各地の地下文化との架け橋となるべきヒマ人に高円寺に滞在してもらおうというマヌケ地下文化大使制度。始まってから2年以上が経ち、各地の面白い人たちが続々と就任し、働きもせずウロウロしていてくれるおかげで、いろんな人たちと仲良くなり、高円寺の国際化が激しく進んでいる。これまで就任したのはこんな感じ。韓国2名、上海1名、台湾3名、香港1名。東アジア圏各地からバランスよく就任してくれており、いいつながりがたくさんできてきている。
そこへ来て、ついに新大使として極東北アジアのアラスカからやって来ているSeth氏が就任! ロシアの東の果てのウラジオストクと同様、アラスカもアメリカ国内では「アラスカ? それどこ?」などと小バカにされて肩身の狭い思いをしている地域。そうなったら、我々アジア大バカ文化圏で暖かく受け入れて行こうではないか。そうだ、キミたちは本国からは遠いかもしれないけど、実はアジア圏で見たらすぐ近所なのだ! 一緒に遊ぶしかない! それに、元はといえばかなりアジア文化圏とのつながりも多いところだし。…と、言うわけで大バカ文化大使に就任〜! おめでとう〜
マヌケ地下文化大使についてはこちらを参照
https://maga9.jp/180725-3/
Seth氏についてはこちらを参照
https://matsumoto-hajime.com/blog/archives/565
Seth氏、英語と中国語が堪能なので(日本語はゼロ)、いろんな人と会話ができる。しかも風貌や挙動がマヌケすぎるので誰とでも友達になるというものすごい特技を持っている。就任直後にも池袋の中華料理屋でその辺のオッサンと親友に。こら〜、マヌケ文化ってそう言うことじゃないぞ!笑
でもまあ、いろんな人と仲良くなるのはいいことだ!
ちなみにSeth氏、本業は英語−中国語の翻訳なので、別にどこにいてもパソコンさえあれば仕事ができる。どこの国に行こうが、飛行機を乗り過ごして日本に長居しようがお構いなしだ。うーん、うらやましい生活!
さて、あまりにヒマだからボランティアでリサイクルショップを手伝ってみたいという。おー、それはこっちも助かるし、海外から来てる人からしたら面白いかもしれない。アラスカはアメリカなので、向こうで住んでる人たちは生活も完全にアメリカだ。日本の家に買い取りや配達に行くなんて珍しいに違いない。
ということで早速、重い棚を運ぶ事があったから「ちょっと手伝って〜」と助けを呼ぶ。で、Seth大使も「おお、行きたい行きたい! 日本人の普通の家なんて行った事ないし!」と大喜び。で、でかい図体で軽トラにに乗って出発〜〜〜〜〜
だが、残念ながら配達先に着いてみるとイラン大使館関連施設。あ、確かにこの配達頼んだ人、外人さんだった!
建物の前には当然のようにソレイマニ司令官の肖像画。そう、アメリカ軍によって殺害されたイラン軍の司令官で、この事件のおかげでアメリカとイランが一触即発の戦争寸前になった。一時よくニュースになってたので覚えてる。
さあ、気まずいのがアメリカ人のSeth氏。お客さんは日本語ができなかったのでSethにやり取りお願いしてたんだけど、玄関先で「ちわ〜、古道具屋でーす」みたいなことを英語で言うSeth氏。出てくるお客さんも「おや、古道具屋さんかい。早かったねえ」などと英語で言いつつも(こいつもしかしてアメリカ人では…)という感じで、完全に吉良上野介を見つけた赤穂浪士のような空気感だ。まずい! 当然、我々としては国家間のこととは別次元で国境を越えた独自の文化圏や交流圏を作ることを目指してはいるものの、やはり気まずいものは気まずい。Seth氏も「へい旦那、この簞笥はどちらへ置きやしょう」とにこやかに英語で話しつつ、「不是我,不是我。不是我害的(俺じゃない俺じゃない、俺のせいじゃないよ)」と中国語でブツブツ独り言を言いながらタンスを運ぶ。
搬入を終え、お互い気持ち良く「ごくろうさん」「まいどあり〜、またご贔屓に」ってなことを英語で挨拶して終わり。いや、やはり商売ってのは気持ちがいいね。
ところがSeth氏、後から「いや〜、あれは気まずかった〜」と帰りの軽トラの中でマヌケな苦笑い。確かに、トランプのバカが調子に乗ってイキがったことやってるおかげで、辺境の辺境もいいところ、全アメリカ人から存在すらも忘れ去られているペンギンとオーロラしかない僻地中の僻地アラスカ(言い過ぎかな?)の人が気まずい思いをするとは。
うーん、やはりSethはマヌケの運気がありそうだ。
ということで、今後はアラスカ大使による地下文化交流に期待大だ! 極東北アジアやアジア地下文化圏につながりを持ちたい人は高円寺に駆けつけよう!!