高円寺のマヌケ宿泊所がいよいよ存亡の危機を迎えている。これまで莫大な赤字を抱えつつも「面白いから」というところのみで営業を続けてきたが、なんと3月にガス給湯設備が突如全壊! シャワーからキッチンの給湯まで全てストップ。大家さんはなんでも好き勝手やらせてくれる代わりに何もしてくれないという典型的なロクデナシ大家さん。修理などしてくれない。当然、お客さんからしたら「ギャー、水風呂になった!」と、大パニック。とりあえず平謝りして銭湯券を配りまくってその場は事なきを得るが、そんなこといつまでもやってられないので、やむなく全て自腹で給湯システムを新品に全交換。チキショー、死んじゃう! と、そんなタイミングで大家さんからは「6月末で更新だからね」とのお達し! なんと1ヶ月分の家賃29万円を更新料として用意しないといけないことに。やばい、万事休す!!! 無理~~~。ということで、ついに倒産必至の状態へ。
さて、いざ倒産近しとなってくると、やはりもったいない気もしてくる。
元はというと、各地から高円寺に来てくれる人たちが数時間や1日で帰っちゃうんじゃ、表面的なところしか見えなくてもったいない。長めに滞在してもらって、もっと高円寺や東京の深い部分まで知ったり体験してほしいとのことで開業。さらには近年交流を深めている海外のアンダーグラウンド文化圏の面白いやつらとの交流を更に深めるためにも相当役立ってきた。しかも世界各地のやつらが高円寺や東京と繋がるだけじゃなく、いろんな国のオルタナティブカルチャーに遭遇しまくり、そしてまたホームに帰っていくというすごい現象が連発している。
それもそのはず、このゲストハウスの情報は、宿泊予約の商業サイトなどには一切掲載していない。宣伝はひたすら海外各地の独立文化系のカフェやアートスペース、ライブハウス、ゲストハウスなどに直接行って、ポスターやチラシを置いてもらっている。で、現地でそれを見たり、そこの店主や界隈のやつらの紹介によって訪れて来てくれたりする。もちろん、google検索などで知って偶然知って来てくれる人もいるけど、それはせいぜい全体の2割程度。そんな人たちを交えつつの交流がまた面白かったりもするし、その割合がまた絶妙でいい。
そして更に、最近は「マヌケ文化大使」という制度を始めている。世界各地のある程度信頼関係のあるオルタナティブ文化圏に対して、東京に来たい人を募集して、その中から1~2人を大使として受け入れて、無料で滞在して高円寺で遊びまわってもらい(そのかわり掃除とか洗濯とか手伝ってもらう)。そうなるとお互いのローカル文化の橋渡し役となってもらうという、まさに大使だ。
こんなことをやって来たおかげで、世界の地下文化圏の情報が集結するひとつのセンターと化しており、特に気軽に来やすい東アジア圏にとってはかなり重要なスポットになって来ているはずだ。自分で言うのもなんだけど、ここがなくなるのはあまりにもったいない。
さて、そして更に、ガス給湯器事件を機に一時は本当に閉鎖しようかと思っていたところ、高円寺はじめ各地のマヌケな連中や大バカなやつら、あるいはスタッフ含め、いろんな人がなんとかして倒産を回避させようと手伝ってくれると申し出てくれた。う~ん、これはうれしい! 困った時に助けてくれるというのが一番ありがたい!!
よし!!!! こうなったら、乗りかかった船。そう簡単に重要な地下文化交流センターを失うわけにはいかないので、倒産回避をダメ元でやってみよう~~~。6月末までまだ少し時間がある! その間に29万円の更新料を捻出できれば、目前の危機はクリアだ。おお、なんだかゲームみたいで面白くなってきた。
と、言うわけで!!! まずは倒産回避計画第一弾として4月15日、16日に「マヌケゲストハウス倒産回避BAR」を、高円寺「なんとかBAR」にて二夜連続開催!!!!!! 「酒飲んで29万も集まるわけねぇじゃねーか!」と思うかもしれないが、それは言いっこなし。困ったら集まる。これは類人猿時代からの大原則。弱った人たちが集まれば何か策は生まれるもの。必ず第二弾の倒産回避計画も誕生するはず。よーし、楽しくなってきた! さあ、目標額へのカウントダウンの始まり。まずは現時点、29万円からスタート~! 辛うじてクリアできるか、力及ばず倒産か、ええい、こうなったらなるようになりやがれ。一か八かの大宴会で景気良く作戦を開始してしまおう!!!!!!
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マヌケゲストハウス倒産回避BAR
4月15日〜16日(二夜連続)
杉並区高円寺北3-4-12 「なんとかBAR」
20:00頃〜終電過ぎぐらいまで