男が突如現れて社長に就任し、長く職人としてやって人望も厚い弟を追い出したことがあった。どちらが正しいかとかは置いといたとして、結局は従業員や職人たちの大半は面倒を見てくれて行動を共にしてきた弟の方に流れていった。行動を共にしてきたり、親身になって動いてくれたりしてくれる人への信頼だろう。商店街も同じで、各店主は全員が一国一城の主で、ある種の職人でもある。そんな奴らの集まりだから、これは一筋縄ではいかない。会社組織的な年功序列やら実力主義、トップダウンのようなサラリーマン的なものは商店街では通用しない。どれだけ対等に接していけるか、深入りしすぎずに親身に接していけるか重要だろう。うわー、これは至難の技だ〜

ちなみに、次期会長の床屋さんは完全に職人タイプ。別に偉そうに物をいう人でもなく、距離感はかなり近い。おお、これは斉藤さんの後任としては完璧! これは将来の北中通りも安泰に違いない!!!!!!

パンクロッカー労働組合、アジアツアー始まる!

高円寺のとんでもないバンド、パンクロッカー労働組合が、ついにニューアルバムを出し、そのアジアツアーが今日から開始! 普通にライブ活動でも活躍する一方、最近では高円寺再開発反対デモや、くたばれ安倍政権高円寺デモなどでもライブを敢行するなどの活躍ぶり! そして、そのメンバーのかぶる天国畑も同時にライブ盤を出したということで、同時にツアーを回るという。彼らとは普段から縁があるのでとりあえず一肌脱ぐことに。

ということで、アジア圏はやたら友達も多いので、いまそのツアーをちょっと手伝ってる。自分自身は明日から台湾入りしてやつらと合流する予定なんだけど、ライブはすでに今日から始まる! スケジュールは以下の通り!

まず初日の今日は、台北PAR STOREにて!!!

続く5/3は、同じく台北のREVOLVERにて。ここでは香港の反骨の鬼=小生本燈と鉢合わせ!! 台湾パンクのバンドマンチーム「愁城」たちの協力で実現なので安心の企画!!

ライブだけで終わらないのが台北アンダーグラウンドの実力。なんと、せっかくだからと台北中心部でデモを開催! なんと経済発展反対を訴えるとんでもないけど実は確信を得てるデモ!!! 5/6夕方より。こちらは、バカな企画には必ず乗ってくる半路咖啡チームの協力で。うーん、ありがたいな〜

そして、台湾を後にして福建省は廈門(アモイ)へ渡り、ライブハウスREAL LIVEにてライブ決行! 中国では外国のバンドは特別な申請が必要で、ちゃんと中国政府の認可済み! パンクなんてケシカランこと言って中国政府に睨まれないように、この日限定で「青いバルコニー」というバンド名に変更してライブ開催。これはやばい!!!!!

ちなみに廈門のツテは、以前マヌケゲストハウスに泊まりにきていた廈門のパンク小僧の紹介!!! 他に知り合いはいないので、そいつに裏切られたら我々はおしまい!

そして廈門から南下して香港へ。5/10に、みんなが知ってる秘密のスペースにてライブ。香港の伝説のバンド=意色樓と!

ちなみに意色樓のボーカルも、少し前に香港の東北部の農村地帯の再開発に反対して逮捕されたので、高円寺再開発反対デモで捕まったパンクロッカー労働組合の村上氏と、異色の再開発逮捕コンビでのライブ。これは熱い!!

そして、翌5/11は、また中国側に戻り広州へ。こちらは以前も一緒に企画をやらせてもらった広州のバンドDie Chiwawa Dieの小吉くんの強力で実現。久々に広州に戻るのも楽しみ!

とりあえず、今のところこんな感じ。

諸君、今からでも間に合うので、安いチケットを探しまくって現地に駆けつけるしかない!!!!

【杉並区議選特集】社民党ついに滅亡か!? 〜青砥氏、決死の戦い〜

昨日も少し紹介した杉並区議会選挙の続報。というか、社民党について。

すでに昨日紹介した社民党事件で、いよいよ滅亡目前になっている社民党。投票は明日なので今回はざんねんながら0議席確定だが、事件発生以来は社民党の人々の右往左往っぷりがやばかった。

さすがに選挙目前の時点で、選挙事務所の準備やら支持者への挨拶やらいろいろ準備が整ってたところに、まさかの他党への寝返り。これは杉並区内の社民党のおじちゃんおばちゃんたちだけじゃなくて本部も含め大パニックの反乱劇だ。自分は社民党員でも何でもないんだけど、知り合いも多い。

ちょうど1ヶ月ほど前、はじめにこの事件が発生したときは当然そんなこと知る由もなかった。たまたま自分の店で店番をしていると、商店街の近所の社民党のオッサンが憮然とした顔で「おい、松本くん」と、店に入ってきた。聞けば昨日紹介した映画のようなな寝返り劇が繰り広げられ、社民党や支持者たちが「選挙目前にして投票する人がいなくなった!」と、途方にくれたり、弱り切ったりしているという。うーん、そりゃ気の毒に。2議席が1とかじゃなくて、1議席がゼロだから、そりゃ困るよなみんな。「俺たちどうすりゃいいんだ!」と、関係者含め杉並区内で大パニックになってるという。

で、同情してると、社民党の人が言うには「ところで党内にはキミを推す声がある。どうかね松本くん」という。そんなバカな! 「いや〜、店があるし無理ですよそれは〜」と、断る。すると「そうだよな〜」と、あらかじめ分かってたかのような反応で「で、誰かいい人いないかね」だって。で、いつもデモなどでサウンドシステムを出してくれる穴水さんという人がいいんじゃないかと推薦。世の中で何かあるたびに「冗談じゃねえ!」といつも怒りまくってるので、これは適任! ということで何度かオファーしてみるが、結局「来月? 無理に決まってんだろ。仕事入っちゃってるよ」とのこと。そりゃそうだ、町内のゴミ出し当番じゃないんだから、そんなの無理に決まってる。社民党のオッチャンも「そりゃそうだよな〜」と、肩を落とし、「こんな直前になって、どうしろってんだ! 全くよぅ〜。なんなんだ、いったい!!」と、怒りが増幅する一方。

しかし、社民党も昔からいい加減さがいいところで、それが多様性や懐の広さとなっていろんなものを受け入れてきたが、それによって失敗して足元をすくわれて大パニックになることが多かった。そこがマヌケさ全開で端から見てると親しみが湧く。今回なども社民党が生き残るかどうかの最期の決戦を前にして残された人々が勢揃いで気勢を上げていたときに、当の候補者が逃亡して、「あれ! あいついねえ!」という完全にマヌケすぎる事態に! いや〜、この事件全然笑えない大変なのはわかるけど、やっぱりいいね〜このマヌケさ。

ということで、さすがに社民とにも義理はあるので「じゃあ、誰かよさそうな人探してみますね」とのことになり、この件は終わるかに思われた。

しかし、4月に入り事態は動く。10年ぐらい前に札幌で知り合った友達で、かなり大バカで結構仲良くしてた友達がいるんだけど、その後社民党から誘われて地方議員の選挙に立候補して(社民党の懐の広さ)、それ以降はあまり連絡もしてなかった。で、4月のある日、久々に電話がかかってきて「松本くん、久しぶり〜!!!!」という。何かと思えば「選挙出ない?」という。ギャー!!! そんなバカな! 公明党が昔の卒業アルバムとか使って電話してきて「一票お願いします」ってのはよくある話だけど、「久しぶり〜、選挙出ない?」って、そんなバカな話あるか〜!!! その友達は公明党みたいに気持ち悪い選挙作戦とかやる人じゃないので、まあよほど杉並社民党が弱り果てて頭を抱えてるのが津々浦々まで広がってるんだろう。うーん、いよいよ哀れだ…。

さあ! そこで現れたのがついに真打ち登場。ついにこの男が動いた! かつて杉並区で社民党で立候補しまくってたけど、あまりに幸薄い顔をしていたからか落選しまくっていた伝説の男だ。あいつが動いた!!

これは10数年前のポスター。当時でもくたびれてたので、今はもっとくたびれたオッサンになっている

こいつ。青砥くん。

ただ、こいつ超面白いやつで、10数年前に立候補してた選挙期間中も「いや〜、生きてても何もいいことないですね」「もうみんな死ぬしかないんじゃないですかねぇ〜」みたいにボヤいたり、幸薄さがほぼネタ化していて、とりあえず景気の悪いことしか言わないという、最高に面白いやつだった。

その幸薄い青砥くんも今や社民党本部の重鎮。おお、すごい! 大きくなったな、青砥くん! いや、違う。社民党が小さくなったのか。

そしてまた電話して来て「松本くん、たまには飲みましょうよ」という、不幸そうな電話! で、すぐに高円寺に飛んできて「いや〜、どうですか最近。やっぱり景気悪いですか?」みたいな失礼な挨拶から。うーん、相変わらずだ!! そして待ってましたとばかりに「どうですか、出ませんか?」と、予想通りのオファー。「出ない出ない」と断っても「じゃ、どうしたら出ますかね〜」などとやたら食い下がる。「そもそも政治家は向いてないからね〜、なりたくないし」とちゃんと断っても「いや〜、そこをなんとか松本先生」と、しぶとい。

これはやばそうなので、ケムに巻くために「ま、飲みながらでも」と、高円寺で屈指のめちゃくちゃな飲み屋「なんとかBAR」に移動。で、いよいよ俺が出なそうだとわかると「そうですか〜、もう何十人にも断られてて、あとは松本さんしかいないんですよ〜」という。おい! それ誘う時に言っちゃいけないことじゃないのか!?

そして、「こまったなぁ〜、誰かいないですかね〜」と、財布をすられたような顔で宙を見る。聞けば翌日に本部の会議があるらしく、そこで公認候補を決定するとのことで、そこがタイムリミットだという。いよいよ煮詰まって来て、あまりに不憫なので相談に乗ってあげる。いろんな知り合いの顔を思い浮かべ、「そういえば人当たりいいしデモとかもよくいく兄ちゃんがいたな〜」→青砥「よし、その人にしましょう!」→「あ、ダメだ今仕事で忙しそうなんだった」→青「そうですか〜、もう社民党は終わりだ…」→「あ、そういえばやたら性格明るい女の子で社会に関心もある人がいた」→青「その方に決定で!」→「ダメだ、選挙のとき日本にいないらしい」→青「残念、ボクは人生どうしたらいいんでしょう」…と、ずっとこんな感じ。っていうか、そんな簡単に候補者決めていいのか!!!(笑)

最後のあがきを頑張って来た青砥くんだが、万策尽きたとなると、もうヤケになるしかない。借金まみれなのにリストラされたサラリーマンみたいな感じで、最後の底力を発揮しまくる青砥くん。これは強い! そんな活力まだ残ってたんだ!!! しかもスーツ着て来て飲んでたから、それがだんだんヨレて来てる感じが新橋のガード下みたいで最高。「もう時間がない!」と、ついには飲み屋で飲んでる人に片っ端から声をかけまくる。「お兄さん、どう? 選挙。でない?」→「いや、俺、中野区民なんですよ」、「お姉さん、選挙出ない!?」→「出たい出たい!!」→「歳は何歳? えっ、22歳? ダメダメ、出られるの25歳から。3年後は社民党ないよ!」、「キミ、立候補しない? 出ちゃいなよ」→「スイマセン、ワタシ、外国人ダカラ」。

と、最後の奮戦も虚しく時間切れ! いよいよ帰らなければいけない時間になり、「みなさん、今日はありがとうございました。お互い生きてたらまた会いましょう」と、縁起でもないこと言って去っていく。哀れに思い、みんなも「気を落とさずにな」「いいことあるよ」と声をかけ、肩を叩きつつ見送る。そして青砥くんの哀愁の後ろ姿をみんなで固唾を飲んで見守る。社民党の滅亡、なんとか1日でも先送りできないものだろうか。

社民党、がんばれよ〜!