本日、高円寺北中通り一帯で流通している週刊素人の乱が刊行され、ジャカルタとバリでの混乱具合の第一報が届いた。
韓国のチョルスン氏が、香港まで到着した時点で戻された事件を始め、池田さんがマンホールに二度落ちるなどのニュースが報じられた。
現物は下記の通り。現地での混乱具合を克明に報道。
素人の乱5号店・店主日記
本日、高円寺北中通り一帯で流通している週刊素人の乱が刊行され、ジャカルタとバリでの混乱具合の第一報が届いた。
韓国のチョルスン氏が、香港まで到着した時点で戻された事件を始め、池田さんがマンホールに二度落ちるなどのニュースが報じられた。
現物は下記の通り。現地での混乱具合を克明に報道。
さて、ジャカルタ作戦も無事に終わってお次はバリへ。バリというと観光地のイメージが強いが、いろんなスペースもあり面白いことをやってる奴らもいる。高円寺でも毎度お馴染みの台湾のバンドマンたちのグループ「愁城」も数ヶ月前に遊びに来たということで、その台湾つながりもあってWALHI BALIというスペースに遊びに行ってみた。
宿に着いたのがすでに結構遅かったので、夜中にバイクタクシーで向かったんだが、宿の近くの比較的店などもたくさんある賑やかなエリアを抜け、その後は街灯もほとんどない暗闇の中をひたすら走り続ける。う〜ん、いったいどこまで行くんだろう…、と不安になってくる。そして、40分ほどバイクで走ったところにある暗闇の中にポツンと明かりがあり、そこには小さな屋敷が! ギャー! これ完全に鬼太郎第1話に出てくる鬼太郎の親父が死んだ時の小屋と同じ状況だ! 助けて〜
と、思ったけどよく地図を見たら、むしろ市中心部の官庁街の近く。例えば東京で言えば神田みたいなポジションかな? 逆に中心部に近かったから暗かったみたい。いや〜、危ないところで死ぬところだった。まずはひと安心。
まずはそのスペースを少し紹介。ここの界隈に集まるバンドマン達などのたまり場でもあり、そんな彼らの作ったものも販売や展示している。そして、バリのリゾート開発に反対する活動の事務所も兼ねており、農民たちのサポートや開発反対デモを開催したりもしている。
このスペースの大御所のギラン氏で、彼も音楽をやっている。すごい優しい性格で、いろんなことをすごい丁寧に教えてくれた。共通の知り合いもたくさんいるし、数ヶ月前には高円寺のSUB Storeや新宿成田商店(IRA)、台湾の愁城などでも展示をやったのも記憶に新しい。
そういえば素人の乱のこともよく知っていてくれて、「高円寺再開発反対デモ最高だったね〜」などと喜んでくれた。で、そこからお互いのやってることの話になったんだけど、彼の運動哲学が面白く、いろんな人たちと一緒に物事を作っていきたいという。若者だけとか、真面目に運動を語るだけみたいに同じ感じの人たちだけでやるんじゃなくて、農民のおじちゃんやおばちゃん、老人やら子供やら、わけわからない人たちなんかと一緒に作ったりしたいし、開発反対のライブイベントのとき、パンクバンドばかりだけどあえて伝統音楽の人たちにの演奏してもらったり、いろいろ努力してるという。「大事なのはいろんなものを混ぜながら作ることなんだ」とのこと。おお! これ、数ヶ月前に韓国のYamagata Tweaksterが高円寺に来た時に語ってたこととすごいかぶってる! だから高円寺でやってるデモもいろんなミュージシャンや芸術家が参加したり、すごい楽しそうなものを大事にして作ってるのがすごい興味深いとのこと。「また高円寺行きたい!」と言ってたので、次のデモあたりでうまく来れたら面白いのにね〜〜
余談だけど、ギラン氏の名前だけは一発で覚えた。典型的な怪獣系の名前なので、これは日本人にも親しみやすい名前だ! でも彼は怪獣じゃなく、とてもいい人だ。
上の写真は庭の片隅の鉄壁に張り巡らされていたステッカー。バンドマンたちが多く、しかもパンクやハードコアの人たちが多いのでステッカーもその手のが多い。なんでこんなところに突如たくさん貼ってあるのか聞くと、ギラン氏いわく「いや〜、前はまさに入り口のドアに貼ってたんだけど、怖がって誰も入ってこないからドアをきれいにして、ステッカーはこっちに移した」という。なるほど、たしかにガイコツやら怖い顔やらがたくさんあったら、ただでさえ鬼太郎の親父が死んだ場所なのに、もっと怖くなる。やはりここにもなるべくいろんな人たちに来てもらいたいというコンセプトが。偉い!
とは言っても、裏手の中庭にはデモで使う道具なんかがたくさん置いてあり、やっぱりガイコツがある。ギャー、やっぱり助けて〜!
建物の外壁にはいろんな展示もある。おお、おもしろい!
中庭には謎のパンクあずま屋も。みんなここでタバコ吸ったりお茶飲んだり酒飲んだり。いいな〜、南国ならではのスペース。ここをステージとして、簡単なライブや上映会など屋外イベントもよくやるという。夜中遅くなのに話したり笑ったりしてすごい盛り上がってたけど特に苦情はほとんどないという。さらに「近所には小さい子供がいる家もあって、子供が寝られないとかわいそうだしね〜」と、優しい一面も。でも、ちょっと何かあったら警察に通報みたいな一億総神経質社会の日本とは「静か」の感覚がだいぶ違うんだろうな〜。うらやましい! 野外楽しそう!
ちなみに、先ほどの中庭のすぐ裏手にはこんな建物が。ギャー、やっぱり鬼太郎の親父の屋敷だ! 聞けば「もうだいぶ昔だけど、大きな屋敷を建てようとした人がいて、半分ぐらい完成したところでインドネシア経済が急に悪化して工事止まっちゃったんだよ。で、今もそのまま放置されてる」だって。やばい、これは楽しそう! でも、万が一この工事が再開して完成してしまうと、先ほどの中庭が通路になって無くなっちゃうのでそれが悩みの種だという。
リゾート開発が進み、農地を手放していく農家も多い中、まだ頑張って農家を続けている人たちをサポートする活動もやっている。時には農業を手伝ったり、その米を売ったり。おー、三里塚みたい。ということで、農民を応援する意味も兼ねて米1キロ買ってきました〜
さあ、一通りお互いの活動の理解を少し深めた後は恒例の大宴会! ちなみにこの日はこのスペースに泊めてもらうことになり、英語のかなりイカサマな自分が1人で一晩交流するとなればもう、こっちのペースで行くしかない。インドネシアはムスリムが多いので、なかなかみんながみんな会ったら飲みまくるなんて文化はそんなにない。ただ、イスラム教が強いジャカルタでも飲みまくって仲良くなったりしたので、比較的ヒンズー文化が強いバリはいけるはずだ! …という確信のもと、おそるおそる一番マヌケそうな顔してる青年を見抜き(←これが重要)、そいつにこっそり「さて、ビールでも買いに行きますか」と耳打ち。すると、ニカーッとした笑顔で待ってましたとばかりに「いま!? 買いに行っちゃう!? 俺も酒大好きだよ!」と言い出す。やっぱり!!!! よっしゃー、俺の感はやはり的中した!
案の定マヌケくん、酒のプロフェッショナルで「何が飲みたい? 強めなのだったら自分で作ったのもあるし、ビールだったら近くで手に入るよ」という。ま、とりあえずビールを飲むことになり、近所の店へ。この店、酒類は扱ってないはずなんだけど、「ま、俺に任しといてくれ」という。すかさず店のオッサンに何やら言って、店の裏で冷やしといてもらってるのを出してもらってる。おお、そんな裏技があるのか!
で、さっそく飲み会開始〜! ま、お互い語学力に限界があるので、込み入った話にならないのがまたいいところで、後はだいたいどうでもいい話をしたり、YouTubeなどでお互いの国の面白いバンドや音楽を教えたりしながら盛り上がるのはどこでも定番コース。で、さらに、ここはせっかくNO LIMIT BALI期間中の飲み会なので、アジア圏の人たちと飲みでどう仲良くなるかを伝授! 香港人や台湾人はこうやって飲むとか、中国人がこれを飲み出したら気をつけろとか、韓国人がこう飲み始めたらそれはこういう意味だ、などなど。逆にバリでの酒を飲む時の謎のルールなどを教えてもらったり、超面白かった。よし、マヌケなバリの諸君、これで次に東アジア圏のどこに行って飲み会に巻き込まれても全然大丈夫だ!
こちらはほかの東アジア圏のみんなで訪れた時の写真。それぞれ中国(各都市)、韓国、香港、台湾などでスペースを作ってる人たちなので、ギランたちとお互いの情報交換したり友達になったりしてすごいいい交流ができた。いや〜、なんだかんだ言ってこういう交流が今後に繋がるんだよね〜。これは楽しみ!
NO LIMIT JAKARTA 第二日目。この日はまずインドネシアの女性パンクシーンに関するドキュメンタリー『INI SCENE KAMI JUGA』の上映会で幕開け。上映後のトークショーでは「パンクシーンの中にもいろんなジェンダー問題がある。でも、何かしらの問題が発生した時にそれをみんなに訴えて支持してもらったり助けてもらったりするのでは根本的な解決にならない。こういうイベントや映画の上映などを通して、みんなが問題を理解するようになることが一番大事なことだ」という。素晴らしい。
ただ、本人達がインドネシア語でトークした内容を、登壇者の1人が要所要所英語で要約し、それを隣で聞いていた台湾人の阿翔が中国語でさらに要約てくれ、それをなんとか聞いて日本語で要約すると、長いトークショーの内容が上のような内容になった。こりゃいかん、やはりインドネシア語理解しないともったいない!
先ほどの上映会+トークショーが拍手喝采で終わると、そこですかさずジェロニモレーベルの上杉氏が突如勝手に登場していきなりライブを開始! さすが上杉氏。常に虎視眈々と隙を伺いタイミングを読んでいる。うまい! そう、寄席の休憩でトイレに出た瞬間に弁当売ってる売店に出くわしたり、野球場で回が変わる時にビールの売り子が来たりするあのタイミングだ! そして一方のインドネシア人たちも、車の渋滞が始まった瞬間に車道に入ってきてバナナとかタバコとか売りに来る売り子たちに慣れてるから、とごく自然に拍手と歓声で受け入れられてる。これはいいね!
そして、上杉ショーの次は中国の人たちのドキュメンタリー映画。こちらも中国での女性問題に関する映画の上映。ちなみに中国語って全て漢字で構成されてる言語なので、英語や日本語に比べて短時間ですごいたくさんの内容のことを伝えることができる。なので字幕のスピードがものすごい早い。インドネシアの人たち内容わかっただろうか…
そして、その後は映画『素人の乱』の上映。この日は前半に映画とかトークショーが集中してたので、飲みながら観ていたので迂闊にも夕方の時点で既に酔っ払ってくる。ちなみに、この映画すでに100回ぐらい観てる。
そして終わったら次は『NO LIMIT 東京自治区』の映画と、監督の児玉さんの挨拶。続けてみるとなんとなく変遷がわかって面白い。
上映会直後、「おい! お前ら面白いことやってるじゃねーか!」と、感激して話しかけてきたナントカくん(すまん、インドネシアの名前ってなかなか覚えにくい)。ナントカくんいわく、「いやー、国境クソ食らえだから、うちらも今ちょうど東南アジアのネットワーク作りまくって結託してるんだよ!!! お前らの東アジアネットワークと繋げたらヤバいことになるよ!」と、テンション上がってた。おお、こんなところに思わぬ同志が!! いっちょ結託しますか〜!! 世界の大バカたちがどんどん繋がっていけばものすごいことになることを知らしめてやる!!!! よし、まずは名前を思い出すところから開始だ!!
ナントカくん2と。彼は地元で開発に反対する運動やイベントもやっている。彼は日本の状況や高円寺の再開発反対のことなどにすごい共感してくれていて、そのZINEとTシャツをプレゼントしてくれた! ちなみに彼は東京にも遊びに来てくれて何度も飲んだりしたし、高円寺マヌケゲストハウスにも泊まってくれたり、インドネシアに来てからも何度も一緒に遊んだりしているので、いまさら名前を聞きにくくなってきたいつものあれだ。しまった! このブログを読んだみなさん、くれぐれも彼には名前を思い出せないことは極秘でお願いします!
さて、NO LIMIT JAKARTAのイベント名にWHY FESTIVALという名称が付けられており、この経緯が面白い。まずNO LIMIT JAKARTAの発端は、最近知り合ってきたインドネシアの人たちと話しているうちに「じゃ、インドネシアでなんかやりますか〜」っていうノリになったこと。そして、実際に具体的に話を進める段階になると、実は日本人は大して役に立たない。自分自身、実際に行ったこともなかったし、どこまでのことがどんな条件でできるのかなど、なかなか計り知れないところも多い。ということで、こちらからは他の国から参加するミュージシャンや企画、遊びに行く人の手配などに追われることになり、実際の現地での会場や宣伝などの実務はジャカルタサイドにかなり依存することに。
そして、ジャカルタサイドの頑張りが半端なくて、かなり大掛かりなイベントになってきたんだけど、日本を中心とした海外サイドは思ったほど役に立たない! で、ある時ジャカルタサイドでの会議の時に「あれっ! ところでうちら何でこんな大変な企画やってるんだっけ!」となって「WHYにしよう」となったとのこと。
最初はあまりネーミングは気にしてなかったけど、その経緯を聞いてから会場や装飾を見てみるとマヌケ感が半端ないことに気付く。
ジャカルタでは、割とチェーン展開しているゲストハウスに滞在していた。別に何の期待もしてなかったんだけど、これがまたよかった。
まず、スタッフのシフトがやばい。上の写真のおっちゃんが夜、その息子と思われる青年が昼。この12時間交代で永久に回ってる。この宿チェーン店っぽいけど他の支店とかそれぞれガラッと違う感じなので、直営で展開しているというよりもフランチャイズみたいな感じでブッキングのシステムを共有してる程度だと思う。なので、限りなく個人経営に近い様子。たまに日本のコンビニなどで、出勤時に寄っても帰宅前に寄っても、深夜に夜食を買いに行っても同じ店員だったりして、驚くときがある。コンビニの場合はその人の労働環境や健康が大丈夫か心配になるが、こういうゲストハウスみたいにのんびりした様子で働いてる場合は、謎の安定感があってたのもしい。しかもいつもマヌケな顔をしてやたらニコニコしている。
ついでだけど、インドネシア人って話しかけるとすぐニコーッとして返してくれるし、すごいやさしいのがいい。しかも一回話したら絶対覚えててくれて次からは会った時にいつもニコニコして「よう!」みたいな感じになる。第一印象ですごい親しみやすいので、あまり海外経験のない人でも受け入れやすいはずだ。ちなみに真逆なのが中国人。中国人はその辺の店なんかで話しかけても最高に無愛想で最高に態度が悪い。このため世界中で嫌われることが多いんだけど、実は中国人って中身はすごい優しくて親切。なので、最初の遭遇時に悪態つかれても別にその人は機嫌悪いわけじゃないので、もう一歩踏み込んで会話をしていくと急にものすごい態度が変わって心配してくれたり面倒見てくれたりするようになる。もちろん二度目からも超優しくなる。ま、要するにどこの人たちも中身は優しいんだけど、最初の表面的な感じが場所によっていろいろってこと。そんな意味でこのインドネシアは交流入門コースとしてもいいので、是非オススメだ。
あと、感動したのがインドネシア語しか通じないこと。普通、宿のカウンター業務なら英語ぐらい通じるんじゃないかと思うものの、それは大間違い。不得意どころじゃなくて本当に全く通じない。自分自身、英語は相当ひどいレベルだけど、超単純な会話ぐらいは何とかなるが、ここはそんなレベルじゃない。完全にゼロ。ま、もちろん我々外人としてはインドネシアに来た以上はインドネシア語を話すのが筋だ。でも、できない場合は向こうがこちらの言葉をできれば幸い。そしてどっちもダメな場合は共通で通じる言語を使うという順序になる。ということで、仕方ないのでこの宿での会話は基本的にgoogle翻訳。ま、お互いヒマ人なのでなので時間はたくさんあるからなんとかなったけど。
来てわかったけど、英語が通じないのはここだけじゃない。大学生や、各種イベントで会う人たち、空港やショッピングモール、観光地などでは英語通じるけど、それ以外、特にその辺の屋台でご飯を食べて、ボロい雑貨屋で日用品を調達したりして生活する分にはほとんど通じない。でもそう言う人たちの話す内容が一番面白そう。チキショーくやしい!
いや〜、しかしいま高円寺で「マヌケゲストハウス」をやってるけど、英語は大変。アジア訛りの英語で話されたら何とかなるけど、たまに米英訛りのわけのわからない英語で話すやつら(俗に言う普通の英語)がいて、やつらの話しは基本チンプンカンプンなので大変。「英語ももう少し使えないといけないなー」と思うこともたまにあったが、この堂々たるおっちゃんたちの姿を見ていると安心だ! たしかに世界には共通語的に使える言語は中国語やスペイン語など他にもいろいろあるし、とんだまぐれでスワヒリ語やタガログ語がお互い使える可能性だってある。やはり自分の交流圏に沿っていろんな言葉を少しづつでも覚えていくのが、異言語交流としては一番自然なやり方なんだろう。よーし、やはり英語は二の次だ。個人的にはやはり広東語と韓国語を少しはわかるのが先決だし、最近はどうもマレー・インドネシア語を話せたら楽しいことが増えそうな気もして来た! やはりそっちだ、そっち!
最後におまけ。そのゲストハウスはこちら。https://www.booking.com/hotel/id/oyo-141-fatmawati-cozy-residence.ja.html
NO LIMIT JAKARTA が開催されている現在も各地からいろんなマヌケな人が登場している。今回はそんな中でアジア圏でもトップクラスにマヌケな人物を少し紹介してみよう。
数年前から高円寺にもよく遊びにきてる、中国上海から来ている小船。彼女は基本的にアーティストで意味のわからないことばかりやっており、少し前には中国人観光客が大量に訪れる真冬の北海道で爆買いの中国人に雪を売るというバカすぎる企画を決行し、高円寺にもそのバカの名を轟かせた。雪を見たことがない南方の中国人が、すぐに水になって空気になってしまうことにも気付かずに間違って買っていったという。北海道で中国人が中国人に雪を売るのはすごい!
さて、まず余談だけど、自分ジャカルタでパスポートを紛失! パスポート入りのカバンを放ったらかしたまま飲み屋で酔いつぶれて寝ていただけでカバンが消えていた。う〜ん、まさかなくなるとは!
ということで、ジャカルタからバリに到着してすぐに、警察署に紛失届けを出しに行く。海外の警察署って怖いから嫌なんだよな〜
さて、そこで飛行機が同じだった例の小船もついて来てくれたんだけど、怖い顔をした警官たちもマヌケな顔をしてウロチョロしている小船をみて「なんかマヌケなやつがいるぞ」という感じに。すると、人を殴りそうな顔をしている警官たち、実は怖いのは顔だけで、実際は超マヌケなやつらだった。で、いきなり「ちょっとそこの彼女、ご飯でも食べなさい」と、なぜかご飯を勧めてくる。おお、なんだその悪運の強さは!
自分も少しつまむ程度にもらったが、いろいろ書類を書かないといけないので、怖い顔のマヌケなオッサンと別の机で紛失届けの書類を作成。しかし小船は死ぬほど食べ始め、おまわりさんたちの晩ごはんが全部なくなるぐらいの勢いで食べまくっている! おまわりさんたち、ニコニコしながら「もっと食べなさい」といいつつ、心なしか顔がちょっと寂しそうに。自分のパスポートが日本のだった上に、小船もカタコトの日本語で対応していたので、おまわりさんたちも完全に日本人だと勘違いしている。
おまわりさんたちの晩ごはんをあらかた食べ尽くした小船、「ありがとう、ありがとう。バリの警察は世界一だ」と、感謝しつつも適当なことを言いながら、カバンから食べかけの豆の袋をおもむろに出して、「お礼にこれをあげます」とか言いながら豆を振る舞う小船。晩ごはんがあらかたなくなったおまわりさんたちは、とりあえず豆に群がりみんなでムシャムシャ食べ始める。ヤバい! 浅草寺の鳩みたいだ!! 当然、日本の豆だと思っているおまわりさんたちも嬉しそうに「これはどこの豆なんだい?」と小船に尋ねると「中国の豆です」と答える。特別なもの以外は基本的に中国の食品をあげて喜ぶ人はあまりいないので、おまわりさんたちも「う〜ん、中国ね。いいね」などと、特に感想も言わずに食べるペースが若干落ちる。
書類作成が超適当なのもいい。一番怖い顔のオッサンがカタコトの日本語で「ドコデ、ナクシマシタカ?」と聞くので、「ジャカルタです!」と、答えると、「う〜ん、ジャカルタねえ…」と、少し考える。おそらくジャカルタだとそっちに連絡したりと仕事が増えるから面倒っぽい。すると、突然「よし! バリにしよう! バリだよな!」と言い出した。いいねー、この仕事っぷり。日本の警官や公務員も見習ってほしい。あるいは、小船がものすごい勢いで自分のご飯を食べているので、早く書類を作成したい可能性もある。そして「時間はいつ?」というが、無くしたのは一昨日だけど、バリってことになるとつじつまが合わなくなる。…などと考えていると「よし、まあ1時間前だな。よし、そうしよう」などと自分でどんどん進め始める。中国の豆にすらありつけなくなったら一大事だ。
そして、聞けばその場にいたおまわりさんたちのうちの1人が誕生日。なるほど、そういうことか! それでみんなでご飯を食べるつもりだったようだ。ちなみに、食べ物は全部すごい美味しかった。バリの料理はおいしい! …と、小船氏。
さて、バリの市内に向かい、みんなが泊まっている宿に到着すると、早くも大宴会に。バリ初日の上にジャカルタでは酒の入手が困難だったということもあり、やたら盛り上がる。すると、少しうるさかったようで、他の部屋のお客さんが突如謎の果物を二階から投げて来て、小船の前の机に落下! すると、さすが小船氏、怒っている人がいるとはったく気付かず「うわ〜、かわいい果物!」などと余計騒ぎ出した。ダメだこりゃ!
昼はだいたいこういう屋台でご飯を食べるんだけど、やたら安い。しかし辛い。だいたい家族でやってて、奥の部屋が家になってて、雑貨も売ってたりする。このコンパクトなサイズ感がいいね〜
とりあえずスーパーでビールを購入し、イベント会場に向かう香港チームの2人と台湾の阿翔
スケジュールはこんな感じ
ここは一階のライブハウス。例のインドネシアのバンド「夜のコウモリ」のメンバーがオーナー。聞けば彼らこの悪の巣窟ビル全部を所有してるとのこと。なんとインドネシアのスマトラかどこかにかつてあった王国の王族の末裔だったことが判明して、気づいたらこのビルが手に入っていた模様。う〜ん、そんなふざけた話があるのか! ずるい! うらやましい! ちなみにうちの松本家の先祖は瀬戸内海の島の海賊。かつては先祖代々伝わった家宝や財宝、屋敷もあったようだが、ひい爺さんの徳右衛門が恐ろしいほどのゴキゲンな大酒飲みで、酔っ払って機嫌よくなっちゃって財宝を人にあげちゃったりして、結局一文無しになったと言う話をうちの親父から聞いたことがある。いやー、えらい違いだ! しかし徳右衛門いいね、友達になりそうだ!
そして出ました、韓国のYamagata Tweakster。この悪の巣窟ビルの一階駐車場ステージでライブ開始。インドネシアでの知名度ゼロの状態で周りはパンクスばかり。これでどうやらかすのかと思ったら、もちろん心配は無用。いつものめちゃくちゃなパフォーマンスで会場を大混乱に。ちゃんとインドネシア語でアジアの連帯を呼びかける文を読み上げたりして盛り上げたり、最終的にはいつものように勝手に街に繰り出して大通りの車を止めたり(ジャカルタの道路は超危ない)とメチャクチャやってジャカルタを大混乱に! ライブ開始時には「なんだこいつは?」というみんなの視線も、最後にはみんなが超盛り上がってる感じで、やはりYamagataの腕前はヤバい!!!
さて、そんな頃、上のMONDOでは韓国チームによる、韓国ギターメーカーのコルトに関するドキュメンタリー映画の上映イベント。韓国有数のこのメーカー、実は超ブラック企業で多くの問題を引き起こし、韓国のインディーミュージシャンたちがそんな会社の作ったもので音楽をやれるか〜、と怒ってその労働者たちと連帯した話。で、結局この会社、韓国の工場を撤退してインドネシアに逃げ、いまはインドネシアにその工場があるとのこと。ということで、インドネシアでこの上映会をやることはとても重要とのこと。
ちなみに、この韓国チーム、インドネシア作戦がおわったらすぐ韓国に戻り、14日から3日間この反コルトの巨大な音楽フェスを開催するとのこと。興味ある人は是非ソウルに行ってみよう。今からならまだチケット間に合うよ〜
初日も無事終了して宿に帰る途中、お腹が空いたのでナシゴレンの屋台に寄る。すると店のマスター、「はいよ〜、じゃあこちらで」と地面に布を敷いてくれる。おお、ここで食べると言うことか。これはいいね〜! 楽しそう!
ちなみにインドネシアにきてすごい思うのは、みんなやたら地面に座る。例えばライブ会場でもそうで、ステージ前の盛り上がってるところには人が集まってるけど、ちょっとゆっくりしたい人は後方や脇の方に遠巻きに見てる。これはどこも同じ光景だが、欧米では絶対に後ろの方の人が立ってるのに、こっちではみんな絶対に地面に座ってる。イベント会場の外でもそうで、パンクたちがみんな座ってる。よく考えたら日本や韓国、台湾などはその中間で立ってウロウロしてることが結構多いけど、基本的には畳文化ということもあり室内室外問わず地面に座ってダラダラしてることも多い。インドネシア人いわく「やはり体の作りが違うからアジア人はこっちの方が楽なんだよ、たぶん」という。うーん、納得。
で、そのままナシゴレンやミーゴレンを食べる。やはり地面に座ってると、容易にどかない感じの居座ってる感がすごい。立ってウロウロしてる時、イスに座ってる時、地面の時を比べると徐々に動かない感じが出る。これ、いいねー。重要だね、勝手に居座るの。
ジャカルタ入り二日目の12月7日、大部分の海外からの参加者はこの日に到着するということで、この日は完全に旅行会社の添乗員の行動。「あ、◯◯さんご到着、はいこちらの宿へどうぞ」「△△さん、あなたはこちらじゃなくてあっちの宿へ、今お連れしますね〜」こんな感じ。そんななか、みんな超楽しそうに街に遊びに行ったりしてやがる。チキショ〜
インドネシアは宗教上のこともあって基本お酒があまりない。しかし、これまで東アジア圏で飲みまくりながら交流してきたこともあり、けっこう酒は必須。しかも東アジア大バカ圏で屈指の酒豪の韓国のサンヒョンなどは到着早々「ビール飲みたい〜、焼酎も欲しい〜」と騒ぎまくる。酒は諦めつつも食堂に入ってご飯を食べていると、韓国チームが「あ! ビールあるよ!」と、売店の冷蔵庫の中から目ざとく発見! さっそく飲み会が始まる!
インドネシアでは公然と呑んだくれるのは違法ではないものの、完全に堕落した人間たちとしか見られないことが多い。お店の2〜3歳ぐらいの女の子がじっとこちらを不思議そうに見入ってるが、お母さんが「見ちゃいけません!」みたいな感じ(笑)。食堂のご主人なんかあまりに面白がって「ちょっと撮影していい?」と、謎の東アジア人が呑んだくれてるところを撮影する。やばい、完全に動物園みたいだ!
そして、旅行社の添乗員の仕事を一通り終えると、じゃ、悪の巣窟(MONDO)で前夜祭をやろうということに。
しかし、約束の時間をだいぶ遅刻して到着してみると、京都から最も高いテンションで登場したジェロニモレーベルのヒデヨヴィッチ上杉氏が「誰もおらんやないか」と1人晩酌してる。これは切ない! というかみんな時間感覚が遅すぎる!
このあとアジア圏各国組も続々現れ、謎の飲み会に。ついに祭りが始まる!!!!
ジャカルタ初日の12月6日、空港で中国広州から到着した2人と合流し、市内へ向かう。
宿に到着して屋台でご飯を食べるが、100円程度。うーん、最近東アジア圏も物価が上がって来てどこも似たような値段感覚だったけど、インドネシアはまだ激安だった。しかし、何を食べても超辛いのが問題!
とりあえず、街の感じがいい。工事中のところもそのままなので、突如歩道に平気で巨大な穴が空いてたり、危険な巨大な金属片が散乱してたりしてる。日本などでは「歩きスマホはやめましょう」みたいなことをよく宣伝してるが、こっちではっそんな必要なし。携帯なんか見ながら歩いてたら100%大ケガするし、普通にバイクで乗って来たやつにかっぱらわれて一瞬で無くなるという。いや〜、この緊張感がある街っていいねー
それにこのみんなの働きぶりがいい。みんなよく海外に行くと、「どこどこの国はゆるく働いてていいね〜」みたいに思うけど、実は日本が異常なだけで他の国はけっこう油断しながら働いてることをお忘れなく。用もないのに働いてるふりをしないといけない謎の文化など日本だけなのだ。
出ました〜! ここが今回のNO LIMIT JAKARTAの開催地となる恐怖のビル。一階はROSSIというライブハウスで、去年のNO LIMIT SEOULや2月の高円寺一揆などにも参加したジャカルタのバンド「夜のコウモリ」が運営している。そして上の階にはMONDOというカフェバー、他の階には事務所やスタジオなどいろいろあって最強のビルだ。
とりあえずMONDOカフェでボスのシュンさんと飲みながら軽く相談。最近のジャカルタはイスラム教が強くなって来ており、いろいろ大変なことも多いとのこと。2年前からはコンビニで酒を売ることも禁止になったし、ラマダンの時期には白装束のバット持った謎の軍団が酒とか売ってる店に襲撃してくるとのこと。う〜ん、それは厳しい。もし高円寺がジャカルタにあったら、一晩にして焼け野原になるに違いない…。
インドネシアのジャカルタにやって来ました〜! また新たなアジア大バカの新作戦が勃発目前! 皆さん、今からでもジャカルタに駆けつけるしかない!
とりあえず空港に到着。今回の壮大な計画のためにアジア各地からまたもマヌケたちが集結する予定。ちょうど数時間後に中国の友達がクアラルンプールからこちらへ向かうという情報が入ったので、空港で待つ事にした。
さ〜、じゃとりあえず一寝入りしよう、と、空港のベンチで寝ようとしたら大量の蚊が襲って来て寝られない!! チキショー、金鳥の蚊取線香焚くぞコノヤロー!
頭に来たのでコンビニに急行。金鳥の渦巻なし。アースもフマキラーもなし。コンチキショー、さてはお前ら蚊とグルだな〜
いいよ、いいよ、そっちが寝かさねえってんならこっちだって考えがあらあ。ざまあみろってんだ蚊の野郎ども。あとで泣き言言ったって構ってやんねえからな。
と、ビールでも飲みながら中国人を待とうとしたら売ってない。死ぬほど飲み物あるのに、一本もない。…今度はその手か? うぬー、ずいぶん用意周到じゃねーか。チキショー、なんかそれっぽいの探してやる。いくらなんでもなんかあるはずだ。
あった〜〜! インドネシアビールのBINTANG。蚊はおとなしく家にでも帰って寝てやがれ。
ギャー! 恐ろしくまずい! しかもよく見たらアルコール0%!
ということで、インドネシア作戦始まりまーす!
新宿・大久保にあるあらばき協働印刷という小さい印刷屋さんがある。ここは、以前素人の乱を始める前に新宿に住んでいるころから付き合いのあるところで、おばちゃんが頑張ってやってる。
普通の印刷もやりつつ、市民運動のチラシや本を印刷したり、大久保の町内の企画などに尽力したり、大久保という地域がらもあり多文化共生のイベントに関わったり、いろいろやる気満々のおばちゃんだ。
ところが、急に引っ越さないといけない事になったとのことで、おばちゃん急遽てんやわんや! で、「素人の乱で引き取れるものないか」と連絡をもらったので、緊急出動!! しかし! やはり印刷屋さんとあって大型の古い事務用品ばかりで、残念ながらうちで引き取れるものはほとんどなし。いや〜、おばちゃんも困ってるので時間さえあればいくらでも手伝ってあげられるんだけど、ちょうど運悪い事に明日から東京を留守にしてしまうので何もできず。
う〜ん、年末ごろか年明けてからだったら結構動けるんだけどな〜。おばちゃん「まあ、そりゃしょうがないねぇ。なんとかするよりないわなあ」と、完全に日本昔ばなしみたいになってる。
昔からたくましいおばちゃんなので、無理となったらさっと切り上げ、やたら世間話に移行。おばちゃん、後ろ手に人をジロジロ見回し始めたと思ったら「しかしアンタも変わらないねえ」と言い出す。やばい、完全に孫の扱いになってきた! これはもう逆らえない。そして、最近やってることとかいろいろ教えてくれた。いや、こういうおばちゃんがいろいろやったりしてるのを聞くと、なんだか心強くなるね〜
ところでおばちゃん、最近これまでやって来たことをまとめた本を書いたという。おお、これはすごい! しかしおばちゃん「本作ったのはいいんだけど、後から気が付いたら個人情報とか書きすぎて売れないんだよ」という。おばちゃんいいね、マヌケすぎる!
「時には一台のタイプライターが自由への武器となる」
本の裏表紙に書かれたコメントが渋い。いいね〜、こういう印刷屋さんには残って欲しいねー
あらばき協働印刷、引っ越すので片付けるというので、もしかしたらやめちゃんじゃないかと心配になったけど「まだやめないよ!」と、おばちゃん。おー、いいですね〜。でも引越しのこととかすごい大変そうだったので、何か手伝ってあげたら喜ぶよー。
ということで、事務所は移転しても営業は同様に続けるとの事。サイトはこちら。印刷とかする人いたら注文してあげて〜