すでに2週間以上にわたってウロチョロしてきた『世界マヌケ反乱の手引書』(文庫版)の中四国巡業もいよいよ千秋楽を迎えようとしている。そう、最終日は伝説のスポット、鳥取・汽水空港。店主のモリくんとは長年の友達で東京ほかいろんなところで会ってはいたんだけど、なんだかんだと店には行ったことがなかったので、今回は楽しみ。やっと汽水空港に行ける〜
ただ、それを阻むのが津山の瓶チュー。そして打ち上げから始まる津山方式。翌朝、完全に二日酔いで、これはヤバい。いや〜、瓶チュー効くな〜。迂闊だった〜
ともかく、昼前には出発して鳥取方面に向かう。が、しばらく運転して気づくが、どう考えても酒が残っていて、完全に飲酒運転状態。これは死ぬと思い、ちょうどあった道の駅に入った瞬間に寝る。で、起きたらすでに夕方近くになってる。やべー! で、ちょうどモリくんから連絡が来ていて「5時ぐらいまでに来といてほしい」とのこと。おお、今から行けば5時前には着きそうなので、ちょうどいい!
ということで、早速出発。するとずっと坂道を登ってる。なんだなんだ、ずいぶん道が険しいじゃねえか、聞いてねえ。よくよく考えたら、車やらバイクなんかで来たことは何度もあるけど、いつも東西の道を通ってただけで、縦に中国縦断するの初めてかも。ぬかった!
道すがら急に寒くなってきて、街道沿いの温度計も「0度」の表示。嫌な予感しかしなかったんだけど、案の定、みぞれ混じりの雨が降り始め、あっという間に大粒の雪が降ってくる。そして路肩にはところどころ積もった雪。こちとら都内を走る軽商用車なので、一点の迷いもない二駆と動かざること山のごとしのノーマルタイヤ。雪の路面に対する恐怖心はそんじょそこらの雪国の奴らの比ではない。すかさず空き地に車を停めて地図を見ると、峠まではあと数キロ。峠を越えるとあとは下りなので高度も下がるので、おそらく雪はこの一帯だけだ。これはイチかバチかで行けるか!? ただ、峠を越えたあたりの道は、高い山に囲まれ、高低差があって大雪が降りやすい典型的な地形。峠の先の下る途中の集落の天気を見てみると(上の画像)、とんでもない大雪になってる。ましてや、下り坂の峠の雪道で夏タイヤ軽商用バン二駆は絶対死ぬ。しかも、まんまと東京のナンバーなので、そんな車で一人で勝手にスピンして路肩に頭から突っ込んでる醜態なんか晒そうもんなら、地元民たちから「まったく、これだから世間知らずの東京もんは」と、とんだ笑い者だ。ぐぬぬ〜、しかしこういう時は気合と根性があれば何事も突破できると、90年代に大学の先輩たちからはキツく教えられてきている。よ〜し、ここは気合と根性で死んでいった先輩たちの仇を討つ時がついにやってきた! よっしゃ、決死の覚悟で突破するか〜!!!
…と、思ったけど、やっぱり危ないからやめた。野郎ども、ずらかれ!
峠から10キロほど戻り、翌日も雪に埋もれることはないあたりに車を停める。鳥取まで距離としてはそこまで遠くないので、電車かバスで行こうと思ったが、そんなものはない。完全に山の中。しまった、騙された!
もう観念して、汽水空港のモリくんに電話して万事休すの旨を伝えると、「今から未曾有のヒマ人が車で迎えに行く!」とのこと。なんと!
汽水空港からは車で約40分。いや〜、申し訳ねえ〜
救いに来てくれたのは、なんと高知から来ていたヤマジさんという人。上の写真は、例の峠を越えた先の下り道。いや〜、こんなところ走ったら即死だった〜。誰だ〜、気合と根性でなんとかなるとか言ってたやつ。出てこーい!!
ま、そんなわけで、ようやくイベントの話。今回はこちら(下の画像)。
倉敷に続いてのだめ連神長さんに、東京芸大の毛利先生も交えてのトーク。各方面の特殊な専門家が作戦を練る集会。重要集会に遅刻して申し訳ない〜
約45分遅れぐらいで到着。すいませ〜ん、と入ると超満員。モリくんからは人口30人ぐらいの寒村みたいな勢いで聞いてたので、たまげる。盛り上がってるじゃねーか!!
序盤でピンチヒッター的に登場してくれていたのが、神戸に本部を置き、近年急速にその極めた道の勢力を拡大している広域廃屋組織の西村組初代組長(写真右から2番目)。今回は関東の勢力が山陰に現れることを聞きつけ、急遽神戸から一家の者とともに急行して来た。
そう、西村組の話は最近よく聞いていて、古い民家など廃屋を改造しまくってとんでもないスペースを開きまくっているという、面白すぎる軍団。いや〜、今度遊びに行ってみたい! っていうか、この日も西村組のやってることを紹介してたみたいだけど、遅刻して見損なった。チキショー、残念!
さて、トーク内容は、例によって文章化しても意味ないので割愛。鳥取と東京を繋げて何か面白いことが出来ないかって計画を練ったりして楽しかった。いや〜、いろんな案が出たけど、どれかは実現したい!
終了後、記念写真。
いつもは車で寝てたんだけど、車を謎の山中に置いて来たことをハッと思い出し、寝床がないことに気づく。ところが、この汽水空港のすぐそばで「たみ」というゲストハウスをやってる人(写真最左)がいたので、急遽チェックイン。モリくん、常々「田舎はマジで何もないですよ!」と言ってるけど、いろいろあるじゃねえか! すごい、助かった〜
ちなみに、このゲストハウス「たみ」に泊まったお客さんが、高円寺のマヌケゲストハウスに泊まりに来てくれることも多々ある。なので、お礼がてら、高円寺でも手持ち無沙汰そうにしてる海外からのお客さんなんかに「どこか別の街で面白いところはあるか?」と聞かれたら、たまに「たみ」のショップカード渡して、「ヨシ、ここへ言ってみろ!」と言ったりしてる。「トットリ? 何があるんだ?」と聞かれるが「何もないらしい! とりあえず行ってみるしかない!」とか無責任なこと言って送り出したりしてる。本当に向かったかどうかは不明。
最後に、汽水空港の壁にサインして帰ってというので、とりあえず定番の4コマ漫画。
ゲストハウス「たみ」の廊下。和室メインのいい感じのところで、高円寺の史上最低のゲストハウス=マヌケゲストハウスに泊まるより、この廊下の方が快適そうだ!
翌朝、また汽水空港に戻る。昨夜は暗闇の中かろうじて辿り着いたので、外観全く見てなかった。出ました〜、渋い!! 隣にやたらきれいな建物が建ってるのがまたいい。完全に21エモンのつづれ屋とホテル・ギャラクシー。
汽水空港↑
で、帰り際に駅前の喫茶店でモーニング。昭和レトロな喫茶店はやはり居心地がいいね〜
コーヒー飲みつつ昨日のイベントの続きのような雑談をしてると、いろんな悪知恵を働かせて切り抜ける悪だくみ作戦の一問一答集みたいな参考書テイストの本作った方がいいよ、みたいな話になり、まんまと「やりましょう!」と口車に乗せられ、安請け合い。しまった!
最も口車に乗せてくるのが、この男、ヤマジ氏。あれ、なんか聞いたことある名前だ。そう、何を隠そう、昨日の夜に雪の山奥まで迎えに来てくれた命の恩人。偉業を成し遂げた英雄なので、もう少し重宝されてもいい感じもするのだが、なぜか汽水空港ではパシリキャラが定着していて、この日はまたも山の向こうの車が立ち往生してるところまで送ってくれることに。いや〜、ありがてえ〜
と、いうわけで、前半はヒヤヒヤしつつも鳥取マヌケ作戦、無事終了〜。写真はいろいろ世話になった汽水空港のモリくんとアキナさん。
ありがとう〜、また遊びに来まーす。