中四国巡業③ 中島 特別ミッション・松本家先祖代々の墓参り

さて、愛媛シリーズが終わり、次は高松行きなんだけど、ちょっと一日空いてたので、急遽瀬戸内海の島・中島へ。
自分自身は東京生まれなんだけど、うちの松本家は実はこの島の出で、家の墓もここにある。あんまり荒れ放題にしておくと、自分の死後、先に墓に入ってる父親やジイサン、バアサンなどにあの世で死ぬほどぶん殴られるに違いないので、たまには墓の手入れを。
これがまた、船でしか行けないとんでもない島なので、行くのもひと苦労だ。

親戚の家に電話しても一向に出ないので、若干心配だったが、アポなしで行ってみると、みんな呑気に庭でお茶飲んでた。確かに、こんな全員知り合いみたいな島でいちいち携帯電話なんか持つ必要なかった。
突然行くと、「ウワー、帰ってきた!」と大騒ぎに。行く度にそうなんだけど、いつも「帰ってきた」と言われる。自分は東京で生まれ育ってるから東京の人間のつもりなんだけど、先祖代々の長期間のスパンで考えたら、つい数十年前からちょっと東京に出てるだけの話らしい。うーん、スケールが違う!!

ちなみにこの島、昔はずっと海賊の島だったんだけど、海賊業は流石に今はできないので一面みかん農家で、かつてとはうって変わって平和な世界。田舎にありがちだけど、「みかん持って行きなさい」と言われ、適当に20個ぐらい取ると、そんなんじゃ足りないだとと、勝手に段ボールに山盛りにして強引に持たされる。
ちなみに昔の話をするとき、島の人に「海賊」というと決まっていい顔しないので、それはやめた方がいい。みんな「水軍」とか「船乗り」みたいな言い方をする。で、90代の人なんかが昔の話とか教えてくれるんだけど、そんな話の隙に誰かが「ま、倭寇もやってたしねえ」と、ポロっと言う。やっぱりそうか〜! 瀬戸内海で海賊(水軍)やってるってことで、薄々はそう思ってたけど、そりゃやってるよなー。そう、言わずと知れた、外洋に出て東アジア圏の大陸沿岸部を襲って略奪とかする、あれね。
倭寇の子孫となったら、こりゃいよいよ罪滅ぼしがてら東アジアの連中には優しくして仲良くしとかないとな〜
さて、「またちょくちょく帰って来いよ」と何度も念を押され、墓に向かい、とりあえずの手入れ。

その後、このまま帰るのもなんなので夜飲むところとかないかと探してみると、唯一、集落のはずれに「ナイトカラオケヒットスタジオ」という、寂れた島の中で燦然と輝くネーミングの飲み屋を発見。これは行かざるを得ない。
よくよく考えたら、いつもは親戚の家に行って墓参りして終わりなので、島で遊ぼうなど夢にも思ったことはなかった。これは楽しみだ! さっそく行くしかない!

着いてみると、どう考えても人の家。居酒屋という看板はかかっているが、たまたまなのか中から人の気配は全くない。ヒットスタジオというより、どちらかというと注文の多い料理店。入るか? 帰るか!?

勇気を出して中に入ると、まさかの居酒屋。ただ、誰もいない。「すいませ〜ん!」と、声を張り上げること5回。やはり注文の多い料理店じゃないかと不安になってきた頃、店主と思われるじいちゃんが出てきて「なに?」という。「飲んで行ってもいいですか?」というと、えっ、と驚いたような顔をして「いいよ」という。その後、ばあちゃんも出てきて、夫婦でやってるらしい。いや〜、まさか中島で飲めるとは!
「観光かい? 島は初めて?」というので、「いや、実は親類やうちの墓があって、子供の頃からたまに来てるんですよ」というと「ああ、そうかい。親類って誰?」という。さすが島。絶対知り合いの知り合いとかそんな感じで繋がるんだろうな〜。で、親戚の名前を出すと、案の定、あ〜、その長男のところに嫁いだ誰々の家の従兄弟の誰々が私だよ、だって。…って、遠い親戚じゃねーか、島恐るべし!! で、その後来ていたお客さんを指して、あの人はほら、おたくの誰々と縁組した誰々のあれだよ、みたいな感じで教えてくれて、そっちも遠い親戚。島やばい! 全員が遠い親戚! う〜ん、この島ではなにも悪いことできない!!笑

しばらく飲んでると、おばちゃんが「裏も見て行きなさい」という。すると、裏には島最大規模のステージが! おおー、これか〜、これは確かにヒットスタジオだ!! やられた! おまけに小道具やら貸衣装なんかも置いてあって、これは島の人たちが集まってとんでもない大宴会が繰り広げているに違いない。すごい!!

ちなみに、島から松山に戻る終電ならぬ終船は夕方5時半なので、そのまま車で車中泊して、翌朝松山へ。

中四国巡業② アオト作戦! 松山&今治

広島作戦を終え、翌11/30には船で愛媛の松山へ。

四国に着くとまずリサイクルショップを手当たり次第回る。実は業界でも有名なのだが、四国は昔からリサイクル品の掘り出し物の宝庫。最近はさすがにガラクタの山のようなリサイクル店がどんどん減ってきたこともあり、それでもまだまだ侮れない。今回は別に買い付けなどではないんだけど、昨今の四国リサイクル事情を知るための調査。買って帰りたいものが山ほどあったが、今回はそんなことやってる場合じゃない。日本中、どこへ行ってもリサイクルショップを回って相場とか各地の状況を確認してしまうのは、これはもう職業病だな〜

松山のイベント会場は高本という食堂。ここは前も遊びにきたことがある場所で、食べ物もとてもおいしく、いい場所だ。
松山と今治の愛媛シリーズは「相談会」というテーマで、みんなでああだこうだ話しながら、それぞれがもくろんでるふざけた場所作りの計画や、すでにある場所をマヌケ化する作戦を練りまくったりして、お互い火を付け合うと言う集会。
今回の『世界マヌケ反乱の手引書』の内容もそうだが、自分としては東京での経験に基づいていろいろ書いてるだけなので、当然ながらそのノウハウを地方都市では適用できないところも多い。なので、変に講演会みたいな一方的なトークよりこういう形の方がすごくいい。それぞれの場所での知恵を教え合ったりもできてやたら実用的だし。

案の定、イベントでは高円寺ではどうやってスペースを運営してるかなんて言う話に始まり、みんな自分がもくろんでる計画の話やらを出してくる。さらには、行政関係や大手企業で働いてる人も意外といて、そんな職場をどうマヌケ化するかっていう作戦を練ったりと、以上に具体的なイベントに! さらには、ドサクサにまぎれて愛媛のローカルFM番組の収録なんかも始まり、謎の展開に。とんでもない計画などもいくつか登場したけど、これは放送禁止なので、成功の際に披露することにしよう。
終了後は、近所の居酒屋で打ち上げになり、例によって深夜まで。いや〜、またさらに松山の友達がたくさん増えてよかった。

余談だけど、よく本にサインを求められたりもするんだけど、だいたいこんな感じ。愛媛大学の先生から「学生たちに読ませるから、やつらにメッセージ書いて!」と頼まれたので、これを。

翌日、中四国ドサ回りも中盤に差し掛かるにあたって、謎の台湾人ユミちゃんが合流。蛇口からポンジュースが出てくる完全にふざけた場所=松山空港にて。

松山を去る前に、何度か行こうとして行きそびれていた書店「本の轍」に。店主の越智さん、やたらゴキゲンな人でいい感じだった。中国や四国回ってると、書店の店主がみんなやたら陽気な人でいい。ここもいろんなイベントもやってるとのこと。またゆっくり来ないとな〜

松山から今治へ向かう途中、ちょっと寄り道。写真の彼が今回の愛媛シリーズの首謀者のアオトくん。「最近家借りたんですよね〜」と言うので遊びに行ってみたら、家賃5000円だって。俺の高円寺のアパートが月6万円だから、なんとこの家の一年分の家賃! 愛媛どうなってんだ〜!

さて、今治。この日のイベントは「ブックカフェ 森」。こちらも古民家を改装したようなメチャクチャカッコいい建物。やはり地方には東京にないものがたくさんあるな〜

立っても座っても快適な無敵の床=畳が最高。東京も畳の部屋とか店、もっと増えてほしい!!

今治でも相談会。とんでもない計画が続出する中、「うちの村には500人しかいないので誰も来ないけど、どうやってスペース作ったらいいでしょう」みたいな一休さんのとんちクイズのような質問なども飛び交い、それをみんなで知恵を絞るなど、有意義なイベント。
そしてまた、この森の豊島さんがまた高円寺と似てて商店街のじいちゃんばあちゃんたちといろいろやりながら独自スペースも切り開いてるという、なかなかの人物。そんなわけで、高円寺と今治で何か共同作戦やりましょうと、またもや無責任な約束をしてしまったので、これは何かやらないと! いやー、こう言うノリで何かが始まる感じがいいんだよね〜

例によって打ち上げ。みんな今治近辺の人たちなんだけど、高円寺みたいに全員が歩いて5分のところに住んでるってわけではないので、みんな本屋の2階に泊めてもらう人がいたり、車で車中泊して帰る人がいたりと、完全に村の寄合みたいな感じ。東京にいる時は「歩きか、せめて自転車で帰れる距離感で街づくりをするのが重要」と、思っていろいろやってきてるけど、地方の場合は、泊めてあげるスペースもあるし、車みんな持ってて停め放題だし、楽勝でクリアしてて「やられた!」と思わされる日々。

と、いう感じで、松山&今治の愛媛シリーズ終了〜。次は、「なタ書」藤井氏が待つ、四国のサザンクロスこと高松へ。

『世界マヌケ反乱の手引書』中四国巡業を開始〜 呉&広島

 『世界マヌケ反乱の手引書』が加筆して文庫化されたドサクサにまぎれて中国四国一帯を回る地方巡業ドサまわり作戦を開始!

まずは広島。ひとまず広島の首謀者である行友太郎氏の根城の呉へ。ちなみに弟の文太氏(通称:大将)はもっと物騒なことばかり目論んでるやつで、学生時代から俺にいろいろ悪いたくらみばかり吹き込んで来て、こいつのおかげでだいぶひどい目にあった(笑)。さて、兄貴の太郎も弟に引けを取らない不穏分子で、呉のヤバいスペースをひと通り案内してくれる。「とりあえず呉はここに行っとけば間違いない」というオススメされたのがREBELというBAR。このサウンドシステムがやる気を物語っている。
この後も、屋台やBARなど数軒をハシゴして、いきなり飲んだくれて、先が思いやられる。

死んだように眠り、翌日は午後から慌てて広島市へ移動。到着するやいなや、この日の会場の「オルタナティブスペース・コア」の運営チームが迎えてくれて、まずは平日昼間からお好み焼きとビール。最高すぎる。

このスペース「コア」は、アート系のイベントや展示から、DJイベント、トークショーなどいろんな企画を乱発するスペースで、行友ブラザーズ曰く「いま広島でかなり飛ばしてきてるのがコア」とのこと。
ここのいいところは、超巨大な古い市営住宅「基町アパート」内の商店街の中にある。70年代ぐらいに作られた団地って、今のタワマンの真逆の発想で作られていて、人が集い、共に生活するのを前提にデザインされているので、団地のどこからでもアクセスしやすいような場所に無数の商店街が形成されている。しかも、カッコばかりつけて無色透明なしょうもない店じゃなくて、めちゃくちゃローカルな地に足のついた土着感満載の店のオンパレード。じいちゃんばあちゃんたちが集う遊び場もあるし、渋すぎるスナックや中華料理屋なども。あ、先ほどのお好み焼き屋もこの中にある。
なので、準備してる段階で、通りがかりのじいちゃんばあちゃんがヒョコッと顔だして「今日なに?」「何売るの?」などとやたら顔を出してくる。いやー、いいね、こういうの! 

広い! バーカウンターだけあってあとは何もないという最も使いやすいスタイル。いろんな種類のイベントをやれるスペースを開きたいときはこのスタイルが重要。これ、世界各地で共通。ちなみに、こういうスペース維持の重要な収入源はやはりドリンク販売なので、バーカウンターをちゃんと作るのもとても大事なこと。物を売るときに最も重要なのは“本気度”を醸し出すことなので、即席に折り畳みの長テーブルなんかでビールを売るのと、ちゃんとしたカウンターでビールを売るのでは、面白いことに売上が全然変わってくる。つまり、バーカウンターがしっかりしているスペースは長続きする率が上がる。

続々と謎の人々が集まって来る! みんないろんな情報源で駆けつけてきてくれるけど、直接知り合いのスペースなどにチラシを置きに行くのが一番来てくれるとのこと。やっぱり時代はアナログか〜
すごいのは、「素人の乱・残党ラジオ」をいつも聞いてくれていた広島の人が、前日にたまたま放送を聞いた時に「なに! 明日広島だって〜!?」と、驚いて駆けつけてきたという人もいた。やっぱりアナログか〜

今回はいろんな出店もあり。広島で異彩を放つ服屋の絶滅危惧種。高円寺にもしょっちゅう遊びに来ることもあり実はかなり昔からの知り合いで縁が深い。彼がまたやたらノリが良く、この日もイベント終了して打ち上げも終わって、さらに解散ってタイミングでも「ここはラーメン食べに行くしかないでしょ」と、深夜まで飲むことになった最終チームのひとり。深夜までやってる飲食店が近くに少なく、チェーン店で我慢するか〜、と、最後の強豪組が弱気になってもなお「いや、ここでチェーン店ってのは違うでしょ〜」と、信念を発揮し始め、強引にタクシーに乗って遠方の個人店のラーメン屋へ。カッコよすぎる!

広島で最高レベルのイカサマ師にしてヤマ師なのが、このステップさん。今回は「アトム園芸」という店名でサボテンを売っているが、隣にはだしのゲンが並んでものすごい付箋が貼ってある。何かというと、これ普通のサボテンじゃなくて、いろいろ継いだりして、それぞれにはだしのゲンにまつわるコンセプトがあるという。例えば、ひとつは「ゲンが食いちぎった町内会長の倅の手」というサボテン。他にもいろんなシーンのサボテンが並んでる。すごい! それいい!
感動して「これ、昔からやってるんですか?」と尋ねると、「いや、今回がはじめて」とのこと! どうやら、食うに困って一発勝負でまたヤマ師感出して訳のわからないことを始めたらしい。しかもよく見たら帽子に「山」って書いてあるじゃねーか! 最高すぎる。

先述の大将(行友弟)が出すのは不穏な書店。とりあえずブックオフのゴミのように投げ売りコーナーで100円とか200円とかで売ってる中から、「ニセ札」だの「百姓一揆」「働かない」「ドブロク作り」だのを見つけ出し、それを倍の値段で売るという、ふざけた書店。要は無用に不穏な空気感を醸し出し、支配者や秩序を重んじる人々を不安にさせるための書店。相変わらずバカなことやってるな〜。これ、いろんな街でやってほしい。

その悪名高い大将は写真中央のやつ。この男がウロチョロし始めたら何か悪だくみが始まってる可能性が高いので、みんなで警戒しよう!笑
あ、それと、前日の夜、呉で飲んでいた時に最後に行った店「BAR MANGER」のマスターが突如遊びにきてくれた! メタルコアのバンドをやってる人で、やたらとノリが良くいろんなことに食いついてくる楽しい人で、その日も酔っ払いながら「明日イベントやるんですか? 行きます!」とか言って、まんまと本当に現れた! すごい! マスター曰く、「酔っ払って勢いで行くって言ったのを、翌朝二日酔いでうっすら思い出して、これ行かないとカッコ悪いなと思って、来ましたよ〜!」とのこと。さらに「店に来るお客さんでも、『また明日来ます!』っていう人多いけど、十中八九来ないんですよね〜。俺はそうじゃないってところ見せたいんで」と、謎の意地を見せてきてカッコよかった! そして、一杯飲んで本まで買ってくれて「じゃ、店開けなきゃいけないんで!」と、また呉まで帰って行った。すごい! すごすぎる!!

打ち上げは、これまた団地内にある居酒屋へ。おばちゃんたちが集ってて絶好調の店で、ママもご機嫌ないい感じの店! いま、日本中で再開発をもくろんでるような世間知らずの行政のやつらは、こういう近所の人たちが集って人が繋がる店がどんどんできるような思想でまちづくりを考えてもらいたい。っていうか、もっと言うなら、余計なことはせずに街ができていく自然な状態を大事に考えてほしい。

写真左寄りの二人がコア運営の主要メンバーのヒョンギくんとユイちゃん。トークでも面白い話してくれたし、二人ともいろいろやってくれてすごくありがたかった! これは高円寺に来たらもてなさないと〜!!

と言うわけで、広島作戦なんとか終了。フェリーで瀬戸内海を渡り、松山へ。これから愛媛シリーズ!!

まだ読んでない書評『どうげんぼうずという仕事』

またとんでもない本が出たので、素人の乱5号店に仕入れてしまった〜! と言うわけで、例によって読む前に紹介。書評っていうと、当たり前だけど基本的には本の内容を紹介して、あの部分がどうこう、読みどころはここがポイント、あのくだりが良かったイマイチだった、などと評するのが基本。
…なんだけど、本って意外と手に取るまでの経緯がすごく重要だったりする。そもそも毎日のようにとんでもない量の新刊本が出る中、わざわざその本にたどり着くってなかなかの事態。音楽とかもそうだけど、やっぱり手に取るまでの経緯が大事で、誰にオススメされたとか、どのシチュエーションで手にしたかとかかなり重要だったりする。そんなこともあって、読む直前までの事を書くの書評(っていうか書評じゃねーな、それ!)って、なんか好きなんだよね〜

ともあれ、読む前に仕入れることを決めたのがこの本『どうげんぼうずという仕事』
ジャーン!

「どうげんぼうず」っていうのは中野・鍋屋横丁にあるラーメン屋の名前で、そこの大将のチカヒロ氏を書いたドキュメンタリー本だ。で、このラーメン屋がただもんじゃなくて閻魔大王みたいな店。差別主義者がいたら懲らしめに行ったり、パレスチナで虐殺が起こればイスラエル大使館に文句言いに行ったりと、悪を斬って斬って斬りまくる、完全に時代劇のようなことになっていて頼もしい店。そんなわけで、店内にもはびこる悪を懲らしめる宣言のステッカーで埋め尽くされており、自民党やら差別思想の持ち主なんかからしたら、店に入った瞬間に虫の息必至のようなオーラ全開で最高。

そういえば、初めてどうげんぼうずに行ったのは5年ぐらい前だったか。当時うちのリサイクルショップ(素人の乱5号店)でバイトしていたアマネちゃんという子が、かつてSEALDsの高校生版みたいなところ(たけし軍団セピアみたいなもの)にいたこともあり、その繋がりでなのかチカヒロ大将とは親しかったみたいで、仕事の外回りの途中にそのアマネちゃんと昼ごはん食べようってなった時、「鍋屋横丁にめちゃくちゃ戦ってるとんでもないラーメン屋あるから行きましょうよ」というので、断りきれず、斬られたらどうしようと恐る恐る行ったのが確か初回。意外にも殺されることもなく、それどころかやたらいい人で、しかもラーメンもやたら美味かったこともあり、それ以降は中野方面に仕事で行くついでに行くようになった。

そしてこの度、やはり同じく「こりゃただ事じゃねえ〜!」と飛び上がったと思われる川口さんというライターさんが、勢い余って書籍化に乗り出した模様。その勢いで来るんだったら、こりゃ、こっちもラーメン食ってる手前、ひと肌脱ぐしかないじゃねえか。よっしゃ、仕入れるぞ〜
そんな流れで、うちの店でも取り扱わせてもらうことに。巷にはいろんないい本があると思うけど、どんなに正しいことが書いてあったり、素晴らしい本だったりしても、普段はなかなか「じゃあうちの店で置きますよ」とはならないんだけど、ラーメン食べに行ってるとなると話は違う。そういう日常生活の中でのつながりって自分の中ではものすごく大事なことなので、つべこべ言わずに「置きましょう!」となる。ちなみに、素人の乱5号店で取り扱っているいろんな本やバンドのCDなど全部そんな感じで、ちゃんと人としての繋がりがあった上で、信頼できる人のものだけを取り扱うことにしている。

さて。繋がりの問題だけじゃなくて、もうひとつ店で取り扱いたくなる理由がある。チカヒロ氏が個人商店主だってこと。しかも誰が来るかわからない不特定多数を相手にした商売のラーメン屋。この本をパラパラっとめくってみても、近所のガキンチョの話や老人の話が各所に目に付く(まだ読んでないけど)。こういうのって超重要なんだよね〜。うちの店もリサイクルショップってこともあり、もはや誰が来るかわからない。用もないのに世間話しに来る現れる近所のじいさんばあさんやら、個人的な困りごとの相談にやってくる若い奴らなど、リサイクルにはおおよそ関係のない来客者も続々やってくる。こういう街の中で近所の人たちと生きることって、自分もすごく重要だと思ってるしね〜。ものを言う商売人の存在っていざって時にも超大事。

そんなことで仕入れることになり、早速納品しにきてもらったんだけど、パラパラっとめくってみて、ふと目についたのがこの写真。なに〜! これ、あんただったのか〜!!!!!笑

そう、2011年当時、高円寺でも原発反対の「原発やめろデモ!!!!!」というのをやり始めてたんだけど、勢いで始めたものの結構人が集まるようになったので、主催側でよく話してた、…というか自分が常に主張してたのが“いかに運動を組織化させないか”ってこと。最初は勢いと瞬発力でバーっと広がるけど、どうしてもメインで動く人間が固定化してきたり、中心ができてきたり、運動を起こしてるグループが団体のような雰囲気になって来がちで、徐々に呼びかける側と参加する側に別れていく感じ。そうなってくると、世間的には「あ、この辺のこんな感じの人たちが反原発運動やってるのね」っていう空気感が出てきがちで、そうなると日本人特有の後乗りするのを躊躇する謎の風潮なんかも相まって、そうなった瞬間に運動って力を失ってしまう。なので、敵に姿を見せてはいけない、ってことを心がけてた。あ、タイミング的にいいので一応言っとくと、ここでいう“敵”って、原発再稼働をした野田政権ね(俺は今でも野田を許してない笑)。要するに、当時求めてたのは、いろんなところでいろんな奴が「ふざけんなー」と怒りはじめて収拾つかない感じ。これ、時の権力者からしたら、一番怖い。仮にイメージに過ぎないとしても誰かが号令を出してる雰囲気になってしまったら、そこが狙われて終わりなので、よほどのとんでもない革命運動でもない限りは権力者に軍配が上がりがちだ。なので、どこで誰がどう目論んでるのかわからないぐらい各地でいろんな奴らが反旗を翻しまくり、権力者からしたら「オマエら、一体誰なんだ〜!」と常に不気味がる感じがいい。で、さらに「なに〜、こことここがなんで繋がってるんだよ〜!」みたいな驚きがあっちこっちで見られたり、とりあえず不気味がらせたかった。現代社会のように分断されまくった民衆にはこの作戦が最強で、権力者をエンドレスのもぐら叩き状態に陥らせること。この作戦で一挙に畳み掛けよう〜、なんて当時盛り上がってたけど、そうなってくるともはや時間との戦いで、結局時間の流れには勝てず、世間的には徐々に風化していってデモは各地で盛り上がってるものの、運動やる人とやらない人の溝がどんどんと広がっていった感じ。あれ残念だったな〜〜〜〜〜

あれ、なんの話だっけ。…あ、しまった。本の紹介だった!

で、話を戻すと、上の写真。当時、そんな空気感の中でどこからともなくその写真が回ってきた。謎の兄ちゃんが国会の目の前でギター持ってなんかやってる。うわ〜、誰なんだこれ〜、最高じゃねーか! 完全にもぐら叩きが始まった!!!! と、勇気をもらった覚えがある。

そしてその後、そんな写真のことも忘れてて、たまたまラーメン屋に行くようになって、本が出るというので仕入れて、パラってめくってみたらあの写真。コンチキショー、世の中どうなってんだ!笑 

ともかく、そんなこんなで鍋屋横丁のラーメン店。個人店、しかもうかうかしてると物を言い出し始める個人店って完全にさっきの話の“もぐら”状態。普段は寿司握ってたり提灯作ってたり水道の修理してたり中古の洗濯機掃除してたり(←これはうち)すると思いきや、いきなりデモを起こしたりする感じで、おまけに稼ぎはテメエで作ってるのでかなり無敵。それに、個人店って人の生き様の具現なので、見てても面白い。昭和の田舎の成金みたいな発想のバカみたいな再開発のおかげで日本中から個人店が減っていく中、どうげんぼうずみたいな生き様や、普通の賃労働って意味じゃない“仕事”(意味としては必殺仕事人の“仕事”に近い)に遭遇することってすごく重要。しかも、この本は、肝心のラーメン作りの話から始まってるのがまたいい。
ってわけで、インテリや学者の正義の本でもなく、大きな組織や団体の幹部の提言本でもなく、個人店主の生き様の本。こう言う本って結構レアなので、ぜひ読んでほしい。

ってことで、素人の乱5号店に置いてあるので、さあ買った買った〜。あ、でも高円寺来るなら隣の鍋横行ってラーメン食いがてら直接買う方がいいかも。ま、どっちでもいいや!
とりあえず読むしかない!!!

【倉敷奇人伝 No.31】川上幸之介 『パンクの系譜学』が入荷!

「Punk! The Revolution of Everyday Life」という展示が2021年ごろから各地で開催され始めた。一般的には音楽のジャンルとして扱われがちなパンクだけど、そんな単純な話じゃねえだろ、ってことで思想的な面から生き方の哲学に至るまで、もっとトータルに体系化した展示。おお、すごい!
で、風の便りによると、その首謀者は川上幸之介という人で、西の方の奇妙な大学で教授をやっているという、謎の人物。いったい何者なのか。パンクに寄ってたらいかつい怖い人かもしれないし、学者に寄ってたら小難しいつまらない人の可能性大だし、どちらにしてもあまり近寄らないほうがよさそうだ! さらに、西日本の倉敷という謎のエリアに居を構えるわ、斬り捨て御免みたいな名前してるし、何かで遭遇したら「コラー、松本〜!」と、いきなりぶん殴られるか槍で刺されるに違いない。これはいよいよ捕まったら大変だ。よし、触らぬ神に祟りなし作戦だ!!

そして昨年の夏ごろ、アジア圏で木版画やってる人たちが上野で展示をやるというので、見に行ったことがある。ただ、あろうことかその展示会場の隣がPunk展。しまった! 謀られた!
まだ見ぬ強豪・人斬り川上幸之介氏、予想するに、身長は2.5mほどで、人の頭骸骨を砕くぐらいの握力を持ち、棍棒とかギロチンを持って鬼の形相で累々と重なる屍を乗り越えて徘徊してるに違いない。しかもイベントタイトルも、レボリューション・オブ・エブリデイライフ。日々の生活がすでに革命ってことで、そんな朝メシ前に革命起こしてるような強者に見つかったらそれこそ事だ。大変だ〜、殺される〜! 逃げろ〜!!!

さて、版画展を見たあと、そのまま斬り死に覚悟でPunk展へ。しまった、防弾チョッキ忘れた! すると、「あー、松本さ〜ん!」と声がする。振り向くと囮(おとり)風の男が笑顔で物販コーナーに立っている。しまった、囮だ! …と思ったら「川上です!」。ええっ、この人が川上さんなのか〜!! 話が違う! 優しそうな人じゃねえか。騙された!

↑左から、版画展企画のエガミ教授、囮の川上さん、自分、東南アジア圏のパンクに精通する高崎さん(彼も見た目はイカツイけどウサギのように優しい人)。

 普通にめちゃくちゃいい人で、自然な流れで「じゃ、このあとアメ横で飲みましょう」ということになり、他の友達も誘いみんなでアメ横の居酒屋へ。飲みながら川上さんともいろんな話をして盛り上がってると、よく見たらソフトドリンク飲んでる。「あれ、川上さん、お酒飲まないんですね」と聞くと、「いやあ、ちょっと諸事情あってやめてるんですよ〜」とのこと。こ、これはやはり余程の悪事を働いたに違いない。クワバラ、クワバラ。

まあそこそこ飲んだので、ぼちぼち帰りましょうかということに。川上さんも高円寺の近くに泊まってるとのことで、高円寺まで帰るという。ただ、こっちは迂闊にも車で来てしまっていた。というより、出先で飲みそうな時はたいてい店の軽バンで行って、飲んだらそのまま車で寝て翌朝帰るのがいつものパターン。なのでこの時も車を駐車場に停めてた。なので、「いやー、帰りたいんですけど、飲んじゃったし今日はここで寝て帰るので、川上さんお先にどうぞ」と挨拶すると、「いやいや、僕運転して行きますよ! 任してくださいよ」と、アメ横にいたせいか魚屋みたいにノリがいい。ただ、マニュアル車だったので「マニュアルだけど大丈夫ですか?」と聞くと、「大丈夫です!」と二つ返事。景気いいね、どうも。マニュアル車って最近はなかなか乗りこなせる人少なくて、以前も友達に車貸して2回ほど壊れて返ってきたことがあるので、一瞬心配になってしまったが、このアメ横のおっちゃんと化した川上さん「へい!マニュアル一丁〜」って勢いで、これなら大丈夫そうだ。疑って悪かった! よっしゃ、じゃあ高円寺へ帰りましょう〜

こっちは酔っ払ってるので助手席で、悪事に悪事を重ねたおかげでシラフの川上さんが運転席。さあ、出発〜! すると、ものすごく雑なクラッチワークで荒っぽく発進! おお、さすがパンク。それとも、これが全てを知り尽くした真の走り屋のテクなのか!? 駐車場を抜けて大通りに出て最初の信号などでは、青信号とともにものすごい空ぶかしで周囲を威嚇し、左右の車を先に行かせる余裕を見せた後、突如クラッチを繋ぎロケットスタートで急発進して追い上げる!! おお、プロの走り!!
よもやと思って、念のためふと運転席の川上さんを見ると、ものすごい脂汗をかきながら一点を見つめて運転してる。で、「いや〜、教習所以来30年ぶりですよ、マニュアル」と、ぼそっと呟く。コラー、素人じゃねえか!! 何やってんだ〜!

しかし、ここでうろたえてはみっともない。「車が故障したら大変だ」なんてみみっちいい魂胆を見透かされるなんてみっともないことはできない。ここは大きく出て、車の5台や10台大破したところでどうってことない余裕を見せつけて、ひとつ人間のデカさを知らしめるしかない。なんせ相手は革命エブリデーの強豪中の強豪だ。みくびられないようにしないとヤバい!
車の大破炎上なんて朝メシ前で、せっかくだからベンツやフェラーリも巻き込んで10台ぐらい一気に行きましょうや、…っていう空気感を出しつつ、小声で「クラッチ切って」「そろそろ4速に」と、こちらも脂汗を隠しながらアドバイス。さらに、動揺してないことを示すためにもコッソリ手のひらに人の字を書いて飲み込みながら「いやあ、川上さん。今度は倉敷に遊びに行きたいですね〜。2速、2速」などと不自然に世間話を振り、川上さんも「そういえば松本さんの本読みましたよ。面白かったなあ〜。…あっ!」などと、真っ青な顔でハンドルを握る。

謎のチキンレースと化した二人でそのまま平静を装う不自然な世間話をしながら車は進み、渋滞気味の上り坂に差し掛かると、まんまと赤信号になり、よりによってその中腹で止まる。後ろにはピッタリと高そうな乗用車が止まる。こ、これは…。絶体絶命の坂道発進の危機を薄々感じつつも「いや、しかしなんですねえ、昨今の政治は…」などと、話題に窮して明らかに二人とも興味のない会話が始まり、一方で親の仇のようにサイドブレーキを強く引く川上氏。それも束の間、青信号とともにブワーーーンというとんでもないアクセルを踏み込んだ爆音とともに一切発進せず、生まれてこの方見たこともないような白煙がもうもうと立ちのぼり、鼻をつくようなゴムが焼けたようなにおいも上ってくる。やばい! ただ、自分も川上さんもビビったら負けの痩せ我慢の権化状態になってるので、お互い無理に大きく構え、あたかもいつもの出来事のように振る舞いつつも「ああー!」「ワッハッハ」「いいですね〜!」「今日の煙はちょっと多いかな〜」などと叫び声をあげて不自然に盛り上がる。ただ、これハタから見たら完全にシャブ中の爆走車にしか見えないので、すでに周りの車は恐怖におののき、だいぶ車間距離をとり、ものすごく遠巻きにゆっくりと追い抜いていき、おそるおそる抜いた瞬間に急加速で蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

ともあれ、辛うじて坂道を脱出した我が軽自動車は、残りの行程もなんとかこなし、ボロボロの敗残兵のような感じになりながらも九死に一生を得て高円寺に到着。もちろん、お互い何事もなかったかのように「意外と近かったですねえ」「またドライブ行きましょう」なんて心にもないことばかり言いながら「も、もう一杯飲みますか」と、高円寺のなんとかBARへ。

さて翌日、その車を動かそうとすると、ウンともスンとも言わない。エンジンはかかるものの、クラッチが切れず、ギアも入らない。早速、毎度おなじみスズキ自動車の浦井工場長に連絡すると、「あ、それクラッチ焼き切れましたね。交換ですね〜。レッカー呼んで持ってきてください」とのこと。しまった〜! 痩せ我慢するんじゃなかった〜!

とにもかくにも、そんなこともあってマヌケ感全開の川上さんとは仲良くなり、その後も何度か高円寺などで会ったり飲んだりするように。いや〜、よかったよかった。

と、前置きはさておき、肝心の川上さんの新書。これが『パンクの系譜学』という書名で、例のPunk展と同様、思想や社会的な位置付けやらその歴史も押さえて「パンクとは何か」ってのを評したもの。パンクと聞いて騒がしい音楽とか派手な服装しか思い浮かばない人が読んだら「そういうことだったのか〜!」と、びっくりする違いないし、パンク通の人にとってもすごくいろんなシーンの背景のことなどが書かれていて面白いと思う。そもそもこの川上さん、パンクが好きすぎてマニアックなこと調べすぎて頭がおかしくなって教授になっちゃったぐらいなので、誰も知らないような情報も死ぬほど入ってる。これはすごい。

そんなわけで、さあ買った買った〜。素人の乱5号店で売ってるよ〜

<注意>川上さんは以上の文章読まないでください。


なんとかBAR、トイレ工事のためしばらく休業!

毎度おなじみ、高円寺なんとかBARのトイレが詰まってはや2ヶ月。と言うより、厨房の排水も常に不可解な詰まり方をよくしていたので、いよいよ修理しないとなー、ということに。これまでは応急処置を繰り返してたんだけど、もはやそんなんじゃ埒があかない感じになってきたので、もう根本から直そうということにした。

本来だったらそんなの大家が直すべきじゃねーか、ってところなんだけど、先進国じゃあるまいしそんな契約書通りに行くわけがない。それにこのなんとかBARの入る建物は、戦後以来、増改築を繰り返し、口約束に口約束を重ね、取り引きに取り引きを重ね、もはや他人や法律は立ち入ることのできないような大家と店子の微妙な線引きが完成されており、とてもじゃないけど理屈じゃ説明できないような状態になっている。そう、秘伝のタレみたいな感じ。
というわけで、今回の下水工事は、あうんの呼吸でこちらが全て受け持つことに。説明不可だけど、こちらが一方的に不利益を被ってるわけではないのでご安心を。ま、現代社会では解明のできない秩序がまだ続いてるってのがなんかいいね。

さあ、そこで登場したのが、普通の業者はめんどくさがって受けてくれないような時に登場する、“便所将軍”の異名で近隣諸国からも恐れられる、便所界のブラックジャックこと水道工事士の秋山氏。ウンコの流れを手に取るように操り、瞬時に直してしまうこの男が現れたからにはもう安心。
ということで、3日程度の休業でその間にやってしまおうということに。おお、これは心強い!!!

で、秋山氏が地面を壊して地下を見てみると、いきなり大変なことに。「中が空洞になってるよ!」とのこと。なんと、複雑怪奇に入り組んだ排水が数十年に渡りいろんなところで漏れ出しており、下の土がどっかに行ってしまってたのだ。あぶねえ〜!!! そう、我々は知らない間に空中に浮いた状態で飲み屋をやっていたのだ。すごい! あと一歩で、コントのように一瞬でなんとかBAR全てが地下にドシャーンと沈没してしまってたかもしれないのだ。いや〜、それはそれで楽しそう!

便所どころか厨房の地下も大変なことになっていて、数十年前のとんでもなくイカサマな配管工事跡が発掘され、「なんだこりゃー! これじゃ詰まるに決まってるよ!」と腰を抜かす便所将軍。
しかも、予想したルートとは別の方向に排水管が向かっており、「いったいこの配管はどこに向かっているんだ!?」と、ミステリーは深まる一方。どこの下水管とどこの下水管がどこで合流しているかとかが完全に不可解な状態なので、謎を一つづつ解き明かしていき、謎に迫る! そして、ついに突き止めた便所将軍・秋山氏は「下水はどうやらこの壁の向こうに繋がっている!」と、壁の向こうを指差す。
問題は、その壁の向こうに何があるのかがわからないのが、この建物のややこしいところ。当然、建築当時の図面などは残っておらず、何がどうなってるのかわからない。香港の九龍城の小型版みたいなことになってるので、驚くべきことに10年ほど前には大家さんも知らなかった未発見の部屋が見つかったというふざけた事件もあり、さらに図面に載ってないから家賃もタダになったというもっとふざけた事態にもなった(どうやら今は大家の気分が変わって家賃が発生するようになったらしい)。
「ここだ!」と、隣の古着屋“はやとちり”のギャラリースペースを突き止め、穴を掘り返す秋山氏。見事に排水管の先を掘り当てる。すごい、さすがだ!! そして、もはや鬼神のような目つきで排水を追う秋山氏はすかさず「よし、こっからこっちも全部剥がして!」と相方の職人さんに的確な指示を飛ばし、親の仇のように穴を開け始める! プロだ! プロの技だ!!
もうこうなると誰も止められなく、「なるほど! ここからこっちに繋がっていたんだ! とすると、こっちの方角だろうな〜」などと完全に徳川埋蔵金モードに入っている。

そこへ、寝起きの顔をして現れたのが古着屋はやとちり店主のごっちゃんだ。「なんとかBARの工事どんな具合っすか〜」と、田吾作感全開のトボけた顔をしてやってきたごっちゃんだが、やってくるなり自分の店の真ん中に巨大な穴が空いてるのを見て目を丸くして驚き、怒るかと思いきや「こんなことになってるんですか〜。いや〜、面白すぎるなー」とのんきに写真を撮って喜ぶごっちゃん。で、すぐに飽きたのか、自分の店の巨大な穴もあまり気にならない様子で、何事もなかったかのように「そんじゃ、よろしくお願いしま〜す」と、クマが冬眠で穴に入るかの如く隣の自分の店の中に入っていく。
どうなってんだ〜、全員行動も反応もおかしい!!

さて、そんな感じで、うっかり始めたトイレの排水工事が思わぬ大掛かりな工事になってきた。秋山氏もウキウキした様子で「こりゃ、3日やそこらじゃ到底終わらねえなあ。これは長丁場だ!」と張り切り始める。

と、いうことで、なんとかBARのトイレ修理休業の日程、当初の予定を上回り予想外の長期休業の可能性が浮上! さあ、果たしてなんとかBARの排水は直るのか!? なんとかBARは再開される日が来るのか!?
諸君、続報を待て!!!!!

【高円寺奇人伝17】シム二等兵、ついに徴兵に取られる!

シムくんという高円寺をウロつく酔っ払い青年がいる。彼は謎の飲んだくれで、高円寺のいろんな店をウロチョロ飲み歩いており、気付いたらいつの間にかシムがいて驚いたり、で、話の流れで「そうだよなあシム」と振り向いたらすでにどっか別の店に飲みに行ってたりして、高円寺の座敷わらしと恐れられる人物。
そして、無駄に学があるので急に誰も興味のない難しい話をし始めるのが唯一、いや、数多ある欠点のひとつ。ふらっと飲みにきたトボけた顔したオッサンに突如難解な話をし始めて「何言ってるかわかんねえよ!」と怒られるシムの様子を何度見てきたことか!

さあ、そんなマヌケな飲んだくれのシムくんだが、なんとついに赤紙、つまり召集令状が来てしまい、なんと軍隊に取られることに。おーい、こんな飲んだくれ軍隊じゃ絶対に役に立たないぞー! しかもこのシムくん、かねてより「徴兵なんて意味ない」「戦争の練習なんてしたくねえ」と言っていたので、こりゃ気の毒だ〜

徴兵制なんてあったっけ、と思うかもしれないけど、このシムくん何を隠そう韓国から来ており、本国から赤紙が来たっていうことだ。韓国では約2年間の兵役義務があり、これを避けて通るのは至難の業。だいたい二十歳を超える頃になるとみんな続々と兵役に取られていくわけだが、シムくんは言わずと知れた、油断しまくりの天然の大バカ。兵役なんてバカバカしいことやってられないから国を出るよと、留学で日本に来る。「しばらく日本にいるうちに徴兵制なんていう時代遅れなものなくなるだろ」と、完全に油断して飲みまくって遊び歩き始める。ちなみに上の写真は高円寺初登場の19歳ごろの時。

無駄なインテリ気質は生まれつきで、日本に来るとまずは東京芸大で研究生になり、そのあとは東京外大に移籍し、万人には理解不能な難解で無駄な研究にいそしみ始めるシム。さらに地頭(じあたま)がいいのか日本語は来日直後に一瞬でマスターし、その辺の日本人の日本語力を超す勢い。明日は博士か大臣か!? どこまで成長するんだ、シム!!!

と、思ったのも束の間。そう、ここは東京の高円寺。無駄な知識ばかりがどんどん増えていくシム。飲み屋の会話でも突如、「いや〜、でも1987年の阪神タイガースのスタメン4番は⚪︎⚪︎だったからな〜」とか「バブルの頃のタクシー初乗りは⚪︎⚪︎円だったしね」とか言い出す始末。なんでそんなこと知ってるんだ〜!!!! さては、ロクに研究もせずに飲み歩いてるな〜! 予想通り、大学ではひたすら落第を繰り返す。

案の定飲みまくるシム。しかも貧乏すぎるので、どんな酒も平気で飲む。

ただ、よくわからない強い酒を飲んで酷い目にあうことも頻繁。

そして、酔っ払いすぎるとめんどくささが発揮されてきて、「また始まった!」と、周囲の人が距離を置き始め…

勝手に潰れて寝るのがいつのもパターン。ちなみに上の写真の左にいるのは台湾の料理人・トニー。彼も高円寺にはよく遊びに来るのだが、シムとはのんべえ子弟コンビのようになって、シムがだいたい潰れている。そして写真のテーブル上のメガネは、シムが酔っ払って「メガネがない!メガネがない!」と千鳥足で騒ぎ始めて最後に自分のメガネを踏み、黄色いガムテープで補修したもの。

さあ、そんなどうしようもない飲んだくれシムが7〜8年の高円寺生活を経て、軍隊からのお呼び出し。いや、それ無理でしょ。20歳当時ならまだしも、どっぷりと高円寺のんべえチームに入って各地を飲み歩いてるダメ人間が、人と争ったり武器や殺人の訓練なんてできるわけないじゃねーか〜!

さすがにこれは気の毒だってことで、なんとか兵役に行かなくて済む手はないものだろうかと、高円寺の酒飲みたちで頭を捻り「巨額の財を稼いで賄賂わたす」「偽装結婚しかない」「兵役検査前に醤油飲で失格する」など、徴兵回避の案を出すがなかなか名案が出ない。

で、最後に出た奇策がこちら!

秘策! “あ、すいません! 北と南間違えました”作戦!
かつての日本の徴兵の時みたいに、寄ってたかって日の丸の旗におせっかいにも寄せ書きして、軍隊に行かざるを得なくなるあれ。北朝鮮の国旗にみんなで寄せ書きして持たせ、意気揚々と徴兵検査に行って「あっ、南でしたか! 日本長かったんでついウッカリ…、こいつは申し訳ねえ」なんてことになれば、検査官から「おまえ、もう帰っていい」ってなるに違いない! これは完璧な作戦だ!
さっそく、Amazonで980円で旗を手にいれ、シムも毎日飲んだくれる高円寺「なんとかBAR」に寄せ書きブースを設置。貼ってみたら貼ってみたで、ものすごい威圧感。店長の小泉くんも「これは思ったよりでけえな〜」とビビる。
焦った小泉くん、一見さんが入ってきてギョッとするタイミングでいちいち「あ、いや、これは別に北朝鮮支持って意味合いじゃなくて、友達が韓国に軍隊行くから北と南間違えたってことで追い払われるんじゃないかってことで…」と、聞いたら余計わからなくなるような説明を毎回丁寧に早口で説明。

気づいたら寄せ書きの山。みんな「軍隊行かないで〜」「早く高円寺帰ってきて飲もう!」「戦争反対」「世界平和」など、およそ出征兵士に送る寄せ書きとは思えない落書きの山で、そもそも北朝鮮の旗。そして、気まずそうな顔で「こんなの見つかったら捕まっちゃうよ〜」「韓国持っていっても親にも見せられない!」などと気まずそうな顔で頭を抱えるシム。

聞けば、「国旗に字を書くって普通は不敬だから外国ではあまりやらないよ」との話も。なに〜、知らなかった。すでに死ぬほど書いてる! 北朝鮮悪かったよ〜、怒らないで〜。日本ではこれ普通なんだ〜〜〜
ま、そんなこともありつつも、寄せ書きは続く。

「なんとかBAR」はさすが高円寺。深夜0時を回る頃になると混み始める。深夜帯には立席の超満員に。っていうか、北朝鮮の国旗をメインに貼ってここまで盛り上がってる飲み屋なんて、一日だけとは言えここしかないだろ〜

徴兵制のある台湾や韓国に行くと、たまに友達の誰かが兵役に行くとか言って最後の飲み会なんかに出くわすことがよくある。が、日本で普段顔を合わせる奴が徴兵に行くっていうのはすごく新鮮。こんな感じなのか〜。高円寺の人たちからしたら、2年間遠くに行くと聞いたら懲役を思い出すのか、みんな口々に「何にも悪いことしてないのに2年なんてひどいよな〜」「早めに出て来れるように頑張れよ〜」「同じ房の人と仲良くやれよ」「面会行くよ」とか声かけてる。

これ持って帰ったら絶対逮捕だと怯えつつ、みんなからの大量の送別の寄せ書きに感動し、非常に複雑そうなシム。さあ、果たして“北と南間違えた”作戦は成功するのか!? 軍隊やら戦争なんて、所詮は金持ちや権力者同士の揉め事に過ぎない。こんなバカバカしいものに付き合わされるのはどこの国であってもまっぴら御免だ。ぜひうまく回避してもらいたい。本人も結果はどうあれ必ず高円寺に戻ってまた毎日飲みたいとのこと。果たして無事に高円寺に戻って来られるのか!?
シム、健闘を祈る!!

財産差し押さえられた!

Twitterって、全員が140文字でなんか言おうとしてるから、見たり書いたりしてるとどんどん頭が悪くなる感じがするんだよな〜 と、思ってる時に数日前久しぶりにブログ更新してみたらすごく自由な感じがした。いや〜、やっぱり自由に表現できる方が気分がいいね。
今日は天気もいいし珍しく気温も高い小春日和、いや〜、気分爽快。今日は外で家具の修理でもしようかな〜

なんて思ってたら、一枚の手紙が。

やられた〜! 財産差し押さえだ〜!!
政治ひどいくせに各種税金が高すぎてムカつくから払わなかったら、楽勝で差し押さえられた! うぬぬ〜、お主もなかなかやるな〜

【事件】波乱の奇書『だめ連の資本主義よりたのしく生きる』が出現!

 世界が混乱するとんでもない波乱のき奇書『だめ連の資本主義よりたのしく生きる』がついに登場! 大変だ〜!!!

ふざけた本

日本のプロテストシーンも様々で、権力者とガチンコバトル玉砕系、安全な場所からのインテリアタック系、選挙行けば世の中変わる系、はびこる悪は許さない系、自分はイケてる人間だからダサいデモとかは行かずアートで抽象的に表現系などなど、無数のスタイルがある。その中で重要な一角を占めているのが、“くだらない社会に対して、こっちはこっちで勝手な社会を作ってしまうことによって対抗してやれ”っていうスタイル。これは国内に限らず世界各国の悪い政府やロクでもない巨大企業によって戦争だの貧乏人からの搾取だのがまかり通ってる社会の中で、そんな連中による支配や経済圏から極力距離をとって勝手な社会(人間関係やらコミュニティ、遊び場やイベント、仕事、日常生活など含めて)を作って対抗しようという芸風。これ、高円寺でやっているいろんな店をバンバン作って、遊びも仕事も全部ひっくるめて作っていくという手法と共通してる。

社会運動がいよいよ下火になってくる90年代に生まれた“だめ連”は、そんな芸風の走りとも言える存在。ガチンコ玉砕系がいよいよ硫黄島の決戦のような状況に追い込まれてた当時の状況で、ケロッとマヌケな顔でひょっこり現れる。で、その数年ののちに自分が「法政の貧乏くささを守る会」を結成して騒ぎを起こし始めた頃、謎の集団「だめ連」の存在も知り、「なんだこいつらは〜!」とビビった覚えがある。当時の法政の貧乏くささを守る会は、ガチンコ突撃隊の別動隊みたいな感じで、奇策と奇襲専門の集団として完全にふざけたスタイルで敵のみぞおちに意表を突いたアタックをかけるような軍団だった。なので、基本的にだめ連とは毛色がだいぶ違ってはいたんだけど、いろんなところで遭遇するうちに、だめ連のむやみやたらと人のつながりを重視したり、気づいたら昼寝してるような手法から学ぶことは多かった。そう考えると、いま高円寺でいろんな店を作ってコミュニティを作ることや、アジア圏の大バカたちとの繋がりを重視して人をごちゃ混ぜにしていこうって作戦に勤しんでるのも、少なからずだめ連のインパクトはあったはず。

↑これ、ぺぺさんのセリフ。「ぺぺさんはなんでも受け入れすぎなんですよ」と文句を言って「松本くんは真面目に考えてないんだよ」と怒られるパターンは何度もあった。最後までソリが合わなかったな〜笑(仲悪かったわけではない)

と、そんなこんなで時代は流れ、資本主義の世の中もいよいよ限界がきて、そこに食らいついて生きてきた人々にどんどんしわ寄せが来まくって、ニッチもサッチも行かない人たちが急増してる現在。いま、資本主義的な価値観によって作り上げられてきた価値観に見切りをつけてローカルなところで勝手な社会を続々と作ることは超重要だし、今に至るまでだめ連が色々といい加減にのらりくらりと活動してきたことも超重要だったりもする。で、しかも、去年(2023年)惜しまれながら三途の川を渡って行ったペペ長谷川氏! そのペペ長谷川が残した完全にふざけた生き方をおさらいし、それを呑気に生き延びている神長恒一氏が最終的にまとめ上げたこの書は、相当ヤバい書!!
要するにこの書での重要なテーマは「資本主義がイケイケだった頃に作られたシステムの中に身を置いてたら、これからの時代は危なっかしくてしょうがないから、さっさとそこから離脱して別の秩序をこっちで作ってそこに身を寄せた方が安全だし先行き明るい!」ってこと。
いや〜、景気いいね。こうなったらさっさと勝手に生き始めて、巨大資本の権化みたいな人たちがテンヤワンヤになってるのをお茶でも飲みながら見物して、弱り果ててる元富豪たちに「ほら、言わんこっちゃねえ。金のことばかり考えてるからそんな目に遭うんだよ。わかったら心入れ替えてこっちへ来ねえ! これからは真面目に生きるんだぞ」と、説教の一つも垂れてマヌケな社会に招いてやるのもいい。

で、なんと! この本の巻末には、そんな話も含めて20数ページにわたる鼎談で参加してる。本の対談って、だいたいのおさらいみたいな話をふわっとやって終わるようなのもありがちだけど、神長さんと雨宮さんという面子もあって、この鼎談では結構深い重要な話まで触れてるので、これは必読!

と、この本の紹介しようかなと久々のブログ書いてたら、まんまと神長さんが例によってマヌケな顔をして「どうもどうも」と現れた! と言うわけで、うちの店(素人の乱5号店)でも販売する予定。

諸君! このふざけた本は読むしかない!!

中国ビザなし渡航作戦①

さて、すでに紹介した通り、中国への観光ビザを日本で取るのは一ヶ月半待ちというとんでもないことになっており、これは放棄。ま、渡航1週間前になって気づく自分が悪いんだが、これはいつものパターンなのでしょうがない。

ちなみに中国への渡航は、日本のパスポートの場合、以前は2週間以内だったら観光ビザは免除されていたので、飛行機さえ取ればそのまま行けた。ところが、コロナで各国の国境が閉じ、日中間もそのビザ免除はなくなってしまった。ま、それは仕方ないとしても、コロナが終息しつつあるいま各国がビザ免除を復活させているが、日中間だけは戻ってない。米中という二大ジャイアン国の世界覇権争いの狭間で、スネ夫国家日本はとりあえずアメリカの顔色を伺って動いてるので、まあその余波だろう。

そんなこんなで、こんなニュース↓

シンガポール、ブルネイとの間でビザ免除復活したものの、日本だけ保留。このおかげで、以前は世界の中で最も便利なパスポート第一位を獲得し続けていた日本旅券がシンガポールに抜かれ第二位に転落。チキショー

ともかく日本から中国に行くのは時間的にも不可能なので、とりあえずは近くまで行ってなんとか策を講ずるしかない。ということで、中国でありながら中国でない、中国内地への玄関口・香港へ向かう。香港は中国とは別扱いなのでビザなしでそのまま行ける。

まずは正攻法。香港の中国ビザセンターで内地行きビザを取得するという作戦。香港人が内地に行くときは別の手続きになるので、こっちのビザセンターはそれ以外の外国人だけ。それなら日本人が殺到してる日本のビザセンターと違って空いてるに違いない! という目算だったが、なかなかそう簡単でもない。運悪く土日を挟んでしまう上に申請予約も早くても数日後って感じだった。で、申請後ビザが発給されるのに3日程度はかかるとのこと。ま、翌日に出る快速申請などもあるんだけど、手数料が3万円ぐらいするみたい。高い! 1週間以上の香港逗留は厳しいな〜

しかも、香港ビザセンターのオンライン申請なんだけど、記入箇所めちゃくちゃ多い。90年代のビザ免除じゃなかった時代の申請よりはるかに面倒くさくなってる! 昔は中国行きの船の中でサラッと紙書いたらそのままビザくれたりしてたのに〜
挙げ句の果てにこのオンラインシステムがマイナンバーカード級のカスシステムで、記入しても反応しなかったり、先に行かなかったり、気分次第で次に進んだりと、やたら面倒。慣れればいけるかもしれないけど、すでに香港入りしてて時間ない時にこれに時間費やすのは嫌だな〜。飲みに行ったりしたい笑

そんな矢先、ほぼ同時期に同じく日本から中国入りを目指していた友達は、果敢にもビザセンターでの申請を敢行。すごい!

ただ、朝から行っても午後まで半日以上行列で、突如現地でのホテルの予約確認書見せろとか、いろいろ言われてテンヤワンヤだったとのこと。結果は時間ぎれギリギリでかろうじて申請でき、苦渋の快速申請でなんとかクリアできたとのこと。すごい根性だ!!

ま、自分にはその根性はないので、とりあえず諦める。

144時間、乗り換え作戦

すぐ諦めたのには訳がある。
そう、今年の春から始まった緩和策で飛行機の乗り換え(トランジット)時間が延長された。これまでは乗り換えは72時間以内でないとダメだったんだけど、倍の144時間までOKということになった。
なに! 144時間って日数にすると6日! 6日あれば普通に遊びに行けるじゃねーか! ということで、この裏ワザを使うことに。

中国語だけど、こちらがその緩和策だ↓

ただ、これもそんなに自由ではなくて、あくまで乗り換えなので一都市に限られ、そこの都市からは出てはいけない。しかも乗り換えなので、中国内地の外から中国入りし、乗り換え後は中国外に出なきゃダメで、その出国のチケットも持ってないと許可されない。さらに往復チケットで行くのも乗り換えとは言えないからアウト。
例えば東京ー北京往復はダメだけど、東京から北京へ飛んで、その後韓国ソウルへ渡ってから東京に帰るというようなコースを取らないといけない。もちろん、東京ー北京ー上海ーソウルみたいなのも国内移動が入ってるからダメ。入国後はすぐに出国しないといけない。そういう理由なので電車なんかで行くのもダメだ。意外と制約は多い。
要は、上の例でいうと「韓国へ行くために仕方なく北京で乗り換えてるだけで、中国には特に用事はねえ!」って言い張れば大丈夫ってこと。このイメージを頭に叩き込んで、作戦決行〜

ということで、香港にいる状態から武漢に行くルートを考えるのだが、武漢がまた海外直行便が少ない都市。幸い香港ー武漢便はあるんだけど、そこからがない。香港往復便はダメだし、東京も大阪もないし、ソウルや台北もない。前述の通り必ず三角形のコースで中国入りしないといけないが悩ましい。くそ〜、まさかヨーロッパとか中東とかに行かないといけないのか!? 中国に行きたいだけなのに!
北京や上海なら、その後東京に帰るというルートで行けるから楽なんだけど、武漢ってのが難しい。

うーん、どうしたものか。
あ、マカオがあった! マカオも小さいながらも一応香港と並び特別区扱いなので、それだったら行けるんじゃないか?

上のようなルート。
香港からまずマカオに渡って、そこから武漢、香港のルート。香港とマカオはすぐ隣なので、フェリーでも1時間ぐらい。クソ高いけどあっという間に着くヘリコプター路線まである。
よし、これだ! マカオから武漢経由で香港。あくまでマカオから香港に行くためのトランジットで渋々中国内地の武漢で乗り換えるという名目。
でも、香港・マカオって、ガイドブックでも一緒にされるぐらいだし、エリア的にはほとんど同じ場所にあるから、大丈夫なんだろうか。同一地区扱いになってる可能性もある。そもそも「いや〜、乗り換えで…」と言ったところで、「香港なんて目の前なんだから、船でチャチャっと行きゃあいいじゃねえか!」とか文句言われそう。
春から始まった制度だし、あまり前例も少ないだろうから、担当者の気分次第でどうにでもなりそうな気配。

ま、いいや。とりあえず行ってみよう、マカオ!