『世界マヌケ反乱の手引書』が加筆して文庫化されたドサクサにまぎれて中国四国一帯を回る地方巡業ドサまわり作戦を開始!
まずは広島。ひとまず広島の首謀者である行友太郎氏の根城の呉へ。ちなみに弟の文太氏(通称:大将)はもっと物騒なことばかり目論んでるやつで、学生時代から俺にいろいろ悪いたくらみばかり吹き込んで来て、こいつのおかげでだいぶひどい目にあった(笑)。さて、兄貴の太郎も弟に引けを取らない不穏分子で、呉のヤバいスペースをひと通り案内してくれる。「とりあえず呉はここに行っとけば間違いない」というオススメされたのがREBELというBAR。このサウンドシステムがやる気を物語っている。
この後も、屋台やBARなど数軒をハシゴして、いきなり飲んだくれて、先が思いやられる。
死んだように眠り、翌日は午後から慌てて広島市へ移動。到着するやいなや、この日の会場の「オルタナティブスペース・コア」の運営チームが迎えてくれて、まずは平日昼間からお好み焼きとビール。最高すぎる。
このスペース「コア」は、アート系のイベントや展示から、DJイベント、トークショーなどいろんな企画を乱発するスペースで、行友ブラザーズ曰く「いま広島でかなり飛ばしてきてるのがコア」とのこと。
ここのいいところは、超巨大な古い市営住宅「基町アパート」内の商店街の中にある。70年代ぐらいに作られた団地って、今のタワマンの真逆の発想で作られていて、人が集い、共に生活するのを前提にデザインされているので、団地のどこからでもアクセスしやすいような場所に無数の商店街が形成されている。しかも、カッコばかりつけて無色透明なしょうもない店じゃなくて、めちゃくちゃローカルな地に足のついた土着感満載の店のオンパレード。じいちゃんばあちゃんたちが集う遊び場もあるし、渋すぎるスナックや中華料理屋なども。あ、先ほどのお好み焼き屋もこの中にある。
なので、準備してる段階で、通りがかりのじいちゃんばあちゃんがヒョコッと顔だして「今日なに?」「何売るの?」などとやたら顔を出してくる。いやー、いいね、こういうの!
広い! バーカウンターだけあってあとは何もないという最も使いやすいスタイル。いろんな種類のイベントをやれるスペースを開きたいときはこのスタイルが重要。これ、世界各地で共通。ちなみに、こういうスペース維持の重要な収入源はやはりドリンク販売なので、バーカウンターをちゃんと作るのもとても大事なこと。物を売るときに最も重要なのは“本気度”を醸し出すことなので、即席に折り畳みの長テーブルなんかでビールを売るのと、ちゃんとしたカウンターでビールを売るのでは、面白いことに売上が全然変わってくる。つまり、バーカウンターがしっかりしているスペースは長続きする率が上がる。
続々と謎の人々が集まって来る! みんないろんな情報源で駆けつけてきてくれるけど、直接知り合いのスペースなどにチラシを置きに行くのが一番来てくれるとのこと。やっぱり時代はアナログか〜
すごいのは、「素人の乱・残党ラジオ」をいつも聞いてくれていた広島の人が、前日にたまたま放送を聞いた時に「なに! 明日広島だって〜!?」と、驚いて駆けつけてきたという人もいた。やっぱりアナログか〜
今回はいろんな出店もあり。広島で異彩を放つ服屋の絶滅危惧種。高円寺にもしょっちゅう遊びに来ることもあり実はかなり昔からの知り合いで縁が深い。彼がまたやたらノリが良く、この日もイベント終了して打ち上げも終わって、さらに解散ってタイミングでも「ここはラーメン食べに行くしかないでしょ」と、深夜まで飲むことになった最終チームのひとり。深夜までやってる飲食店が近くに少なく、チェーン店で我慢するか〜、と、最後の強豪組が弱気になってもなお「いや、ここでチェーン店ってのは違うでしょ〜」と、信念を発揮し始め、強引にタクシーに乗って遠方の個人店のラーメン屋へ。カッコよすぎる!
広島で最高レベルのイカサマ師にしてヤマ師なのが、このステップさん。今回は「アトム園芸」という店名でサボテンを売っているが、隣にはだしのゲンが並んでものすごい付箋が貼ってある。何かというと、これ普通のサボテンじゃなくて、いろいろ継いだりして、それぞれにはだしのゲンにまつわるコンセプトがあるという。例えば、ひとつは「ゲンが食いちぎった町内会長の倅の手」というサボテン。他にもいろんなシーンのサボテンが並んでる。すごい! それいい!
感動して「これ、昔からやってるんですか?」と尋ねると、「いや、今回がはじめて」とのこと! どうやら、食うに困って一発勝負でまたヤマ師感出して訳のわからないことを始めたらしい。しかもよく見たら帽子に「山」って書いてあるじゃねーか! 最高すぎる。
先述の大将(行友弟)が出すのは不穏な書店。とりあえずブックオフのゴミのように投げ売りコーナーで100円とか200円とかで売ってる中から、「ニセ札」だの「百姓一揆」「働かない」「ドブロク作り」だのを見つけ出し、それを倍の値段で売るという、ふざけた書店。要は無用に不穏な空気感を醸し出し、支配者や秩序を重んじる人々を不安にさせるための書店。相変わらずバカなことやってるな〜。これ、いろんな街でやってほしい。
その悪名高い大将は写真中央のやつ。この男がウロチョロし始めたら何か悪だくみが始まってる可能性が高いので、みんなで警戒しよう!笑
あ、それと、前日の夜、呉で飲んでいた時に最後に行った店「BAR MANGER」のマスターが突如遊びにきてくれた! メタルコアのバンドをやってる人で、やたらとノリが良くいろんなことに食いついてくる楽しい人で、その日も酔っ払いながら「明日イベントやるんですか? 行きます!」とか言って、まんまと本当に現れた! すごい! マスター曰く、「酔っ払って勢いで行くって言ったのを、翌朝二日酔いでうっすら思い出して、これ行かないとカッコ悪いなと思って、来ましたよ〜!」とのこと。さらに「店に来るお客さんでも、『また明日来ます!』っていう人多いけど、十中八九来ないんですよね〜。俺はそうじゃないってところ見せたいんで」と、謎の意地を見せてきてカッコよかった! そして、一杯飲んで本まで買ってくれて「じゃ、店開けなきゃいけないんで!」と、また呉まで帰って行った。すごい! すごすぎる!!
打ち上げは、これまた団地内にある居酒屋へ。おばちゃんたちが集ってて絶好調の店で、ママもご機嫌ないい感じの店! いま、日本中で再開発をもくろんでるような世間知らずの行政のやつらは、こういう近所の人たちが集って人が繋がる店がどんどんできるような思想でまちづくりを考えてもらいたい。っていうか、もっと言うなら、余計なことはせずに街ができていく自然な状態を大事に考えてほしい。
写真左寄りの二人がコア運営の主要メンバーのヒョンギくんとユイちゃん。トークでも面白い話してくれたし、二人ともいろいろやってくれてすごくありがたかった! これは高円寺に来たらもてなさないと〜!!
と言うわけで、広島作戦なんとか終了。フェリーで瀬戸内海を渡り、松山へ。これから愛媛シリーズ!!