豊橋作戦② 豊橋市街地へ! 豊橋は名古屋にあらず!!

さあ、引き続き豊橋作戦(豊橋作戦①はコチラ)。久々に訪れた貧乏学生の聖地・愛知大学を後にして、いざ豊橋の街へ。まずは、愛大裏通りにある喫茶店「カチカチ山」へ。カフェじゃなくて喫茶店。20年前の当時も何度かきたことはあるが、いずれも二日酔いで頭が割れそうな状態でモーニングを食べにきた感じ。うーん、何も変わってない。

店内には、紹介された新聞記事が貼ってある。「昔は満席 人気の食堂」という、微妙に失礼な見出しの記事。確かに愛大周辺には激安の渋い食堂が林立してた。

壁にはもちろん東京も大阪も載ってない豊橋中心の中京圏地図。まいりました。

席に着くと、すかさずマスターがやってきて一緖に席に着く。「何年度の卒業生だったら、〇〇さんだ。あの人この間きたよ」とか「〇〇年度の演劇部は〇〇くん知ってる?」とか、過去20〜30年に遡って明確に覚えてる。まさに生きる愛大人名事典! 店内の壁にも、〇〇さんがパフェを4分で食べたとか、謎の情報が大量に貼ってあるので、過去のお客さんの情報は全てお見通しだ。
ただ、コロナでお客さんが激減しているらしく、マスターも「大変だよ。お客さんゼロだよ〜!!」という割には、やたら陽気で楽しそうだ。まあ、確かに今は愛大もリモート授業のようで、確かにそれじゃ商売上がったりだ。正門付近の店と違って、カチカチ山は裏通りにあるので、愛大以外は完全に住宅地のど真ん中だ。これは確かに大変かもな〜
ちなみに、いきなり話で盛り上がりまくり、注文させてくれない。注文できたのは、約30分後。
気になる愛大野宿研究会のこともここで情報ゲット。「あそこは少し前になくなっちゃったな〜。20年前だったら、〇〇部とも兼部してた〇〇くんは知ってるかい?」などと、スーパーコンピューター並みの精度の情報。これはヤバい!!!! 下手したら愛知大学の学生課なんかよりはるかに詳しいはずだ!!!

さすが大学付近の喫茶店。ちょっとした集まりでも使えるように、大きめの部屋も用意されている。で、天井を見ると…。出ました〜、これがカチカチ山スーパーコンピューターの全手動データベースか!!!! というか、卒業生が残していったメッセージやら写真など! う〜ん、これは圧巻。これはお客さんたちから愛されてる証拠。店長がコロコロ変わったり、人間味を出さないことに血道をあげている大手チェーン店などには絶対にできない芸当だ。すごい!

店を後にすると、マスターすかさずInstagramに!!! マスター、仕事早い! ドサクサにまぎれて卒業生ということになってる!

ところで、豊橋の観光地ってなんだっけ。と、聞くと「そんなものはない」と豊橋人の永田さん。
「そういえば海がある」というので、行ってみると、日本のどこにでもありそうな、ただの海が出現! これはすごい! おお、ようやく観光客気分だ! よーし、今日はアメリカまで泳いじゃおうかな〜♪

…と、思ったけど、ダメだ! 台風が接近中らしく海が荒れまくってる。こりゃ、本当にアメリカまで流されかねない。怖すぎる! よ〜し、野郎ども、ずらかるぞ!

「ここが豊橋の最繁華街ですよ」と紹介する永田さん

飲んだくれで有名な永田さんなので、自然な流れで「じゃ、飲みにでも行こう!」ということに。
ひととおり、豊橋の中心地を案内してくれたあと、「とりあえず、豊橋の一番いいところに行きましょう!」という。おお、そんなお金持ってきてないよ。大丈夫かな〜

心配も束の間。安心の立飲み「あさひ」に到着! これか!!!
閉まりかけてたけど、ギリギリ入れてくれた。店の作りは、入り口が二つあり、片方がカウンターの立ち飲みスペース。もう一方は棚が並んでて物置みたいな部屋になってる。この作り、たぶん昔は酒屋さんで、その一角に立ち飲みスペースを作ってたんだろう。典型的な角打ちスタイルの店構え。

立ち飲み屋が異常に馴染んでる貫禄の永田さんと、おばあちゃんの服を着てるのでこれまた馴染んでるユミちゃん

店内は、仕事帰りと思われるオッチャンたちがごった返してて、やたら盛り上がってる。これはいい雰囲気だ。とりあえず、味付けたまごと煮込みとビール。これは最高。
閉店も近かったので、20分ほどでさっと切り上げる。これ、完全に江戸っ子の飲み方だ。立ち飲みなので、店の大将が「そろそろ看板だよ」というと、みんなお勘定してさっと帰っちゃう感じ。変にダラダラしなくて、この辺も立ち飲みの気持ちのいいところ。

「じゃ、次はこっちに」と案内されたのが、偶然同じ名前の「あさひ」。さっきの立ち飲み屋とは、経営も全く別。完全に永田さん行きつけの店のようで、大将も「おう、来たね!」とご機嫌。ここはまた、常連客しかいない、いぶし銀の大衆居酒屋。テレビはもちろん野球中継。

この辺りで、仕事を終えた人々も合流してくる。豊橋市の職員や、楽器屋の店主にして豊橋音楽シーンの重要人物の白井さんなどなど、徐々に謎の顔ぶれに!!
しかしみんな豊橋愛が強くていい。昔からそうだけど、豊橋人たちの「名古屋じゃない」意識が超いい。その昔、それこそ20年ぐらい前、東京で『貧乏人新聞』というのを作っていた時、愛大の仲間が愛大版を作り始めた時も、『貧乏人新聞・東三河版』だった。初めてそれを聞いた時は、東三河って、ずいぶん日本を細かく細分化するな〜、と思ったが、当時の愛大生達もここは「名古屋じゃない論」を熱弁。名古屋は尾張だけど、豊橋は三河。しかも、三河の中でも東側なので愛知県の中でも名古屋とは全く文化の違うところなのだ。食べ物も違えば方言も違う。だから、豊橋人にとっては、名古屋にはなんの親近感もないし、愛知県という謎のくくりの県にもそんなに興味がない。重要なのは豊橋、もしくは東三河だ。
豊橋へ遊びに行く初心者の一番犯しやすいミスは「豊橋ってどこだっけ。ああ、愛知県? 名古屋のあたりか。行ったことあるよ! いや〜、楽しいよね名古屋」って感じ。これは豊橋人のテンションが急落するので要注意だ。なので、豊橋に遊びに行く人は、とりあえず「名古屋」と「愛知」という単語を忘れるべし。

さあ、次は三軒目。店を変えるたびに人数が増えてくるのがまたいいね〜。豊橋人がヤバいのか、永田一味がヤバいのか。でも、当時の愛知大学の奴らも相当ヤバかったから、これは豊橋パワーの可能性も大。
次は水上亭という店。ここは前からある店なんだけど、最近店舗を移転したばかりなので、新しい店構え。どこへ行っても、店主も知り合いだし、偶然入ってきたお客さんも「おお、何やってんの!」みたいな感じで知り合い。いや〜、こういうところ、町は違うけど高円寺と同じだね〜。というか、そこそこの規模になると、どこの街にもこういうコミュニティーってある。よく、地方都市や田舎の人が、「東京はいろんな人が集まってるからいいけど、田舎は何もない」みたいなことを言うけど、そんなことはない。実は日本各地にはいろんな面白い奴らや面白い店が大量に散らばっているのだ。で、そこで面白い情報が伝わったり、困ってる人を助けたりっていうことが起こる、とても重要なもの。退屈してる人は、こういうところにどんどん紛れ込んだり遊びに行ったりしてみるといい。何かが起こる!
あ、ちなみに、そういうコミュニティーを破壊するのが街の再開発。これ、本当にやっちゃいけないことだね〜

さらに、豊橋重要スポットについての密談。「豊橋ならここに行くべきだ!」みたいなのが続々と出てくる。ヤバい、これ豊橋を網羅するのに一週間ぐらいかかりそう! というか、豊橋人のみんなが口を揃えていうのが「何かのついでに豊橋に来る人はいるけど、わざわざ豊橋目当てに来て、しかもしばらくいるなんて、そんな奴はまずいない」とのこと。
ということで、みんなから謎の建築物から謎の食べ物まで、豊橋のいろんなものをレクチャーされる。うーん、だんだん詳しくなってきた!!

豊橋市職員の人からもらった名刺。見よ! この「愛知県」の文字の小ささ。言うまでもなく、東三河の方が重要。これが豊橋の生き様だ!!!!