【杉並区議選特集】社民党ついに滅亡か!? 〜青砥氏、決死の戦い〜

昨日も少し紹介した杉並区議会選挙の続報。というか、社民党について。

すでに昨日紹介した社民党事件で、いよいよ滅亡目前になっている社民党。投票は明日なので今回はざんねんながら0議席確定だが、事件発生以来は社民党の人々の右往左往っぷりがやばかった。

さすがに選挙目前の時点で、選挙事務所の準備やら支持者への挨拶やらいろいろ準備が整ってたところに、まさかの他党への寝返り。これは杉並区内の社民党のおじちゃんおばちゃんたちだけじゃなくて本部も含め大パニックの反乱劇だ。自分は社民党員でも何でもないんだけど、知り合いも多い。

ちょうど1ヶ月ほど前、はじめにこの事件が発生したときは当然そんなこと知る由もなかった。たまたま自分の店で店番をしていると、商店街の近所の社民党のオッサンが憮然とした顔で「おい、松本くん」と、店に入ってきた。聞けば昨日紹介した映画のようなな寝返り劇が繰り広げられ、社民党や支持者たちが「選挙目前にして投票する人がいなくなった!」と、途方にくれたり、弱り切ったりしているという。うーん、そりゃ気の毒に。2議席が1とかじゃなくて、1議席がゼロだから、そりゃ困るよなみんな。「俺たちどうすりゃいいんだ!」と、関係者含め杉並区内で大パニックになってるという。

で、同情してると、社民党の人が言うには「ところで党内にはキミを推す声がある。どうかね松本くん」という。そんなバカな! 「いや〜、店があるし無理ですよそれは〜」と、断る。すると「そうだよな〜」と、あらかじめ分かってたかのような反応で「で、誰かいい人いないかね」だって。で、いつもデモなどでサウンドシステムを出してくれる穴水さんという人がいいんじゃないかと推薦。世の中で何かあるたびに「冗談じゃねえ!」といつも怒りまくってるので、これは適任! ということで何度かオファーしてみるが、結局「来月? 無理に決まってんだろ。仕事入っちゃってるよ」とのこと。そりゃそうだ、町内のゴミ出し当番じゃないんだから、そんなの無理に決まってる。社民党のオッチャンも「そりゃそうだよな〜」と、肩を落とし、「こんな直前になって、どうしろってんだ! 全くよぅ〜。なんなんだ、いったい!!」と、怒りが増幅する一方。

しかし、社民党も昔からいい加減さがいいところで、それが多様性や懐の広さとなっていろんなものを受け入れてきたが、それによって失敗して足元をすくわれて大パニックになることが多かった。そこがマヌケさ全開で端から見てると親しみが湧く。今回なども社民党が生き残るかどうかの最期の決戦を前にして残された人々が勢揃いで気勢を上げていたときに、当の候補者が逃亡して、「あれ! あいついねえ!」という完全にマヌケすぎる事態に! いや〜、この事件全然笑えない大変なのはわかるけど、やっぱりいいね〜このマヌケさ。

ということで、さすがに社民とにも義理はあるので「じゃあ、誰かよさそうな人探してみますね」とのことになり、この件は終わるかに思われた。

しかし、4月に入り事態は動く。10年ぐらい前に札幌で知り合った友達で、かなり大バカで結構仲良くしてた友達がいるんだけど、その後社民党から誘われて地方議員の選挙に立候補して(社民党の懐の広さ)、それ以降はあまり連絡もしてなかった。で、4月のある日、久々に電話がかかってきて「松本くん、久しぶり〜!!!!」という。何かと思えば「選挙出ない?」という。ギャー!!! そんなバカな! 公明党が昔の卒業アルバムとか使って電話してきて「一票お願いします」ってのはよくある話だけど、「久しぶり〜、選挙出ない?」って、そんなバカな話あるか〜!!! その友達は公明党みたいに気持ち悪い選挙作戦とかやる人じゃないので、まあよほど杉並社民党が弱り果てて頭を抱えてるのが津々浦々まで広がってるんだろう。うーん、いよいよ哀れだ…。

さあ! そこで現れたのがついに真打ち登場。ついにこの男が動いた! かつて杉並区で社民党で立候補しまくってたけど、あまりに幸薄い顔をしていたからか落選しまくっていた伝説の男だ。あいつが動いた!!

これは10数年前のポスター。当時でもくたびれてたので、今はもっとくたびれたオッサンになっている

こいつ。青砥くん。

ただ、こいつ超面白いやつで、10数年前に立候補してた選挙期間中も「いや〜、生きてても何もいいことないですね」「もうみんな死ぬしかないんじゃないですかねぇ〜」みたいにボヤいたり、幸薄さがほぼネタ化していて、とりあえず景気の悪いことしか言わないという、最高に面白いやつだった。

その幸薄い青砥くんも今や社民党本部の重鎮。おお、すごい! 大きくなったな、青砥くん! いや、違う。社民党が小さくなったのか。

そしてまた電話して来て「松本くん、たまには飲みましょうよ」という、不幸そうな電話! で、すぐに高円寺に飛んできて「いや〜、どうですか最近。やっぱり景気悪いですか?」みたいな失礼な挨拶から。うーん、相変わらずだ!! そして待ってましたとばかりに「どうですか、出ませんか?」と、予想通りのオファー。「出ない出ない」と断っても「じゃ、どうしたら出ますかね〜」などとやたら食い下がる。「そもそも政治家は向いてないからね〜、なりたくないし」とちゃんと断っても「いや〜、そこをなんとか松本先生」と、しぶとい。

これはやばそうなので、ケムに巻くために「ま、飲みながらでも」と、高円寺で屈指のめちゃくちゃな飲み屋「なんとかBAR」に移動。で、いよいよ俺が出なそうだとわかると「そうですか〜、もう何十人にも断られてて、あとは松本さんしかいないんですよ〜」という。おい! それ誘う時に言っちゃいけないことじゃないのか!?

そして、「こまったなぁ〜、誰かいないですかね〜」と、財布をすられたような顔で宙を見る。聞けば翌日に本部の会議があるらしく、そこで公認候補を決定するとのことで、そこがタイムリミットだという。いよいよ煮詰まって来て、あまりに不憫なので相談に乗ってあげる。いろんな知り合いの顔を思い浮かべ、「そういえば人当たりいいしデモとかもよくいく兄ちゃんがいたな〜」→青砥「よし、その人にしましょう!」→「あ、ダメだ今仕事で忙しそうなんだった」→青「そうですか〜、もう社民党は終わりだ…」→「あ、そういえばやたら性格明るい女の子で社会に関心もある人がいた」→青「その方に決定で!」→「ダメだ、選挙のとき日本にいないらしい」→青「残念、ボクは人生どうしたらいいんでしょう」…と、ずっとこんな感じ。っていうか、そんな簡単に候補者決めていいのか!!!(笑)

最後のあがきを頑張って来た青砥くんだが、万策尽きたとなると、もうヤケになるしかない。借金まみれなのにリストラされたサラリーマンみたいな感じで、最後の底力を発揮しまくる青砥くん。これは強い! そんな活力まだ残ってたんだ!!! しかもスーツ着て来て飲んでたから、それがだんだんヨレて来てる感じが新橋のガード下みたいで最高。「もう時間がない!」と、ついには飲み屋で飲んでる人に片っ端から声をかけまくる。「お兄さん、どう? 選挙。でない?」→「いや、俺、中野区民なんですよ」、「お姉さん、選挙出ない!?」→「出たい出たい!!」→「歳は何歳? えっ、22歳? ダメダメ、出られるの25歳から。3年後は社民党ないよ!」、「キミ、立候補しない? 出ちゃいなよ」→「スイマセン、ワタシ、外国人ダカラ」。

と、最後の奮戦も虚しく時間切れ! いよいよ帰らなければいけない時間になり、「みなさん、今日はありがとうございました。お互い生きてたらまた会いましょう」と、縁起でもないこと言って去っていく。哀れに思い、みんなも「気を落とさずにな」「いいことあるよ」と声をかけ、肩を叩きつつ見送る。そして青砥くんの哀愁の後ろ姿をみんなで固唾を飲んで見守る。社民党の滅亡、なんとか1日でも先送りできないものだろうか。

社民党、がんばれよ〜!