数日前、安倍首相によって「新型コロナ長期戦」が宣言された。確かにそうだ。これはすでに、すぐに収まるような状態ではなく、長期戦は免れない。安倍氏の言う通り!
ただ、そうすると、家賃が払えなくなってくる。
観光や宿泊業、バス会社、劇場やライブハウス、そこの機材屋さんや出演者、街の飲食店などを営んでいる人たち、またはそこで働いてる人たち。そんな人たちが明日をも知れぬ状態に突入することになった。で、そこが没落すると、他の広範な業種に徐々に業績悪化と困窮が波及する。現にアメリカでは倒産や解雇が相次ぎ、この短期間で数百万人以上の失業者が出ているという。これはやばすぎる状態!!
現に、数日前には、高円寺の近所の飲食店の人がうちのリサイクルショップに駆け込んできて、「コロナでお客さんがほぼゼロになって、急遽店をたたむことになったから店を一刻も早く片付けたい」とのことだった。「もう何もかも終わりですよ。コロナで世の中おしまいですよ!」と完全にヤケッパチ状態。わかる! その気持ちわかる!!!
他にも「飲食業で働いてたけど、突然もう来なくていいと言われて収入が途絶えたから(ひどい!)、とりあえず家を引き払わないといけないんですよ」と、家財道具一式の処分を依頼されたこともあった。高円寺だけでもこういう人たちが無数にいるので、日本中にはとんでもない数のこういう人たちがいるはずで、しかもそういう末端の出来事は今は数字には現れていないので、日本政府も経済学者もまだ知らないはず。いや、本当にヤバいよ、これは〜
そこへ来て、例の現金配る配らない問題。当面のピンチを乗り切るため、他国が軒並み10万円規模の全員配布を発表してる中、日本政府はなぜか異常な渋り具合を発揮し、どうしてもまとまった金をみんなに配る気がない模様。あれ? ちょっと前までは「経済大国」とか「豊かな日本」とか何とかさんざん大風呂敷広げてなかったっけ? まさか、実は貧困国だったのか、日本!? …さてはあいつら、何かに金使い込んだな!? おい〜、日本政府! ため込んでるはずの俺たちの税金どこ行ったんだ、耳揃えて用意してもらおうか! 税金はこういう危機の時に使うはずだろ〜
ま、現金よこせ問題に関しては前回の記事を参照してほしい。
日本政府に告ぐ。来週の火曜までに現金を配れ
今月の家賃をタダ、もしくは支払い猶予を!
さて、本題。
長期化確定のいま、問題となってくるのは家賃だ。そう、払えない! いや、正確に言えば、なんとか払ったとしても、払ったら今後どうなるかわからない。来月以降の家賃を払う自信がない! そんな感じ。特に最初に挙げた業種の事業主の人たちにはそんな人は大量にいるはず。そこで…
家賃をタダにしろ!!!!!!!!!
そう、これしかない。何もムチャクチャなことを言い出してるわけではない。冗談ではなく本気だ。現に、事態が長期化し都市封鎖で仕事もできなくなった頃の中国では、早々に全国的に「家賃をタダにしろ運動」が発生し、店舗経営者なんかを中心に大家さんに対して家賃の一時的な無料化や減額、支払い猶予など要求。で、結構それがまた成功したりしていると言う。ヨーロッパなどでも家賃の保留を認める政策を出しているところもある。
また、事態が深刻化しているニューヨークでは、行政側から大家さんに対して「家賃が払えなくなった人を家から追い出さないように」と言う要請が発表されているという。これ、超重要。例えば、感染者が急増中だった頃の武漢では、仕事がなくなって家から追い出された人たちが露頭に迷った。そして、街は休止状態なので生きられないので、唯一やっていてお湯や食料にありつける病院の近くに集まって野宿して生活し始めるという事態になった。これは人道的にもひどいし、感染防止の点から考えても危険すぎる!! とりあえず「追い出さない」というのはとても重要なことだ。
ともかくこの状況では、頑張りようがないので、まずはこの場を凌いで収束してから挽回するのが一番いい。でも、今はこの現状でも何も救わないから、みんな死なないために仕事や営業をやめず、それが被害拡大を招く事態になる。
そこで日本政府は、まず最低限「家賃払えなくなった人を追い出すな」とちゃんと宣言すべき。そして、商売が傾いたり給料が激減して生活に困ってる人たちの家賃を短期間無料にするように日本中の大家さんに要請したらいい。どうしても無理なら減額でもいいし、無利子での支払い猶予でもいいし、政府からの呼びかけは大家さんにとってもでかい。
でも、大家さんといってもみんな金持ちなわけじゃなく、貧しい大家さんもいる。例えば引退後の老夫婦で小さいボロアパート一軒持ってて、それで生活してるみたいな人だっているし、あるいは若い頃全財産を振り絞って30年ローンで買った物件を貸してて、まだ完済してないみたいな時もある。そんな大家さんの中には「おいおい、そしたらこっちが死んじゃうよ!」って言う貧困大家もいるだろうから、政府はそこを支援すればい。政府が片っ端から日本中の困窮者の家賃を肩代わりするなんて無理だろうから、まず家賃を無料化し、困窮しそうな大家さんがいれば、そっちを救うという、その方が手っ取り早い。やれ不公平だ何だとかあるかもしれないけど、まずは人が野垂れ死なないようにするのが重要だ。
ちなみに、こういう本来は困ってる人の救済策に、金持ちがドサクサまぎれに便乗しようとすることもある。例えばドイツで、その家賃保留の政策につけ込んでadidasが家賃の引き延ばしを申請して、世間から「お前ら大企業は家賃払え!」と大ブーイングを浴び、adidasは釈明に追われることになったという。バレるとみっともないので、切迫してない人はちゃんと払いましょう。
全国の大家さん諸君! 器のでかさを見せる千載一遇のチャンス到来!
さて、巷の大家さんにとってもこれはビッグニュースだ。世の中が大パニックのこういう時は痛み分けで行くぐらいの大きな器を見せれば、ご近所の中での名声が上がりまくるに違いない。物件持ってれば、後々は金も入ってくるんだし、ここはひとつ、大きく出たい。
大家「よっしゃ、しょうがねえ! 家賃三ヶ月無料でどうだ!」
店子「おお〜! さすがは天下の○○さん! 言うことが違うね〜。ありがとうございます!」
大家「あたりめえよ、これぐらい屁でもねえや。その気になりゃあ、半年でも一年でもビクともしねえってもんよ。かかって来い!」
店子「恩に着ます」
大家「おう、その辺の守銭奴みたいなケチな大家連中と一緒にしないでくれ。困った時にはいつでも来な。ま、大船に乗った気でいてくれい」
なんていう懐の広い粋なセリフを聞きたいね〜、ここは。
そうそう、それに店子あっての大家さん。店子がみんな死に絶えたら、今後入ってくる家賃だってなくなっちゃうし、売り手市場になって家賃の暴落だってありうる。ここは、店子の面倒を見るのも大家さんの重要な役割だと思う。
…って言うか、そもそもみんな払えないし。
困窮者諸君! 生きるために開き直った家賃滞納を!
さて、そんな中、本日3月31日、多くの人が家賃の支払日を迎えていると思うが、特に店をやってたり個人事業主の人なんかは結構多くの人たちが「やばい! 払えない! 死ぬ!」っていう状態に陥ってるんじゃないだろうか?
諸君、恐れることはない! もし本当に限界が来て自殺や餓死などで死ぬぐらいだったら、堂々と家賃を滞納しよう! 法律がどうの契約がどうのなどということは、この際どうでもいい。法律を作ってる政治家の奴らはそんな苦労をしたことのない奴らばかり。そんな奴らが考える法律で、本当に困ってる人たちが救われるわけがない。とりあえず死にそうになったら、法律もヘッタクレもないから「じゃあ、どうしろってんだ!」と開き直るしかない。で、世の中にそんな混乱が続出して初めて、政治家たちは「あ、そうなのか! じゃあ早く法整備しないとヤバいかも!」と、事の深刻さに気付く。バカな政治家たちが会議室で作った法律を守り続てても、政府の奴らは何も気付かない。混乱を覚悟で困窮を訴え、政府や政治家たちにどんな法整備をすべきかを気付かせないといけない。
さて、日本政府の諸君に改めて問う。もはや我々には家賃を払うのは無理だ。諸君の出番である。