【報道】北中通り商店街で老兵が叛旗! 風雲急を告ぐ!

高円寺北中通り商店街の名物企画「北中夜市」。今年も、12月23日の最期の夜市を迎えようとしていた。基本的に毎月第3日曜日に開催だけど、最終回の12月のみは第4日曜日に開催が毎年のお決まり。なぜ12月だけ第4なのかというと、商店街の長老(元商店会長)の通称やぶじい(藪そば店主)とその一党が企画する餅つき大会があり「おい、おめーら。夜市やるんだったら餅つきに合わせてくれい」との厳しいお達しがあるためだ。

もちろん今年も年明けごろに日程を決める段階になり、長老たちの集いで「今年もこの日程で大丈夫でしょうか」とお伺いを立てたところ、「おうっ、それで行ってくれぃ」と快諾。ということで、今年の日程も確定し、北中夜市は順調に開催されてきた。最終月は12月23日の開催。

ところが! 12月も半ばにさしかかろうとする頃、事態は急変!!! 突如やぶじいが「23日は少し早えなぁどうも」などとブツブツ言い出した。うーん、このパターンはどうも雲行きがあやしい…。北中夜市運営側としては、12月だけ第4週目なので確認の問い合わせなども多く、かなり口を酸っぱくして12月は第4週目だから日程に気をつけてくださいねと言い続けてきた手前、この日程はもう意地でも動かせない。やぶさん頼むよ、変な気を起こさないでよね〜

しかし! やぶじいの決断は早かった! ある日突如として商店街に「もちつき12月25日」という看板が出され、商店街に激震が走った! ちなみに商店街の長老たちは誰もインターネットを使えないので、みんなに周知させるときは回覧板、火急の知らせの場合は商店街の中央に立て看板が出されるのがこれまでのしきたりだ。

謀ったなやぶじい! 商店街主催としてすでに決定している北中夜市に対して敢然と叛旗を翻し、別日程で対抗してくるとは!! もちつき vs 夜市、商店街を真っ二つに割った血で血を洗う戦いが、まさにいま繰り広げられようとしている! 北中通りの運命はいかに!?

北中通り商店街の最新情報を告げる看板。この看板に町人たちも続々と集まり商店街は大パニックに

戦乱の危機を迎え、戦々恐々とする雰囲気の中、ある日やぶじいが夜中に街をウロウロしていたので「ちょっと藪さん〜、今年のもちつきは23日にやらないんですかー?」と尋ねると、「23日はちょっと早いよ。せめて24日以降でないとカッコつかねえじゃん。なあ、そうだろ?」とのこと。全く意味がわからないが、とりあえず23は早すぎて24以降ならOKらしい。こりゃ大変だ。「やぶさん、勘弁してくださいよ〜。藪さんが23日にしろって言ったんじゃないですか〜。23日もちょっとは餅つきましょうよ」と説得すると「バカヤロウ、餅なんかついたら死んじゃうよ!」とのこと。返事の意味はほとんどわからないが、要はやりたくないということだろう。チキショー、このじじい〜、と、思ったら突如「ま、ちょっとぐらいやってみるか」という。おお、いいね! 相変わらず適当なノリだ!

そして23日の北中夜市当日。なんと天気は小雨。雨でフリマは厳しいのでキャンセルが続出し、北中夜市は雨天中止寸前に。ま、それでも出店したいという人は来てたので、参加費の徴収はなしにして無料での自由参加形式に変更。万事休す。北中夜市、ついに老兵の乱の軍門に下るのか!?

しかし、これはやばい! 無理にやぶじいに餅つき頼んだのに雨で売れなかったら、これは一大事だ。100%こっちにとばっちりが来る! しょうがないから「いや〜、お腹すいたなー」とか見え透いたこと言って焼きそばを大量に買ったりしてなんとか在庫を減らす。

たくさん作ったのに売れないのでムッとした表情のやぶじい。こういうときはだいたいうちに八つ当たりが来る

そして、雌雄を決する25日!

ほら、やっぱり人通り少ないじゃん!!

戦いは引き分けに! そして「やっぱり夜市と餅つきは同時にやんなきゃなあ。俺は最初からそう思ってたんだよ、わかるか、おめー?」とのこと。

めでたし、めでたし。