【事件】波乱の奇書『だめ連の資本主義よりたのしく生きる』が出現!

 世界が混乱するとんでもない波乱のき奇書『だめ連の資本主義よりたのしく生きる』がついに登場! 大変だ〜!!!

ふざけた本

日本のプロテストシーンも様々で、権力者とガチンコバトル玉砕系、安全な場所からのインテリアタック系、選挙行けば世の中変わる系、はびこる悪は許さない系、自分はイケてる人間だからダサいデモとかは行かずアートで抽象的に表現系などなど、無数のスタイルがある。その中で重要な一角を占めているのが、“くだらない社会に対して、こっちはこっちで勝手な社会を作ってしまうことによって対抗してやれ”っていうスタイル。これは国内に限らず世界各国の悪い政府やロクでもない巨大企業によって戦争だの貧乏人からの搾取だのがまかり通ってる社会の中で、そんな連中による支配や経済圏から極力距離をとって勝手な社会(人間関係やらコミュニティ、遊び場やイベント、仕事、日常生活など含めて)を作って対抗しようという芸風。これ、高円寺でやっているいろんな店をバンバン作って、遊びも仕事も全部ひっくるめて作っていくという手法と共通してる。

社会運動がいよいよ下火になってくる90年代に生まれた“だめ連”は、そんな芸風の走りとも言える存在。ガチンコ玉砕系がいよいよ硫黄島の決戦のような状況に追い込まれてた当時の状況で、ケロッとマヌケな顔でひょっこり現れる。で、その数年ののちに自分が「法政の貧乏くささを守る会」を結成して騒ぎを起こし始めた頃、謎の集団「だめ連」の存在も知り、「なんだこいつらは〜!」とビビった覚えがある。当時の法政の貧乏くささを守る会は、ガチンコ突撃隊の別動隊みたいな感じで、奇策と奇襲専門の集団として完全にふざけたスタイルで敵のみぞおちに意表を突いたアタックをかけるような軍団だった。なので、基本的にだめ連とは毛色がだいぶ違ってはいたんだけど、いろんなところで遭遇するうちに、だめ連のむやみやたらと人のつながりを重視したり、気づいたら昼寝してるような手法から学ぶことは多かった。そう考えると、いま高円寺でいろんな店を作ってコミュニティを作ることや、アジア圏の大バカたちとの繋がりを重視して人をごちゃ混ぜにしていこうって作戦に勤しんでるのも、少なからずだめ連のインパクトはあったはず。

↑これ、ぺぺさんのセリフ。「ぺぺさんはなんでも受け入れすぎなんですよ」と文句を言って「松本くんは真面目に考えてないんだよ」と怒られるパターンは何度もあった。最後までソリが合わなかったな〜笑(仲悪かったわけではない)

と、そんなこんなで時代は流れ、資本主義の世の中もいよいよ限界がきて、そこに食らいついて生きてきた人々にどんどんしわ寄せが来まくって、ニッチもサッチも行かない人たちが急増してる現在。いま、資本主義的な価値観によって作り上げられてきた価値観に見切りをつけてローカルなところで勝手な社会を続々と作ることは超重要だし、今に至るまでだめ連が色々といい加減にのらりくらりと活動してきたことも超重要だったりもする。で、しかも、去年(2023年)惜しまれながら三途の川を渡って行ったペペ長谷川氏! そのペペ長谷川が残した完全にふざけた生き方をおさらいし、それを呑気に生き延びている神長恒一氏が最終的にまとめ上げたこの書は、相当ヤバい書!!
要するにこの書での重要なテーマは「資本主義がイケイケだった頃に作られたシステムの中に身を置いてたら、これからの時代は危なっかしくてしょうがないから、さっさとそこから離脱して別の秩序をこっちで作ってそこに身を寄せた方が安全だし先行き明るい!」ってこと。
いや〜、景気いいね。こうなったらさっさと勝手に生き始めて、巨大資本の権化みたいな人たちがテンヤワンヤになってるのをお茶でも飲みながら見物して、弱り果ててる元富豪たちに「ほら、言わんこっちゃねえ。金のことばかり考えてるからそんな目に遭うんだよ。わかったら心入れ替えてこっちへ来ねえ! これからは真面目に生きるんだぞ」と、説教の一つも垂れてマヌケな社会に招いてやるのもいい。

で、なんと! この本の巻末には、そんな話も含めて20数ページにわたる鼎談で参加してる。本の対談って、だいたいのおさらいみたいな話をふわっとやって終わるようなのもありがちだけど、神長さんと雨宮さんという面子もあって、この鼎談では結構深い重要な話まで触れてるので、これは必読!

と、この本の紹介しようかなと久々のブログ書いてたら、まんまと神長さんが例によってマヌケな顔をして「どうもどうも」と現れた! と言うわけで、うちの店(素人の乱5号店)でも販売する予定。

諸君! このふざけた本は読むしかない!!